半沢直樹シリーズ「オレたち花のバブル組」池井戸 潤
2013/10/24公開 更新本のソムリエ [PR]
Tweet
【私の評価】★★★★☆(85点)
要約と感想レビュー
半沢直樹シリーズ第二弾ということで購入しました。テレビとドラマの流れとしては、ほぼ同じといっていいでしょう。微妙に、会う場所が違ったり、秘密資料の入手方法が違ったりしますが、大きい筋書きは変わりません。そういえば、"倍返し"はありましたが、"百倍返し"はありませんでした。
半沢直樹シリーズの面白いところは、著者自身が銀行出身ということで、銀行内部の事情がわかることでしょう。銀行マンもサラリーマンであり、出世のためにつばぜり合いをしているのです。小説の中で半沢直樹の父が「銀行員は信用するな。契約書を交わし、金が振り込まれてくるまで油断するな」と言ってていますが、著者の銀行マン生活でも、そういわれても仕方のないことを銀行はしていたのでしょう。
・基本は性善説。しかし、やられたら、倍返し 。それが半沢直樹の流儀だ。(p137)
そこに合併による出身行同士の勢力争いが加わって、波乱の展開となる。そして、部下には尊大なのに、お役所に頭が上がらない上司を見て、"いるよな~"と読者の共感を誘うのです。
さらに「いい加減に流すだけの仕事ほどつまらないものはない。そのつまらない仕事に人生を費やすだけの意味があるのか?」など仕事の本質を考える問いかけもあり、会社員としては身につまされることも多いのです。
実際には、半沢直樹のような人は実在しないでしょう。なぜなら、組織の中で生き残れないからです。だから小説なのです。半沢直樹シリーズ第三弾「ロスジェネの逆襲」も購入しました。請う、ご期待。池井戸さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・抜き打ちが建前の検査予定が、事前に洩れる。この情報を運んでくる連中が、かつて「MOF担」と呼ばれていた大蔵省担当のエリート行員たちである(p21)
・期待とともに配属された秋葉原の新店舗で、張り付けられた目標に追い立てられ、支店長の罵詈雑言を浴びせられたあの頃から、近藤の人生は受け身に回っていたのだ。(p73)
▼引用は、この本からです
文藝春秋 (2010-12-03)
売り上げランキング: 32
【私の評価】★★★★☆(85点)
著者経歴
池井戸 潤(いけいど じゅん)・・・1963年生まれ。三菱銀行勤務を経て、「果つる底なき」で江戸川乱歩賞受賞。著書多数。
この記事が参考になった方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓
人気ブログランキングに投票する
読んでいただきありがとうございました!
メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」 36,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。 >>バックナンバー |
配信には『まぐまぐ』を使用しております。 |
コメントする