「今日、誰のために生きる?アフリカの小さな村が教えてくれた幸せがずっと続く30の物語」ひすいこたろう、SHOGEN
2023/12/26公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(91点)
要約と感想レビュー
今日、私は自分の人生を生きるね
アフリカには「ティンガティンガ」という6色のペンキで描くポップアートが存在します。日本で「ティンガティンガ」を見て感動したSHOGEN(しょーげん)さんは、会社を辞めてアフリカで「ティンガティンガ」を学ぶことにしました。タンザニアのティンガティンガ村に行ってみると観光化されていて物価が高いので、SHOGENさんは隣のブンジュ村で絵を学ぶことにしたのです。
ブンジュ村で生活していく中で、SHOGENさんは不思議な経験をしました。それは、日常会話が哲学的なのです。ブンジュ村での挨拶では、「おはよう!今日、私は自分の人生を生きるね。ショーゲンは誰の人生を生きるの?」と言われるのです。そして一生懸命絵を描いているショーゲンさんは、村人から心に余裕がないと言われます。ショーゲンはいつも自分を置き去りにしているように見える。一番大切にしないといけないのは、自分だよと言われてしまうのです。
人と話す時は、その人を抱きしめるようにして話すんだよ(p42)
自分の心の喜びに集中したほうがいい
村長さんから、「なんで心に余裕がないんだ。日本人なのに」と言われるので、ショーゲンさんが「なんで日本人なの?」と質問してみると、村長のおじいさんは、村の神事を行うシャーマンで、日本人と交信し、こうした学びを教わっていたと言うのです。だから村長は、日本人から幸せに生きる知恵を教わったのに、ショーゲンは日本人らしくない!と考えているのです。これはかなり怪しい!
怪しいけれども、その教えはレベルが高いのです。例えば、村人は食事の時間を大切にしています。食事が作業になったら、生活そのものが作業になってしまうよ、とショーゲンさんは警告されます。食事は家族との時間であり、食べられることは喜びであるべきなのです。
さらに村人は自分らしく生きることを大切にしています。ショーゲンさんは「絵なんて稼げないから、やめたほうがいい」なんて言われても聞く耳を持つ必要はない。自分の心の喜びに集中したほうがいいと助言されたこともあるという。
ご飯が食べられることに、幸せを感じられるか(p30)
自分のために描いた絵
ブンジュ村の教えは怪しいけれど、幸せの本質を伝えてるように感じます。それ以上に、ショーゲンさんの絵が素晴らしい。ショーゲンさんが自分のために描いた絵は、 何かが違うのです。ショーゲンさんは日本に帰ってきて、子どもたちと「壁画」を描くことがあります。そのときに子どもたちに伝えているのは、「自分のために描いてね、人のために描かないでね」ということです。
日本では村意識というか、共同体意識が強いので、村長のおじいさんが日本人と無線交信し、生きる知恵を教わったというのは怪しい話です。共同体意識の強い日本人だからこそ、自分らしく生きるということが刺さるのだと思いました。日本人から学んだということは信じませんが、自分らしく生きることの大切さは信じます。ひすいさん、SHOGENさん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・3歳の子から流れ星をつかまえに行きたいと言われたら、どうしますか?その村の大人たちは、全員が行くんだとか(p6)
・お金というものがなくなったとしたら、あなたは生きていける人間ですか?(p32)
・失敗した人は、「人間らしいね。かわいいね」(p60)
・挑戦するということは、新しい自分に会えるという行為なんだよ(p66)
▼引用は、この本からです
ひすいこたろう、SHOGEN、廣済堂出版
【私の評価】★★★★★(91点)
目次
1 ずっと幸せであり続ける奇跡の村
2 幸せがずっと続く6つの秘訣―シックス・センス
著者経歴
ひすい こたろう・・・コピーライター、作家、漢字セラピスト。 日本メンタルヘルス協会の衛藤信之氏から心理学を学び心理カウンセラー資格を取得。
SHOGEN(しょーげん)・・・1986年、京都府船井郡京丹波町生まれ。ペンキ画家。単身でアフリカの現地に渡り、村人と一緒に生きながら絵の修行を許された"唯一の外国人"。帰国後はティンガティンガの『人々を幸せにする絵』という精神を基に"SHOGEN流"の新たな表現で制作を続けている。
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