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「死ぬ瞬間の5つの後悔」ブロニー ウェア

本のソムリエ 2018/02/22メルマガ登録
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死ぬ瞬間の5つの後悔


【私の評価】★★★★★(90点)


要約と感想レビュー

 オーストラリアに生まれ、家族の中で浮いていた著者は、子どものころからマイナスの言葉を言われ続けてきました。小さい頃から、ばかにされ、怒鳴られたら自尊心を育てるのは難しいことでしょう。


 著者は自然と家族からマイナスの言葉を言われないように、家族の期待に応えるような行動を取るようになりました。そして彼女は家族の期待に応えるために銀行に就職しますが、自分には合わない仕事だと気づき、退社し、放浪生活をはじめるのです。


・物心ついてからずっと、私は家族みなにからかわれ続けてきた。家族はみな乗馬が好きなのに私は水泳が得意で、牧畜業の家に生まれたのに私はベジタリアンで、定住者一家の中の遊牧民という調子だった。だいたいは冗談の形で言われ、言っている本人は私を傷つけるかもしれないなどとは思っていなかった・・・完全に悪意を持って言ってくることもあった(p62)


 車や友人の家に泊まりながら、派遣会社で生活費を稼ぐという、その日暮らしを始めました。そのうち、寝るところがないので、住み込みのヘルパーや介護の仕事が多くなっていきました。そして介護をしながら、老人と会話をするうちに、彼らの後悔することがわかってきたのです。


 それが目次の、
 後悔1 自分に正直な人生を生きればよかった
 後悔2 働きすぎなければよかった
 後悔3 思い切って自分の気持ちを伝えればよかった
 後悔4 友人と連絡を取り続ければよかった
 後悔5 幸せをあきらめなければよかった
 なのです。


 つまり、死を宣告された人は、「自分は本当にやりた人生を生きてきたのか?」という問いと直面し、実はそうではないということに気づくというのです。余命を宣告された人は、自分の人生を取り戻すことができる時間が与えられた幸運な人なのです。


・私は怖かったのだと思うよ。そう、怖かったんだ。怯えていた。ある意味、地位が私の価値を決めていた。もちろん、こうして死を控えてここに座っている今は、良い人間であることだけで、人生には十分以上だと知っている。我々はなぜ、物質的な成功で自分の価値を計ろうとするのだろう?(p104)


 著者は自分の人生を後悔する介護老人と対話しながら、自分も家族のトラウマと戦うことになりました。著者は、家族と性格が違うことをずっと否定され続け、嫌味を言われ続け、トラウマとなって低い自己評価にとらわれていたのです。


 著者は瞑想をしながら気づきました。他人に対してそうしたマイナスの言葉を口にし、他人を傷つける人というのは、その人が不幸だからなのです。未熟で不幸な人の否定的な言葉に、いかに多くの人が影響され、傷ついていることか。欧米でも同じなのです。


 自分も他人の価値に支配されていないのか、考えてみるきっかけになる一冊でした。ウェアさん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・私、どうしてやりたいことをやらなかったのかしら?どうして夫をのさばらせていたんでしょう?どうして強くなれなかったのかしら?・・ブロニー、自分がしたいことを誰かに邪魔させてはだめよ(p59)


・ブロニー、私はあんなに働くんじゃなかったよ。なんて愚かなばか者だったんだ・・私は働き過ぎだったから、今こうして孤独に死んでいこうとしている。最悪なのは、引退してからずっと一人だったこと(p101)


・お金は本当に誤解されている。好きなことはお金にならないと思い込んで、ずっと自分に合わない仕事をつづける人たちがいる。その反対かもしれないのにね。本当に好きなことだったら、外の仕事より集中できるからお金がもっと入ってきてもっと幸せになれるかもしれない(p114)


・人はそれぞれ違うんです。チャーリー。態度で察することができる人もいるけれど、はっきり言葉で言われないとわからない人がほとんどなんです。・・あいつに行ってやらなくては。78歳の老人が息子に愛していると言おうとして緊張するなんて、おそろしい世の中になったな。こんなこと練習したことがないからね(p129)


・ジョセフは子どもたちとの間に温かく愛情に満ちた関係を築くことができなかったとも感じていた。自分が教えてやれたのは、金の価値と稼ぎ方だけだった、と。「今になってみると、そんなもの何になる?」・・彼はため息をついた・・「けれど家族は私がどんな人間かを知らない。知らないんだ」・・「知ってほしいのに」そう言うと、涙があふれ出した。(p144)


・私は20年前から感謝日記をつけている。一日の終わりにその日に感謝したことをいくつか書き留めておくのだ(p236)


・もっとも愛してほしかった人たちに長年批判されてきた苦しみを認識し、他人を正当化するのをやめ、本当の気持ちをすべて話すためには、自分を許し、この悪循環に永遠に別れを告げるという強い意志を持つことが必要だ。自分に優しくなると同時に人の優しさを受け入れられるようにならなければならない(p285)


・人はみな弱く、繊細な心を持っている・・私たちは生まれたとき、まぶしく輝いていて、周りの人みなに美しい光をもたらす。ところが時が経つにつれて、私たちには泥のような心ない言葉が投げかけられるようになる。この心ない言葉はそれを言った人自身のことを述べているだけだ・・学校の友人や職場の同僚、世間、それに人生で出会うたくさんの人々。その言葉は私たちに様々な形で影響を与える。傷つけられる人、いじめる側になる人、その言葉を真に受けて長年とらわれてしまう人・・私たちは心ない言葉をぶつけられているうちに、だんだんとその言葉を信じはじめる。だから自分も仲間に加わって、自分を傷つけはじめる(p308)


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【私の評価】★★★★★(90点)



著者紹介

 ブロニー・ウェア(BronnieWare)・・・オーストラリア生まれ。緩和ケアの介護を長年つとめ、数多くの患者を看取った。その経験を基にして書いたブログが大きな注目を集め、それをまとめた『死ぬ瞬間の5つの後悔』は26ヶ国語で翻訳され、世界中で読まれている。イギリスGuardian紙に掲載された同書に関する記事は、日本でも紹介され、大きな話題を呼んだ。作詞作曲家、作詞の講師でもある。ブロニー・ウェアのブログ


目次

ヘルパーになるまで
後悔1 自分に正直な人生を生きればよかった
後悔2 働きすぎなければよかった
後悔3 思い切って自分の気持ちを伝えればよかった
後悔4 友人と連絡を取り続ければよかった
後悔5 幸せをあきらめなければよかった
その後
エピローグ 微笑みとともに知る



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