「世界一不幸な男が、世界一幸せな男になるまでの物語 つながろう、ワンファミリー! みんながひとつになる世界へ」古市 佳央
2024/11/27公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(90点)
要約と感想レビュー
全身の41%を大やけど
著者は16歳でオートバイ事故を起こし、全身の41%を大やけど負いながらも、幸い命は助かりました。当時のやけどの治療の技術では、皮膚を移植したり、ガーゼで覆うのが標準であり、カーゼ交換の痛みで地獄の治療を受けることになったのです。
顔もやけどで崩れてしまい、死ぬことを考えましたが、医師の「前よりいい顔にしてあげるよ!」という根拠のない励ましが、生きる希望となり心の支えになったという。やけどの傷は完治することはありませんでしたが、心の傷は時間とともに癒やすことができたというのです。
身体の傷は完治することは難しくても、心の傷の方は時間というプロセスの中で癒せたのです(p73)
普通の人も苦しんでいる
著者はこうした身体の傷と心の傷から立ち直った経験を、「這い上がり」という著作として出版することができました。すると、多くの読者から、生きる希望を持てたなどの感想の手紙をもらうようになったという。
そして講演などを行うようになって、手紙を送ってくれた読者に会う機会が増えるにつれて、著者は衝撃を受けることになるのです。著者が驚いたのは、そうした手紙で「もう、死にたい!」と書いていた人は、一見普通の人だったのです。明らかに悩んでいるように見える人は、数人だったという。
つまり、著者は自分を不運でかわいそうな人間だと考えていたのですが、普通に見える人も同じように苦しんでいることがあるのだと初めて気づいたのです。苦しいのは、自分だけではなかったのです。
(苦しむ)読者たちとの出会いがなければ、私は事故以来、自分の中にあった「自分だけが不幸な運命に遭ったかわいそうな人間」というマイナスな考え方から抜け出せなかったかもしれません(p101)
人は生きているだけで素晴らしい
著者は全身やけどで、手足が不自由になり、顔もくずれてしまったけれども、今が本当に幸せだという。つまり事故という不幸によって、著者は人の本当の素晴らしさを決めるのは外見ではないということがわかったというのです。そもそも人は生きているだけで素晴らしいのです。
重症患者の多い病室で、亡くなる人の遺族の様子を見て、大切な家族を亡くされた方がどれだけの悲しむのかを見た時に、人は生きていてくれるだけでいいんだ、と気づかされたという。
当たり前=幸せ、つまり、今のあなたの日常は、すでに幸せな状態の中にあるということ(p174)
他の人を幸せにしてみよう
著者はさらに幸せになりたいのなら、まずは、他の人を幸せにしてみようと提言しています。自分は生きているだけで幸せであり、その幸せを他人にもわけてあげるのです。
世界一不幸だったからこそ、世界一幸福になったという著者の言葉に感動しました。古市さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・祖母を一言で言い表すなら「愛の人」そのものであり、かつ、「与える人」でした・・「与えることに幸せを感じている人」だったと思います(p61)
・感謝される、ということは、「あなたという人間の存在意義・存在価値が認められた」ということなのです(p171)
・あなたがこの世に生まれてきた時に、あなたの両親から「生まれてきてくれてありがとう。もう、それだけでいい」と感謝されたはずなのです(p180)
【私の評価】★★★★★(90点)
目次
第1章 これまでの道のり
第2章 人生に影響を与えてくれた大切な人たち
第3章 ワンファミリーでひとつになろう
第4章 あなただけの物語は誰かの希望になる
第5章 幸せになるために
第6章 やさしい社会へ
著者紹介
古市佳央(ふるいち よしお)・・・歌う講演家。9171年生まれ。16歳の時に遭遇したバイク事故により、全身の41%にやけどを負い、顔や手に大きな損傷を残す。しかし、絶望から這い上がり、2000年から講演活動を開始し日本全国で講演活動や歌のライブを行う。「全国・講師オーディション2013」でグランプリを受賞し日本一の講師となる。2024年現在、これまでに行った講演回数は1450回を超え、計12万人を超える聴衆に勇気と感動を与え続けてきた。女性のスピーチコンテスト「キラキラ女性講演会」、男性スピーチコンテスト「サムライ講演会」を主催。
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