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【書評】「美食の教養 世界一の美食家が知っていること」浜田 岳文

2025/04/15公開 更新
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「美食の教養 世界一の美食家が知っていること」浜田 岳文


【私の評価】★★★★★(91点)


要約と感想レビュー


30年以上食べ歩き

著者は一年の5カ月を海外、7ヶ月を日本で食べ歩いています。世界を代表するレストランを、30年以上食べ歩いてきたという。著者が有名レストランを食べ歩くのは、どんなレストランが世の中にあるのか、どんな美味しいものがあるのか、シェフは何を考えて作っているのか、といった好奇心からです。


つまり、ミュージシャンのライブに行くように、料理人のレストランに行って、料理人の作品を鑑賞し、楽しむのです。


ちなみに著者のインスタグラムでは、フォローしてくれている料理人に,役に立つ情報を提供することを意識して投稿しているという。プロも行きたい店に行っているというわけです。


素晴らしい料理を出しているレストランが成り立たないのが,我慢できない・・才能あるアーティストが正当に評価されないのが,耐えられない(p174)

行く価値があるお店とは

では著者は、どのように食べ歩いているのでしょうか?まず、食事の半分以上が新規のお店で残り半分が新規以外だという。


その中でも定期的に通っているお店が何軒かあって、自分の評価の物差しになっているというのです。例えば、京料理の「京味(きょうあじ)」には6年以上、月1回のペースで通っていたという。


著者の考える行く価値があるお店の定義は、料理人が料理を突き詰めて考えている店です。そして、自分の料理がどういう料理か、定義できているという。例えば、地元の食材を使う、薪を使って調理するなど、料理に特徴があるのです。


高級ジャンルの中で安い店に行くくらいなら,安いジャンルで高級な店に行ったほうがいい(p86)

「世界のベストレストラン50」を踏破

著者は食べログ、Rettyといった口コミサイトも参考にしているという。具体的には、自分と好みが合う人をフォローして参考にするのです。そして、お店のウェブサイトやインスタグラム、そしてGoogleマップの評価を見たりして決めるという。


ガイドブックについては、フランスなら「ミシュランガイド」「ゴ・エ・ミヨ」「ラ・リスト」。イタリアなら「ガンベロ・ロッソ」「レスプレッソ」、スペインなら「ギア・レプソル」日本なら「TERIYAKI」などを参考にしているという。


著者は2017年度「世界のベストレストラン50」全50軒を踏破したというくらいですから、匿名評議員の評価による「世界のベストレストラン50」も注目すべきものだという。


ガストロノミーの世界では,近年,「世界のベストレストラン50」が存在感を増しています(p117)

素晴らしい料理とビジネス

著者は素晴らしい料理を出しているレストランがビジネスとして成り立たないのが,我慢できないと言っています。素晴らしい料理を出していても、それなりの価格を支払ってくれる顧客がいなければ、お店を維持できない場合があるのです。私が、良い本が売れないことが我慢できないのと同じなのですが、それが現実なのです。


高いレベルの料理人と高いレベルの顧客とが存在してはじめて、世界レベルのレストランが維持できていることがわかりました。浜田さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・ドイツ人は半分冗談半分本気で,高級なオリーブオイルを買うよりも,高級な車のオイルを買うのにお金をかける,といったりします(p46)


・イタリアといえばオリーブオイルという印象が強いかと思いますが、それは南部の話です。北部はバターを使います(p267)


・中国料理のほぼすべての業態は大人数でシェアすることを前提にしています。ベストの人数は,お店にもよりますが,大体6~8人(p97)


▼引用は、この本からです
「美食の教養 世界一の美食家が知っていること」浜田 岳文
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浜田 岳文 (著)、ダイヤモンド社


【私の評価】★★★★★(91点)


目次

はじめに なぜ、「美食」か
第1章 人生を豊かにする 美食の思考法
第2章 美味しさに出会う 美食入門
第3章 食から国の素顔が見えてくる 世界の料理総まとめ
第4章 美食家なら知っておきたい グルメ新常識
第5章 美食を生み出す 一流料理人の仕事
第6章 私たちは何をどう食べるのか 美食の未来予測
おわりに フーディーとして生きるということ
巻末特典 世界のベストレストラン50に載っていない 世界の注目すべきレストラン50


著者経歴

浜田岳文(はまだ たけふみ)・・・1974年兵庫県宝塚市生まれ。米国・イェール大学卒業(政治学専攻)。大学在学中、学生寮のまずい食事から逃れるため、ニューヨークを中心に食べ歩きを開始。卒業後、本格的に美食を追求するためフランス・パリに留学。世界約127カ国・地域を踏破。一年の5カ月を海外、3カ月を東京、4カ月を地方で食べ歩く。2017年度「世界のベストレストラン50」全50軒を踏破。「OAD世界のトップレストラン(OAD Top Restaurants)」のレビュアーランキングでは2018年度から6年連続第1位にランクイン。株式会社アクセス・オール・エリアの代表として、エンターテインメントや食の領域で数社のアドバイザーを務めつつ、食関連スタートアップへの出資も行っている。


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