3日本の最近のブログ記事

冤罪弁護士

【私の評価】★★★☆☆(77点)


■テレビで多くの事件を見ていて不思議に思うのは、
 「取調べは任意なのに、拒否する人がいないのはナゼ」
 「黙秘すればいいのに、逆に自白してしまうのはナゼ」
 ということです。


■その答えは、
 「警察が有無を言わせず連れて行く」
 「自白しないと、20日拘留するなどと言って脅す」
 からです。

  ・これは警察が有無を言わせない空気で
   迫ってくるためです。(p183)


■こうしたことは、「国家の罠」を読んで知っていましたが、
 具体的事例で、客観的な証拠よりも、
 自白や証言が優先される裁判が多いことを知ると、
 なにやら怖ろしくなってきました。


■冤罪は簡単に作られるのです。

 私は、混んでいる電車では、チカンに間違われないように
 必ず両手で本を持って読んでいますが、
 それでも冤罪に巻き込まれる恐れはあるはずです。

 一度起訴されてしまうと有罪確実ですので、
 巻き込まれない、取調べられたら弁護士を付けるなど
 気をつけたいものです。


■なかなかテレビでは取り上げない、いえ、
 取り上げることのできないテーマなのでしょう。
 本の評価としては★3つとしました。

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■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・日本の刑事裁判の特色は、一言で「調書裁判」「精密司法」
   「人質司法」などと言われる。・・・否認していると
   ずっと釈放されず、有罪のときは量刑もはるかに重い(p13)


  ・検察官控訴により原判決が破棄される比率は、統計上、
   およそ三分の二にも達します。検察官控訴により一審の
   無罪判決が破棄されると、その裁判官は裁判所組織内で
   冷遇される傾向にある(p222)


  ・警察官が、偽証し、あるいは証拠を捏造することは、
   かならずしもめずらしくはない。(p56)


▼引用は、この本からです。

冤罪弁護士
冤罪弁護士
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今村 核
旬報社
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おすすめ度の平均: 5.0
5 ごく最近の冤罪事例+刑事訴訟法入門

【私の評価】★★★☆☆(77点)


■著者紹介・・・今村 核(いまむら かく)

 1962年生まれ。大学卒業後、1992年弁護士登録。
 現在、自由法曹団司法問題委員会委員長。

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■関連書評■
a. 「国家の罠」佐藤 優
【私の評価】★★★★☆

b. 「裁判のカラクリ」山口 宏、副島 隆彦
【私の評価】★★★☆☆


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権力の司祭たち (集英社文庫)

【私の評価】★★★☆☆(70点)


■田中角栄元総理大臣の秘書官を務めた
 早坂 茂三さんが政治の世界を語ってくれる一冊です。

 時代は変わりましたが、
 政治家の世界はそれほど変わっていないようです。


■役人の使い方、カネの集め方、
 派閥の役割、選挙区への心配りなどは、
 いろいろな改善の動きがありますが、
 昔も今も似たような雰囲気です。

  ・田中角栄は言った。「役人は生きたコンピュータだ。
   使いこなせば役に立つ。方針を明確に示し、
   予算のわがままを聞いてやり、失敗の責任を負わせず、
   退官後の天下り先を世話することだ」(p82)


■早坂さんの思いは、そうした細かなことよりも
 天下国家のことを考えることのできる国会議員を
 一人でも増やしたいということです。

 その方向に行ってもらいたいものです。
 本の評価としては★3つとしました。

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■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・自民党の派閥は、そこのボスにとって
   総理・総裁を目指すための私兵の養成機関である。(p13)


  ・田中角栄が私に言った。
   「公明党は法華さんの太鼓を叩くヒトラーユーゲントだ」
   ヒトラーユーゲントというのは、戦前、ナチスドイツの
   指導者・ヒトラーが作った青年団組織である。(p192)


  ・権力の司祭たちの頭の中は、八、九割が選挙区の心配と、
   必要なカネの遣り繰り算段だ。ボスはボスなりに途方もない
   カネが出ていく。心の休まる時が少ない。並みの代議士が経世済民、
   世界や天下国家を考えるのは、残りの一、二割だ。(p209)


  ・昔の徳川時代、幕閣は大名の妻子を江戸に呼んで人質にした。
   今は逆に地元の選挙民が人質を取る。地方出身の選挙に弱い代議士は、
   妻子を選挙区に置かなければ信頼してもらえない。
   二重生活になる。(p204)


  ・国会議員一人当たり年額一億円のカネを国庫から支出したらよい。・・
   このカネで政治家は優秀なスタッフを十人も二十人も用意したらよい。
   いい仕事をするには、頼りになる相棒が必要だ。(p231)


▼引用は、この本からです。

権力の司祭たち (集英社文庫)
早坂 茂三
集英社
売り上げランキング: 583930

【私の評価】★★★☆☆(70点)


■著者紹介・・・早坂 茂三(はやさか しげぞう)

 1930年生まれ。東京タイムズ記者を経て、
 1962年大蔵大臣田中角栄の秘書官となる。
 田中が脳梗塞で倒れる1985年まで政策秘書官。
 2004年没。

─────────────────

■関連書評■
a. 「オヤジの知恵」早坂茂三、集英社
【私の評価】★★★★★

b. 「駕籠に乗る人担ぐ人」早坂茂三、集英社
【私の評価】★★★☆☆


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ブッダの教えがわかる本―仏教を学ぶ (仏教を学ぶ)

【私の評価】★★★☆☆(72点)


■「仏教の教え」を教えてくれる一冊です。

 「八正道」「諸行無常」「六波羅蜜」など
 難しい言葉が出てきますが、
 内容は成功哲学そのものです。


■たとえば、「八正道」の
 「正見:正しくものを見よう」は、現実を素直に直視することだし、
 「正語:正しい言葉で話そう」は、コミュニケーションの技術です。

 その他にも、与えること、たゆまず努力すること、
 人の悪口を言わないなど、
 普通の成功哲学本に書いてあることばかりです。


  ・欲楽と苦行との二つの極端を離れた「中道」こそが
   理想への正しい道である・・・自己中心の考え方を
   捨て去ることである(p33)


■冠婚葬祭でしかお付き合いのない仏教ですが、
 本来は「成功哲学」を庶民に伝えるための
 仕組みだったのかもしれません。

 お寺で「成功セミナー」を開いてもらうと
 楽しいかもしれないと思いながら、
 本の評価としては★3つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・「自己を知り、掘り下げる教え」
   それが仏教なのです。(p7)


  ・「諸行無常」・・・その意味は「この世の中のものは、
   すべてうつりかわる」ということです。・・・
   それに執われたり、それを誇りおごっていたりしても、
   それは何もならないということです。(p71)


  ・中国唐代の禅僧、百丈禅師の言葉に、
   「一日作(な)さざれば一日食らわず」とあります。
   つまり、人の世話になるまいという決心を持つことです。(p104)


▼引用は、この本からです。

ブッダの教えがわかる本―仏教を学ぶ (仏教を学ぶ)
服部 祖承
大法輪閣
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おすすめ度の平均: 5.0
5 こころが込められた素晴らしい本です。

【私の評価】★★★☆☆(72点)


■著者紹介・・・服部 祖承(はっとり そしょう)

 1928年生まれ。
 1949年~1974年小学校教諭。
 1959年~1995年自敬寺住職。
 1995年~2005年自敬寺閑栖
 1972年~2005年法務省保護司。

─────────────────

■関連書評■
a. 「ユダヤ5000年の教え」ラビ・マーヴィン・トケイヤー
【私の評価】★★★★★

b. 「甘露の法雨」谷口雅春
【私の評価】★★☆☆☆


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時代はいつも、こう変わる―明日が見つかる7大法則と50の小法則」日下 公人、リベラル社
【私の評価】★★★☆☆(70点)


■長期信用銀行出身の日下さんの一冊です。

 銀行という高所から
 頭の良い人が社会を見るとこうなるのだろうなと
 思いました。

 私の場合は、外国人の話のところを
 面白く読みましたが、

  ・中国人と「ドラえもん」の話をすると、子供が自分の部屋を
   二階に持っているのが大ショックだという。シンガポールの学生は、
   日本の女性はアパートに独立して住んでいるとは凄いと驚く。(p34)


■普及率7%の壁や、下手な鉄砲を数撃とうなど
 マーケッティング関係も
 充実しています。

 いろいろなヒントが入っているので、
 ちょっとした時間つぶしに読むと
 楽しめると思います。

 本の評価としては★3つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・お金持ちと貧乏人はやることが似ている。
   たとえば、腕時計・・・
   衣服・・・くしゃくしゃになった風合いを楽しむ(p96)


  ・本物と出会う機会を増やすことで、それが本物と偽物を
   見極める目を養うことになる。(p143)


▼引用は、この本からです。
時代はいつも、こう変わる―明日が見つかる7大法則と50の小法則

【私の評価】★★★☆☆(70点)


■著者紹介・・・日下 公人(くさか きみんど)

 1930年生まれ。大学卒業後、長期信用銀行入行。
 同行取締役を経て、東京財団会長、ソフト化経済センター理事。
 著書多数。

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■関連書評■
a. 「失敗の教訓」日下公人、ワック
【私の評価】★★★★★

b. 「お金をたくさん稼ぐには」日下 公人、三笠書房
【私の評価】★★★★☆


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自殺という病―毎年3万人の自殺者を減らすために、あなたができること
【私の評価】★★★☆☆(74点)


■先日、東京に出張しましたが、
 乗った電車が「人身事故のため停車」しました。

 また自殺か・・・首都圏では人口が多いだけに、
 電車への飛び込みも多いようです。


■日本では毎年三万人が自殺していますが、
 先進国の中では非常に高い自殺率になっています。

 (自殺率の上位はリトアニア、ロシア、ベラルーシ、ウクライナ・・・
  旧ソ連の国々が高いですね)


■どうして自殺するのかと普通の人は考えますが、
 精神科医から言わせると、自殺は( 病気 )だというのです。

 正常な判断をくだせない精神状態があり、
 「認知障害」といえる状態となることがあるのです。

 ・ 自殺を考えている人の脳では、特にセロトニンという伝達物質が
  少なくなっていることがわかっています。脳内のエネルギー不足の
  ような状態で・・・「認知障害」の状態で出した「自分は死ぬべき
  である」という結論は、果たしてその人が自分の意志で死を決断
  したことになるのでしょうか?(p33)


■また、どうしたときに、自殺の可能性が高まるかといえば
 人生の目的を喪失したときが危ないようです。

 つまり生きる意味を失ったときに、
 人は思い切り落ち込むのです。

 ・女性は40代、男性は50代、60代で、心理的な危機をむかえやすい
  といわれます。・・・「人生の目的の喪失」です。女性の場合は、
  人生の目標を子育てにおき・・・男性の場合は・・・「仕事」(p72)


■こうした人に対して、どう対応すれば良いのかとといえば、
 ただ、聞くだけ。
 ただ、( 傾聴 )することが大切だそうです。

 ・自殺を考える人との上手な会話法・・・
  ただ傾聴すればいい(p160)


■自殺については、日本人が真剣に考えるべき
 テーマだと思います。

 自殺についての基礎知識を学ぶには最適な一冊だと思いましたので、
 ★3つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・アメリカの自殺者は日本の自殺者とほぼ同じです。ただし
  アメリカの人口は約二億八千万人です。日本は約一億二千万人ですから、
  ・・・アメリカの2.4倍も自殺率が高いのです。
  イギリスに比べると3.2倍です。(p30)


 ・キリスト教もイスラム教もユダヤ教も仏教も、その他ほとんどの
  宗教は、すべて自殺を禁止していて、世界中のほとんどの人達は
  「自殺はしてはいけないものだ」という共通認識を持っています。(p47)


 ・病苦は自殺動機のトップクラス・・・自殺者の約90パーセントは、
  何らかの精神疾患にかかっている(p60)


 ・自殺念慮を持っている人にとっては、お酒はさらに危険な凶器
  となります。それは、酩酊状態、つまり酔っ払った状態で自殺
  行動を起こす人が非常に多いからです。(p89)


▼引用は、この本からです。

自殺という病―毎年3万人の自殺者を減らすために、あなたができること
佐々木 信幸
秀和システム (2007/03)
売り上げランキング: 3045
おすすめ度の平均: 5.0
4 自殺も病。
5 誰もが読んでほしい本
5 本当に人を救う本

【私の評価】★★★☆☆(74点)


■著者紹介・・・佐々木 信幸(ささき のぶゆき)

 1965年生まれ。精神科医。
 2004年より、うつ病・自殺研究で有名な
 イリノイ大学シカゴ校精神科に勤務する。
 メルマガ「シカゴ発 映画の精神医学」「ビジネス心理学」発行。

─────────────────

■関連書評■
a. 「朝食抜き!ときどき断食!」渡辺 正、講談社
【私の評価】★★★☆☆

b. 「病気にならない生き方」新谷 弘実、サンマーク出版
【私の評価】★★★★★


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福沢諭吉 国を支えて国を頼らず
【私の評価】★★★☆☆(77点)


■慶応義塾の創設者、『学問のすゝめ』の著者、
 一万円札の肖像となっている福沢諭吉の生涯を記した一冊です。

 福沢諭吉の功績としては、
 学問の必要性を広め、自主独立の精神を広めたこと、
 そして西洋の知識を日本に紹介し、脱亜入欧をぶったことでしょう。


■緒方洪庵の適塾において頭角を表わし、
 25歳で幕府全権団の随行としてアメリカを視察しています。

 ここでは、アメリカの豊かさ、
 自由・平等を標榜するアメリカ市民社会に
 大きく影響を受けたようです。

 ・(1959年)当時の日本では鉄は貴重品。火事の後には、焼け残った釘を
  拾いに多くの人が集まったほどだったが、ここサンフランシスコでは
  無造作に捨てられている。アメリカの豊かさの前に息を飲んだ。(p77)


■そして、『西洋事情』と『学問のすゝめ』を発刊。

 『学問のすゝめ』は、17編の小冊子であり、
 300万部以上の人の読まれたと言われています。

 ・明治五年(1872年)二月、『学問のすゝめ』初編が発刊された。
  <賢人と愚人との別は、学ぶと学ばざるとによりて出来るものなり>
  ・・・<この人民ありてこの政府あり>という言葉などは実に
  辛辣な警句である。(p159)


■<この人民ありてこの政府あり>など、今の日本人にたいして
 福沢諭吉が怒っているような錯覚に陥りました。

 学ぶことの必要性と自主独立の精神は、
 その重要性は今も変わりません。
 ★3つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・諭吉がその金を書籍購入に充てた。マンデビルの英文法書を二百余冊、
  ウェブスター大辞書42冊、クアッケンボス窮理書(現在の物理書)76冊、
  地図帳33冊等々、買った大きい箱で10箱近くに達した(p113)


 ・慶応義塾では「欧米の学問と自主独立の精神」を徹底的に叩き込んだ。
  ここで「欧米の学問」と言っているのは、・・・実生活に役立つ知識を
  意味している。後にこれを「実学」と表現した。(p156)


 ・(大隈重信には)その人柄を慕って人が集まった。早朝五時には起床、
  庭を一、二時間かけて散歩し、夜は九時には就寝するという規則的な
  生活を守り、「人間125歳寿命説」を主張するほど頑健であった。(p208)


 ・イギリスが朝鮮の巨文島を占領したり、ロシアが朝鮮宮廷内の親露派と
  示し合わせて陸路朝鮮へ侵入を企てたりしているにもかかわらず、朝鮮政府の
  対応が弱腰なことに愛想を尽かし・・・<人民の生命も財産も独立国民の誇りも
  守ってやれないような国は、むしろ亡びてしまうほうが人民のためだ>とまで
  書いたため即座に発行停止を食らった(p312)


▼引用は、この本からです。

福沢諭吉 国を支えて国を頼らず
北 康利
講談社 (2007/03/30)
売り上げランキング: 3480
おすすめ度の平均: 5.0
5 我々が忘れかけているもの
4 今一つ訴求力に欠くが力作であることは間違い無い
5 理想の教育のカタチ

【私の評価】★★★☆☆(77点)


■著者紹介・・・北 康利

 1960年生まれ。大学卒業後、銀行系証券会社勤務。
 PHP研究所「次代を考える東京座会」メンバー。
 著書多数。

─────────────────

■関連書評■
a. 「中国の「核」が世界を制す」伊藤 貫、PHP研究所
【私の評価】★★★★★

b. 「華僑 大資産家の成功法則」小方 功、実業之日本社
【私の評価】★★★★☆


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千年、働いてきました―老舗企業大国ニッポン (角川oneテーマ21)
【私の評価】★★★★☆(84点)


■日本には、創業百年以上の会社が、
 十万社以上あるそうです。

 ところが、日本を除くアジアでは、
 百年以上の会社自体がそれほどないという事実が
 あります。

 ・創業百年以上・・・十万社以上と推定されている・・・日本以外のアジア
  では、まず百年以上も歴史のある店や会社を探すのすら、相当に難しい。
  お隣の韓国には俗に「三代続く店はない」と言われる・・・
  中国には・・・百年以上続いている老舗が何件もある。(p23)


■この背景には文化的なものがあるのでしょうが、
 著者は、その理由として次の2つをあげています。

 まず、日本人が職人を好むことから、
 その職人の技術が、代々受け継がれる可能性が高いこと。

 ・さまざまな分野で、手仕事の稼業や製造業が、親から子へ、
  子から孫へ、孫から曾孫へ、曾孫から玄孫(やしゃご)へ・・・、
  と受け継がれている。・・・“職人”を好む(p31)


■そして、会社を同族内だけで運営するのではなく、
 優秀であれば養子などに経営を任せるなど、
 人事の自由度が高いということです。

 ・華人を含むチャイニーズの企業で、実の長男をさしおいて、養子や
  赤の他人がトップに立つことは、まず絶対に考えられない。・・・
  一方、日本の商都・大阪には「息子は選べないが、婿は選べる」
  という言い習わしがある。(p134)


■日本だけに、十万社もの百年続く企業があるという
 事実に、少し日本人としての誇りがもてました。

 日本人というものを考える一つの視点になると
 思いましたので、★4つとします。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・世界最古の会社はどこにあるのだろうか?・・・
  実はここ日本にある。その会社、いつから現在まで続いているのか?
  ・・・答えは、西暦578年、時代で言えば、なんと飛鳥時代(p19)


 ・三百年も続いてすごいなと思われるかもしれないですけど、
  実際われわれとしては三百年生きてきたという認識は持ってないんですよ。
  それはあくまでも結果ですよね。毎日毎日積み重ねた結果が三百年になったわけ
  でして、それは五百年経ったとしても同じでしょう。(福田金属)(p49)


 ・世界最大のシェアを誇るノキアのケータイにも、エプソントヨコムの
  人工水晶が埋め込まれている。ちなみに、ノキアもまたフィンランドの
  老舗企業で、1865年の設立時は製紙会社だった。(p177)


 ・中国じゃ従業員が、よく会社の品物を黙って持って帰っちゃう。・・・
  会社への忠誠心なんてないんだから。それなのに経済産業省のバカどもは、
  うちら中小企業に『中国に行ったらどうですか』とか、いまだに言ってくる。
  中国に出て裸で帰ってくる人がいっぱいいるっていうのにね。(p172)


▼引用は、この本からです。

千年、働いてきました―老舗企業大国ニッポン (角川oneテーマ21)
野村 進
角川書店 (2006/11)
売り上げランキング: 2890
おすすめ度の平均: 4.5
5 老舗は「動」の組織
5 私も前から気になっていました。
5 老舗企業が老舗企業たる所以

【私の評価】★★★★☆(84点)


■著者紹介・・・野村 進(のむら すすむ)

 1956年生まれ78年フィリピンに留学。
 「フィリピン新人民軍従軍記」を発表し、ライターとなる。
 アジア地域、医療、メディアなどの分野で取材、執筆を続ける。
 拓殖大学国際開発部教授。

─────────────────

■関連書評■
a. 「中国の「核」が世界を制す」伊藤 貫、PHP研究所
【私の評価】★★★★★

b. 「華僑 大資産家の成功法則」小方 功、実業之日本社
【私の評価】★★★★☆


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僕の見た「大日本帝国」―教わらなかった歴史と出会う旅
【私の評価】★★★☆☆(73点)


■「大英帝国」という言葉があったように、
 「大日本帝国」という言葉がありました。

 大日本帝国とは、日本、台湾、朝鮮半島、サハリンの南半分、
 そして太平洋の島々からなる国家です。

 ・戦前のアジア太平洋地域の地図を見ると、日本の領土が現在より
  ずいぶん広いことに気がつく。朝鮮半島や台湾、サハリンの南半分、
  そして太平洋の赤道のあたりまでが日本領となっているのだ。(p17)


■著者の西牟田さんは、この「大日本帝国」の地図を見て、
 これらの日本領であった国々を旅してみようと決心しました。

 短期間の旅で、現地の実際の姿を知ることはできないでしょうが、
 現地に行かないよりは、より現実に近づけるはずです。


■南の島には、日本へのアメリカ侵攻を防ぐために、
 少ない武器で、玉砕していった人たちの名残がありました。

 日本の国のために自分の命を捧げた人たちがいた
 という事実を私たちは知らなくてはなりません。

 ・(ペリュリュー)神社には敵将ミニッツ提督の言葉の彫られた碑もあった。
  「この島を訪れるすべての国の人よ。この島を守った日本軍将兵が、
  いかに勇敢に祖国愛に燃えて戦い、玉砕したかを語り伝えよ」(p354)


■最近、沖縄で集団自決を日本軍が強制したという記述が
 教科書から削除されて問題になりましたが、
 気持ちはわからないではありませんが、
 日本軍がすべて悪いというのは、現実とは違うように感じました。

 ・そのころの日本人はアメリカ人など見たことがない人が多かったし、
  捕まったら殺されると思っていたのは仕方のないことなのかもしれない
  (その後終戦直前にソ連軍がなだれ込んできた満州では現実に地獄絵図が
  繰り広げられたのだ)。(p380)


■戦前は、日本の軍事力をちゃんと把握していませんでしたが、
 今は、愛国心の大切さをちゃんと把握していないように感じます。

 反日・愛国などということではなく、
 日本の歴史と、日本を考えるために良い本だと思いましたので、
 ★3つとします。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・「特攻隊の人たちは精神が純粋で『お国のために』と思っていましたから、
  任務を疑問に思っている人は見かけませんでした」(台湾の鄭さん)


 ・満州から来た日本兵に、食いものと女持ってこい、と怒鳴られたこと
  もありましたよ。・・・日本は戦争に負けてしまったが、日本が戦った
  からこそアジアが列強から解放されたとう側面もあったんだよ。
  (韓国の張さん)(p172)


 ・グアムを除く島々は二十世紀の前半、南洋群島と呼ばれ、
  三十年ほどの間、日本に統治されていた。ドイツ領だった
  ミクロネシアを日本が無血占領したのは1914年(大正3年)、
  第一次大戦中のことだった。(p331)


▼引用は、この本からです。

僕の見た「大日本帝国」―教わらなかった歴史と出会う旅
西牟田 靖
情報センター出版局 (2005/02)
売り上げランキング: 35115
おすすめ度の平均: 4.0
2 ただの旅行記。
5 等身大のアジアがそこにある!
1 旅行記としては★5つ

【私の評価】★★★☆☆(73点)


■著者紹介・・・西牟田 靖(にしむた やすし)

 1970年生まれ。8か月会社員として勤め、
 地球一周の船旅に出て、ライターとなる。
 タリバン支配下のアフガニスタン侵入、
 空爆停止直後のユーゴスラビア突入など
 挑戦的な旅を続ける。

─────────────────

■関連書評■
a. 「台湾人と日本精神」蔡 焜燦、小学館
【私の評価】★★★★★

b. 「梅干と日本刀」樋口 清之、祥伝社
【私の評価】★★★★★


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日本の食と農 危機の本質 (シリーズ 日本の〈現代〉)
【私の評価】★★★☆☆(70点)


■学者さんが日本の農業を分析すると、
 こうなるんだろうな、という一冊でした。

 まず、農業経営が非常に厳しいものであり、
 人一倍働かなくては成り立たないことはわかるようです。

 現状の農産物の流通では、農家に入るお金は、
 10%くらいでしかないのですから、
 農家は流通を含めてコスト削減努力が必要となります。

 ・現在の家庭の食費の大部分は加工や流通などにお金をかけている
  のであって、農産物そのものにはお金をかけていない。青果物の場合、
  小売価格の10~40%程度しか農家の手元には行かない。(p36)


■しかし、それでも農家が農家であり続ける理由は、
 農水省のばらまく補助金と、
 将来の農地転用による土地の売却期待であるというのが、
 神門(ごうど)さんの分析結果です。
 現実は、そうなのでしょう。


■また、農協と農水省にしても、
 現状維持と組織の維持に努力をするのみです。

 自殺した農水相がいましたが、
 農水省の利権には、ものすごいものがありそうです。

 ・正直に農地法を改正するのではなく、新たな制度を作って
  農地行政を複雑にし、外部からわかりにくくするのが農水省の
  知恵である。農水省のホンネは零細農家の保護である。(p161)


■「現状はよくない」ということはよくわかりましたが、

 今後、どうすべきかについては、最後の数ページで、
 外国人労働者の活用と、海外からの食品輸入の促進を
 あげています。

 サントリー学芸賞を受賞するくらい良い分析とは思いましたが、
 批判が主で、提案内容が弱かったので、★2つに近い、★3つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・JAの法令違反は偽装表示だけではない。最近では全農秋田による
  自主流通米の架空取引および横領事件が耳目を集めた・・・
  雪印食品が消滅してしまったのに比べて、相変わらず巨大組織で
  不祥事を続けるJA(p77)


 ・生産者との顔が見える関係とかいって宅急便を活用したような流通は、
  実は流通経費を高め、資源の浪費という環境破壊を招いている
  可能性がある。(p22)


 ・BSEであれ、環境ホルモンであれ、どの程度の有害性を持つのか、
  現在科学が正確に解明したわけではない。・・・日々われわれが
  “安心”して食べているものに、BESの比ではなく有害性が科学的に
  検出されているものが多々ある。(p48)


▼引用は、この本からです。

日本の食と農 危機の本質 (シリーズ 日本の〈現代〉)
神門 善久
NTT出版 (2006/06/24)
売り上げランキング: 72739
おすすめ度の平均: 5.0
5 農家・官僚・政治家の行動原理をわかりやすく解説している
5 農業関係者はどう評価する?

【私の評価】★★★☆☆(70点)


■著者紹介・・・神門 善久(ごうど よしひさ)

 1962年生まれ。
 1984年京都大学農学部卒。京都大学博士。
 現在、明治学院大学経済学部教授。

─────────────────

■関連書評■
a. 「夢の百姓「正しい野菜づくり」で大儲けした男」横森 正樹
【私の評価】★★★★★

b. 「ニンジンから宇宙へ」赤峰 勝人、なずな出版部
【私の評価】★★★★☆


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日本人はなぜ戦争をしたか―昭和16年夏の敗戦 (日本の近代 猪瀬直樹著作集)
【私の評価】★★★☆☆(70点)


■昭和十六年十二月八日のハワイ真珠湾攻撃により、
 太平洋戦争がはじまりました。

 当時の内閣、議会、官僚、マスコミ、軍部は、ほとんどすべて開戦派であり、
 日本が戦争に突き進んでいく空気のようなものを
 この本は描写してくれます。

 ・「和平」という結論が出れば、若手将校によるクーデーターか、
  右翼による要人暗殺が起きかねない形勢にあった。(p84)


■そして、開戦前に軍官民の優秀な人員三十六名を集めた
 「総力戦研究所」が日米戦争をシミュレーションしています。

 その結果は、資源がなく、米国、中国、英国、ソ連に包囲された
 日本は必ず負けるというものでした。

 ・総力戦研究所研究生が模擬内閣を組織し、日米戦日本必敗の
  結論に辿り着いたのは昭和十六年八月のことであった。・・・
  日本が南方に石油を獲りにいったらどうなるか、という想定で
  シミュレーションが進められた。(p130)


■そのような現実を知る人はいるものの、
 日本はこの雰囲気の中で、開戦していくこととなります。

 六十年も前のことですが、
 一度世論が生まれると一斉に一方向に走ってしまう、
 今も変わらない日本の特性を感じてしまいました。

 当時の雰囲気を知るために良い本だと思いますので、
 ★3つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・彼(東條)は自分が頂点にいるとは思わない。天皇がいた。
  彼はその忠実な臣下であった。彼は軍人としてのファンクション
  (職分)のなかで生きていた。理念や思想があれば彼に制度の
  壁を破ることを期待するのは可能だが、それは望むべくもなかった。
  (p182)


▼引用は、この本からです。

日本人はなぜ戦争をしたか―昭和16年夏の敗戦 (日本の近代 猪瀬直樹著作集)
猪瀬 直樹
小学館 (2002/07)
売り上げランキング: 569
おすすめ度の平均: 4.5
5 戦争を知らない事はよくない
5 本当に「過去を直視」すべきは朝日新聞
5 悪質な多事争論

【私の評価】★★★☆☆(70点)


■著者紹介・・・猪瀬 直樹(いのせ なおき)

 1946年生まれ。
 「ミカドの肖像」「日本国の研究」など、
 日本という国家を考える書籍を多数出版。
 行革断行評議会委員として特殊法人の民営化に取り組む。


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■関連書評■
a. 「日本国の研究」猪瀬 直樹、文藝春秋
【私の評価】★★★★★

b. 「一気にわかる!空港の内幕」猪瀬 直樹、PHP研究所
【私の評価】★★★★☆


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