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「グローバル メガトレンド10―社会課題にビジネスチャンスを探る105の視点」岸本義之

2024/01/15公開 更新
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「グローバル メガトレンド10―社会課題にビジネスチャンスを探る105の視点」岸本義之


【私の評価】★★★☆☆(78点)


要約と感想レビュー

2050年の日本はどうなっているのか

マッキンゼーや欧州コンサルで経験を積んだ著者が、仕事で企業向けに情報提供していた今後30年間のトレンド(社会課題)をまとめた一冊です。著者が大学教授となってからは、「経営環境論」として学生に教えているという。


日本社会のトレンドを見てみると、日本は少子高齢化によって人口が減り、日本のGDPは減っていきます。2050年にはアメリカ、中国、インド、インドネシア、日本という順番になるという。少子化対策として移民を受け入れた場合、失業者が増えてくると、失業した人たちは「移民が自分の仕事を奪った」と考えるようになるのが欧米で起きていることなのです。


また、労働力として女性の社会進出も増えています。時間を節約したいと考える家族が増えるとすれば、食事は食堂、風呂は大浴場、寝具はレンタルといった家族向けの寮がビジネスとして成り立つのではないかというアイデアも生まれるのです。


日本は「女性が社会進出をしたから出生率が下がった」・・国別の比較をしてみると、最近は「女性の就業率の高い国は、出生率も高い」(p308)

真似しにくい技術をプラスする

ビジネスのトレンドで考えてみると、現代社会はインターネットの発達により、消費者人は、買いたくなってから検索するようになり、検索連動広告が発展してきました。インターネットがない時代には、テレビや新聞といったマスコミの広告によって、消費者を操作して流行やトレンドを作り出すことができていましたが、今は個人がSNSや個人メディアで情報発信する時代なのです。


アマゾンは誰でも参入できるネット販売に、巨大倉庫と翌日配達という簡単に真似できない特徴をプラスすることで市場を支配しています。著者は誰でも参入できる自動車製造に自動運転技術のような誰にも真似しにくい技術をプラスしなければ、自動運転技術の開発に成功した会社に市場を支配されてしまうのではないかと、警鐘を鳴らしています。


自動運転技術にも投資をしておかないと・・グーグルのような企業が自動運転技術の開発で先行してしまい、自動車メーカーはグーグルの下請けになってしまう(p68)

社会課題を解決するビジネス

ソフトバンクの孫さんが、起業前に1日1個の起業アイデアを考えることを自分に課していたことを思い出しました。この本に書かれてある社会の変化や社会課題に対して、何をやっていくべきなのか、と考え続けることが大事なのでしょう。


従来の仕事を維持していくことも大事ですが、社会の変化に合わせて変わっていくことも大事なのです。岸本さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・社会主義は「皆が貧しくなる」という意味で平等化を実現してしまった(p213)


・ウーバーイーツは、配達員を「雇用」していないので、配達員は「ギグワーカー」です・・臨時で働く人(p351)


・「困りごと」を解決するというビジネス・・重要なのは、その顧客の立場になって考えることです(p362)


▼引用は、この本からです
「グローバル メガトレンド10―社会課題にビジネスチャンスを探る105の視点」岸本義之
岸本義之 、中央経済社


【私の評価】★★★☆☆(78点)


目次

世界は大きな社会課題であふれている
社会課題こそがビジネスチャンス
メガトレンド(1) 地球温暖化と環境問題
メガトレンド(2) 有限な天然資源をどう活かすのか
メガトレンド(3) 人口問題と少子化・高齢化
メガトレンド(4) 移民とメガシティ化という人口移動
メガトレンド(5) 所得格差は解消するのか
メガトレンド(6) ビジネスのグローバル化がさらに進む
メガトレンド(7) 国家間のパワーシフトが進む
メガトレンド(8)個人へのパワーシフトが進む
メガトレンド(9) ライフスタイルの多様化が進む
メガトレンド(10) 生産性向上と省人化
ビジネスモデルを考える
自分の未来を切り開くには


著者経歴

岸本義之(きしもと よしゆき)・・・武庫川女子大学経営学部教授。東京大学経済学部卒業、米国ノースウェスタン大学ケロッグ校MBA、慶應義塾大学大学院経営管理研究科Ph.D.。外資系コンサルティング会社マッキンゼーのマネージャーおよびブーズ・アレン・アンド・ハミルトン(現PwCコンサルティングStrategy&)のパートナーとして、金融・サービス・自動車・消費財・小売などの業界のマーケティング領域のコンサルティングに多く従事してきた。早稲田大学大学院経営管理研究科客員教授、エーザイ社外取締役などを経て現職


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