「花咲舞が黙ってない」池井戸 潤

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花咲舞が黙ってない (中公文庫)

【私の評価】★★★☆☆(70点)


■半沢直樹で銀行の内部を描いた池井戸さんが、
 今回は、東京第一銀行の花咲舞という
 空気読めない女性銀行員を生み出しました。


 花咲舞は、臨店指導グループで
 業務監査をする立場。


 業務監査をしながら、
 情報漏洩、不正融資、
 ヤクザや政治家との結び付き、
 役員の言いなりの上司など
 銀行の暗部を描写していきます。


 倍返しの半沢直樹さんも合併交渉先の
 調査役として出てきますよ。


・私は、世の中の正義より、
 銀行の利益を常に優先してきました。
 正義に損得はない。そして損得にも正義もない。
 私たち銀行員は常にその境界線上にいて
 戦っているんだ。違いますか・・・
 そのとき君は、果たして正義を取るだろうか、
 利益を取るだろうか(p302)


■面白いところは、
 役員がらみの表に出せない融資が
 あるというところでしょうか。


 飛ばしや粉飾で破綻した
 山一証券や長期信用銀行を
 思い出しました。


 不良債権や不正融資が見えないと
 正しい経営判断ができず、
 会社が消滅することもある。


 この本では、花咲舞の東京第一銀行と
 ライバルの産業中央銀行との合併が決まり、
 その膿が表に出ることになります。


■こうした小説の良いところは、
 グチばかりの人や、
 部門利益しか考えない人や、
 足をひっぱる人がいるという
 現実の組織が理解できることです。


 悪いところは、
 そんなにうまくいくかい!
 と思ってしまうこと。


 池井戸ん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・大して仕事もできないくせに、
 いい学校を出て、口が達者で
 上司に取り入るのが上手い
 連中だけが出世していく。
 挙げ句、たそがれ研修に呼ばれて
 自分のことは自分でやれと
 突き放される始末だ(p52)


・銀行というのは、月初めこそ忙しいものの
 月中にかけて商い閑散、つまり暇になっていき、
 やがて十五日頃から忙しさを増して、
 二十日、二十五日、そして月末という
 繁忙日を迎えるというサイクルに
 なっている(p62)


・君に頼みがあるんだが、そのメンバーに
 加わることを承諾してくれないだろうか」・・
 「私でお役に立てるでしょうか」
 やんわりとだが、紀本は消極的な姿勢を
 アピールして見せた(p339)


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