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「もしも一年後、この世にいないとしたら。」清水研

2022/12/05公開 更新
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「もしも一年後、この世にいないとしたら。」清水研


【私の評価】★★★★☆(82点)


要約と感想レビュー

 著者はがん患者の心の病気の専門医(精神腫瘍医)です。そのような職種のお医者さんがいるとは知りませんでした。著者は仕事としてがんによって自分の死に直面した患者さんが、「残りの時間をどう生きたらよいのか」と悩み苦しむ姿と毎日向き合っています。


 著者が仕事を始めて気付いたのは、実は自分自身が今の時間をどう生きたら幸せなのかわかっていなかったということです。「このままでよいのだろうか?」と漠然とした疑問を感じながらも、自分自身が充実感のない日々を過ごしていたのです。


・人は死の直前になって、心のままに生きていないことに気づく(p93)


 人が自分の死と直面したときに、強いストレスを受けるのは当然のことでしょう。あると思っていた10年後の自分が存在しないかもしれないわけです。がん告知後1年以内の自殺率は、一般人の24倍だという。ただ時間とともに、心の動揺は避けられない運命を受け入れる気持ちに変わってきます。例えば、未来のために努力してきた人にとって、未来がなくなった今をどう生きるのかということを考えはじめるのです。


 死を意識してはじめて、当たり前だと思っていたことに感謝の気持ちが出てくるという。今日一日があることに感謝する。家族と一緒の時間を大切にする。自分のやりたいことに時間を使う。普通の日々の連続が幸せであったことに気づくというのです。


・人生で大切なことは何か考えると、行動が変わります(p66)


 確かに「人は必ず死ぬ」とはいえ、人生100年時代といわれる現代社会では自分の死というものを意識する時間が少ないように感じます。時間がたくさんあるがゆえにその時間を無駄にしてしまう可能性が高くなっているのが、現代社会なのでしょう。


 タイトルのように「もしも一年後、この世にいないとしたら。」と考えてみると、何かが変わっていくのかもしれません。清水さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・大切な人との時間を何よりも優先する(p70)


・「人生は一回限りの旅である」というフレーズがぐっと私の中に入って来ました(p148)


・家族は第二の患者と言われ、精神的な苦痛の程度は、患者本人に勝るとも劣らないと言われています(p24)


・「外科医として仕事ができない自分はからっぽの存在だ」と語る方は、頑張ってきた自分を慈しみ、今の自分を許せるようになりました(p100)


▼引用は、この本からです
「もしも一年後、この世にいないとしたら。」清水研
清水研、文響社


【私の評価】★★★★☆(82点)


目次

序章 がんは体だけでなく心も苦しめる
第1章 苦しみを癒すのに必要なのは、悲しむこと
第2章 誰もが持っているレジリエンスの力
第3章 人は死の直前になって、心のままに生きてないことに気づく
第4章 今日を大切にするために、自分の「want」に向き合う
第5章 死を見つめることは、どう生きるかを見つめること



著者紹介

 清水研(しみず けん)・・・1971年生まれ。精神科医・医学博士。金沢大学卒業後、都立荏原病院での内科研修、国立精神・神経センター武蔵病院、都立豊島病院での一般精神科研修を経て、2003年、国立がんセンター東病院精神腫瘍科レジデント。以降一貫してがん患者およびその家族の診療を担当している。2006年、国立がんセンター(現:国立がん研究センター)中央病院精神腫瘍科勤務となる。現在、同病院精神腫瘍科長。日本総合病院精神医学会専門医・指導医。日本精神神経学会専門医・指導医。


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