3国際の最近のブログ記事

それでも、日本人は「戦争」を選んだ
加藤陽子
朝日出版社
売り上げランキング: 379

【私の評価】★★★☆☆(75点)


■第二次世界大戦を中心として、
 当時の日本、そして国際関係を
 高校生に講義するという内容の一冊です。


■各国がなぜ植民地を作ったのか。

 各国はどう考えて、同盟をしたのか。
 当時の社会や民衆はどうだったのか。

 高校生に講義しているせいか、
 わかりやすいというのが印象的でした。


・日本が獲得した植民地を考えてみると、ほぼすべて
 安全保障上の利益に合致する場所と言えますね・・・
 欧米の帝国主義・・・まず重要なのは商業的なもの
 ・・・キリスト教の布教・・・国内の失業問題(p193)


■私が一番印象的だったのは、
 日本国憲法の中にリンカーンのof the people
 by the people, for the peopleが入っている
 ということ。

 こうしたちょっとした「へー」が
 歴史を面白くしてくれるのかも
 しれません。


・「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、
 その権威は国民に由来し」までが"of the people"ですね。
 「その権力は国民の代表者がこれを行使し」という部分が
 "by the people"・・・「その福利は国民がこれを享受する」、
 つまり、国民のため、が"for the people"(p32)


■特に主張があるわけではなく、
 戦争当時の歴史を学ぶ授業ですが、
 「あの戦争はなんだったのか」
 ということを考える一助となるはずです。

 加藤さん、よい本をありがとうございました。


━━━━━━━━━━━

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・そもそも国際連盟がまちがっていたのだ・・・イギリスは、
 連盟の権威をバックにして、単なる言葉や理論によってドイツ、
 イタリア、日本を抑止でいると考えるべきではなかった、と
 カーは書いています(p57)


・日清戦争が近づいてきた頃の人々・・・
 『自由燈』という、絵の間に文字がありますというような新聞を
 発行して、自由党の考え方を下層階級・民衆に広めようとしました
 ・・・このようなだらしのない人々では、日本がたとえロシアの属国
 とされてしまっても、おとなしくいうことを聞くに違いない(p116)


・英米相手の武力戦は可能なのか、この点を恐れて開戦に
 後ろ向きになる天皇を、軍はどうしても説得しなければならない
 ・・・日本の石油の備蓄量は日ごとに減ってゆく。(p340)


・41年四月十三日、松岡洋右外相がモスクワに飛んで、
 ソ連を中立条約を結んでいた・・・日本は、ドイツとすでに
 40年九月、三国同盟を結んでいる。日独伊ソというような、
 いわば四国同盟に近いものができて、やれやれ、これで
 英米などの資本主義国と対抗できるかな、と考えていた(p362)


・終戦時、満州にいた日本人・・・約200万人
 そのうちソ連侵攻後の死者数・・・約24万5400人(p393)


それでも、日本人は「戦争」を選んだ
加藤陽子
朝日出版社
売り上げランキング: 379
おすすめ度の平均: 4.0
4 頭がしなやかである
4 結局なぜだったのか・・・
5 本当におもしろい
5 近現代史の流れを知る良書
5 爆笑問題もビックリ!

【私の評価】★★★☆☆(75点)


■著者紹介・・・加藤 陽子(かとう ようこ)

 1960年生まれ。東京大学大学院教授。
 専攻は日本近現代史。


■関連書評■

a. 「超速!日本近現代史の流れ」竹内 睦泰
【私の評価】★★★☆☆


b. 「日本の敗因」小室 直樹
【私の評価】★★★★☆


c. 「日本人はなぜ戦争をしたか」猪瀬 直樹
【私の評価】★★★☆☆


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パーキンソンの第2法則かねは入っただけ出る (1965年) (至誠堂新書)
C.N.パーキンソン
至誠堂
売り上げランキング: 1070525

【私の評価】★★★☆☆(79点)


■「かねは入っただけ出る」とは、
 パーキンソンの第二法則です。

 これは、あなたの財布の中身にも当てはまりますが、
 実は、国家財政と税金についての法則なのです。


・自分で勘定を払わぬ人間にとっては、節約ということは
 しっくりこないのである。(p142)


■パーキンソンさんの分析では、
 政府、役人組織というものは、
 かぎりなく膨張するものです。
 (パーキンソンの第一法則)

 そして、税金は支出の増大に従って高くなり、
 最後には支出を超え、最終的には
 国家を減衰させることになるという法則です。
 (パーキンソンの第二法則)

 今の日本にぴったりで、
 さびしくなりますね。


・仕事がどんどん増えるため時間が足りなくなって、
 役人が増員し、政府の支出は歳入に応じて増大し、
 それをこえる・・・政府機構の膨張は、国民のエネルギー、
 積極性、能力、所得を奪い去り、さらに破滅的な課税の結果、
 奪い残した富を国外に追放することとなる(p250)


■この本では、政府・官僚組織というものが
 膨張し、税金を課し、いかに国家を弱くしてしまうかを
 シニカルな口調で教えてくれます。

 根本的には、税率を20%程度まで低くすることが
 必要となりますが、それは、税金を安くすることが
 目的なのではなく、税金のがれに注がれている力を
 仕事に役立ててもらうためなのです。


・第一に取上ぐべき問題は、社会給付や防衛支出の節約いかんではなく、
 今日、徴税と税金のがれとで消耗し合っている努力と能力のすべてを、
 いかにして有効なチャンネルに切り換えるかである。(p108)


■大英帝国の知恵を、
 残念ながら、大日本帝国は学ばなかったようです。

 あまりに古い本なので、翻訳が読みにくく、
 購入はお勧めできませんが、
 内容は知っておくべきだと思います。

 図書館で借りるのが適切ではないでしょうか。

 パーキンソンさん、よい忠告をありがとうございました。


━━━━━━━━━━━

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・われわれは帝国主義的支配の野心にもえた最初の国が、
 スペイン、オランダ、フランスの三国であったことを知る。
 これらの各国があいついでその途上でつまづくと、
 重すぎる課税がその衰微に一役を買ったのであった。(p32)


・英国の税制をその植民地に拡張しようとしたため、
 アメリカという国ができた・・・アメリカ人のコーヒー好きは、
 どうやら茶税反対のアメリカ人が東インド会社の船に積んであった茶箱を、
 ボストン湾の海中にほうりこんだ時にはじまるように思われる(p48)


・移民たちから巻き上げたかねで、英国が本国を住みやすくし、
 海外移民をする気をなくさせた・・・帝国建設者などという種族は、
 すでに絶滅してしまい・・・大英帝国は過去のいかなる不滅の帝国 
 よりも、急速かつ完全に崩壊するにいたったのである(p70)


・平時の課税が国民所得の10%を超えると、資本は国外への流出を
 始め・・・25%をこえると、重大なインフレーションが生じて、
 徴収された歳入の価値を減少させる。30%をこえると・・・
 国家的な影響力の減衰が、全世界的に歴然とする(p105)


・いかなる所得にも25パーセントをこえる直接税を課してはならない。
 近年にその安全圏をこえてしまった国ぐには、
 (浪費の順に並べると)、英国、フランス、ニュージーランド、
 日本およびアメリカ合衆国である。(p108)


・国有財産をほしいままにしようとするものどもは、
 自分勝手に長官だの、事務官だの、監督だのと名乗り、
 国庫には何の利益もあげず、収益をみんなふところに入れて
 しまっていることが、会計報告をみただけでも明らかである
 (パピルス 752)(p143)


パーキンソンの第2法則かねは入っただけ出る (1965年) (至誠堂新書)
C.N.パーキンソン
至誠堂
売り上げランキング: 1070525

【私の評価】★★★☆☆(79点)


■著者紹介・・・C.N.パーキンソン

 1909年生まれ。
 1934年まで大学で学術的著作に従事。
 その後、大学で教鞭をとり、
 1957年「パーキンソンの法則」を発表。
 パーキンソン研究所を設立して、経営コンサルタント
 として活動。


■関連書評■

a. 「裏 お金の現実」岡本 吏郎
【私の評価】★★★☆☆

b. 「道路の決着」猪瀬 直樹
【私の評価】★★★★★


c. 「小泉官邸秘録」飯島 勲
【私の評価】★★★★★


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独立外交官 国際政治の闇を知りつくした男の挑戦
カーン ロス
英治出版
売り上げランキング: 191879

【私の評価】★★★☆☆(79点)


■イギリス外交官として、国連安全保障理事会で
 イラクへの攻撃に関わりながら、
 その外交の不合理さに外交官を辞し、
 外交コンサルタントとして独立した著者の一冊です。

 「独立外交官(Independent Diplomat)」というのが
 かっこいいですね。


■本場のイギリス外交官だけあって、
 リアルな外交の世界を解説してくれます。

 外交官は、ある程度独自に判断、行動し、
 間違っても責任を問われない
 というのは、本当なようです。

 どうりで太平洋戦争の宣戦布告を
 遅れさせた外務省の役人も、
 責任問題にならないわけです。


・歴史的な慣習の積み重ねで、どういうわけか、
 外交官は特別なエリートで、外部からの検証や影響を
 ほとんど受けず、説明責任も求められずに、自由に政策決定
 していいのだということが受け入れられている。(p33)


■そして、外交の判断となるのは国益。

 そして、その国益は、政治で左右されますが、
 基本的には「お金」が基準となっているようです。

 いくら現地が悲惨な状態であっても、
 人権問題があっても、虐殺があっても、
 無視される場合があるのです。

 著者は、こうした論理に
 耐えられなくなったというのが、
 独立外交官となった理由だそうです。


・「中間派」の支持獲得に効果を発揮するのは、
 決議の内容の検討ではなく、むしろ政治的な力に物を言わせて、
 非常任理事国に「われわれ」と同じ見解をもたせるよう
 働きかけることだった。・・・政治的圧力は通常、外相同士の
 非公式の電話で伝えられ、スロベニアの場合は、
 米大統領の公式訪問によって伝えられた(p223)


■テレビでしか伝わらない外交という世界の
 一端を伝えてくれる一冊でした。

 国家が国益を考えて行動するとき、
 時として弱者を捨て去るという現実を知って、
 少し怖い気持ちにもなりました。

 社会人として読んでおくべき一冊でしょう。
 本の評価としては★3つとしました。


━━━━━━━━━━━

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・外交官としての最初の数年は、僕もこうしたやり方で
 世界について語るのが好きだった。ドイツの国益は何か、
 ロシアはどう動くのか、いかにしてフランスを出しぬくか
 (イギリスにとって永遠の関心事だ)(p30)


・僕は上司や閣僚に質問をぶつけたり議論を交わしたりするのが
 好きだったが、キャリアを上り詰めるには、
 こうしたふるまいを自制する必要があった。(p29)


・ケシ栽培地帯(アフガニスタンのほぼ全域といっていい)
 の農民に金を払って、その年の収穫を土に埋めさせることが
 計画された・・・ヘロインの収穫は・・・ほぼ10倍増になった(p62)


・国連安保理が退屈なものだとは思いもしなかったが、
 実際そうなのだ。座って、メモを取り、またメモを取る。
 ・・・その日の議題は、いつもと同じ、未解決の紛争と
 人間の苦しみのリストだ。ブルンジ、イラク・・・(p190)


独立外交官 国際政治の闇を知りつくした男の挑戦
カーン ロス
英治出版
売り上げランキング: 191879
おすすめ度の平均: 4.5
5 組織とそれに属する個人で目的やその活動方針が一致しなくなった時、個人は葛藤し、そして。。。
4 国家ではなく人類のために・・・
5 新たな外交へ
5 外交官の独立請負人
4 外交交渉の携わる人たちの行動原理とは?

【私の評価】★★★☆☆(79点)


■著者紹介・・・カーン・ロス

 15年以上イギリス外務省に勤務。
 1998年から4年半国連安保理イギリス代表部。
 2004年外務省を辞め、外交コサンルティングの非営利組織
 インディペンデント・ディプロマットを設立。
 支援先は、コソボ、ソマリランド、西サハラのポリサリオ運動。


━━━━━━━━━━━

■関連書評■

a. 「外交敗戦」手嶋 龍一
【私の評価】★★★☆☆

b. 「インテリジェンス武器なき戦争」手嶋 龍一、佐藤 優
【私の評価】★★★★☆


c. 「地球を斬る」佐藤 優
【私の評価】★★★★☆


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排出権商人
排出権商人
posted with amazlet at 10.02.12
黒木 亮
講談社
売り上げランキング: 3098
【私の評価】★★★☆☆(72点)


■温暖化ガスの排出権取引について
 小説化した一冊です。

 実は私もこの関係の仕事をしていましたので、
 そばがゆいというか、懐かしいというか、
 不思議な感覚でした。


■京都議定書における
 日本の温暖化ガスの削減目標は
 1990年から6%の削減。

 この目標が達成できない場合、
 他国の余った排出権を購入するか、
 他国の温暖化ガス削減プロジェクトに資金提供することで
 排出権を手に入れる必要があるのです。


・ご存知のとおり、日本の電力会社や鉄鋼メーカーは、
 温室効果ガスの自主削減目標を達成するために、
 排出権を購入しなくてはなりません。(p47)


■この本では、そうした排出権獲得プロジェクトを
 海外で作り上げ、日本の電力会社や鉄鋼メーカーに
 転売してサヤを稼ぐビジネスの実情を教えてくれます。

 現実も、この小説のようなものだと
 理解して問題ないのではないでしょうか。

 というより、この本を読めば、業界の常識が
 だいたいわかると思います。


・HFC23分解プロジェクト・・・排出権は中国企業に帰属するが、
 日本側はそれを全量購入し、電力会社などに売却する。排出権一トンにつき、
 十ユーロ程度のサヤが抜ける見込みで、毎年五千八百ユーロ(約八十億円)
 が日本側三社に転がり込む。中国側にはその倍くらいの金が入り、関係者
 一同笑いが止まらないプロジェクトだ。(p36)


■この本の最後に、「地球温暖化問題は、世紀のペテン」
 というメッセージが出てきます。

 この言葉を書くために、黒木さんはこの本を
 書いたのではないかと私は感じました。

 小説としては★2つですが、
 排出権の業界を知るには良い本だと思いましたので、
 本の評価としては★3つとします。

 黒木さん、よい本をありがとうございました。


━━━━━━━━━━━

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・地球温暖化問題は、世紀のペテン・・・
 太平洋では数十年ごとに水温が上下する「太平洋十年規模運動(PDO)」
 という現象があり、太平洋の高温・低温期は、地球の温度の周期と
 ほぼ一致している。PDOは、1970年代半ばから高温期だったが、
 それが1998年で終わったと考えられ、今後、三十年くらいは、
 地球の気温が上昇しない可能性が高い(p410)


・2008年から2012年までの「第一約束期間」で
 日本が購入しなくてはならない排出権は、政府・民間合計で
 四億トンである。かりにトン当り15ユーロで買い付けるとすれば、
 約一兆円を支出しなくてはならない。(p336)


・UNFCCCは、発行される排出権量に応じて「登録料」を
 ピンはねしているので、国連諸機関のなかでは、例外的に
 財政が豊かである。そのため、職員を大幅に増やしたり、
 方法論を複雑化したりして「マフィア化」している。(p273)


排出権商人
排出権商人
posted with amazlet at 10.02.12
黒木 亮
講談社
売り上げランキング: 3098
おすすめ度の平均: 4.5
5 ドラマ仕立ての排出権取引の説明書
5 よいけど限界あり
5 アクの強い人物たちと現場が排出権相場を盛り上げる。
5 排出権取引の仕組みがよくわかります
4 CDMの欺瞞を突く

【私の評価】★★★☆☆(72点)


■著者紹介・・・黒木 亮(くろき りょう)

 1957年生まれ。
 銀行、証券会社、総合商社勤務を経て作家。
 英国在住。


■関連書評■

a. 「エコノミック・ヒットマン」ジョン・パーキンス
【私の評価】★★★★★

b. 「隷属国家 日本の岐路」北野 幸伯
【私の評価】★★★★★


c. 「交渉術」佐藤 優
【私の評価】★★★★★


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大衝突―巨大国家群・対決の行方
池上 彰
集英社
売り上げランキング: 66556
【私の評価】★★★☆☆(71点)


■2008年の本ですが、
 当時までの国際関係の
 トレンドを教えてくれる一冊です。

 米ソの冷戦の終結、中国の発展と
 アメリカの経済破綻。

 そしてドルの低下により、
 ユーロ、新興国の存在感の高まり
 いったトレンドですね。


■やはり中心となるのは中国です。

 その人口の大きさから将来の発展は
 確実ですが、軍事、政治ともに
 不安な要素があります。

 一党独裁国家であることを
 忘れてはならないのでしょう。


・1988年には南沙群島で中国海軍とベトナム海軍が衝突・・・
 1995年には、フィリピンが領有権を主張する南沙群島の
 ミスチーフ環礁を中国軍が占領し、軍事施設を建設(p12)


■歴史を見ると、戦争のなかった時期は
 ありません。

 国際紛争の可能性は常にあるということを
 思い出させてくれる一冊だと思います。

 政治というものが国家の命運をも
 左右するということも確かだと思います。

 そうした感慨を持ちつつ本の評価としては
 ★3つとしました。

 池上さん、よい本をありがとうございました。


━━━━━━━━━━━

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・中国人民解放軍国防大学の朱成虎少将は、2005年7月、
 「米軍が中国領土内の目標をミサイルや精密誘導弾で攻撃すれば、
 中国は米国に核兵器を使用して反撃する用意がある。(p19)


・江沢民や胡錦濤のような、軍の出身者でない人物が
 中央軍事委員会の主席に就くようになりますと、
 党と軍の矛盾が表面化します。胡錦濤以外は軍人
 ばかりで構成される中央軍事委員会のメンバーが、
 胡錦濤に従わないという風潮が存在します(p38)


・中国では、工事を請け負う建設業者と発注する
 役人の癒着が問題になっています。工事費を安く浮かせ、
 その分を役人にワイロとして渡す。(p81)


・神奈川県の米軍座間基地には、アメリカ本土から陸軍第一軍団司令部が
 移転します。・・・司令部機能のみです・・・一方、日本の陸上自衛隊の
 中央即応集団司令部も同じ座間基地の中に移転します(p31)


・その国の経済に対する貿易額の割合を「貿易依存度」といい、
 この数字を見ると、日本は輸出も輸入もともに15%・・・
 ドイツはというと、輸出で40%弱、輸入で30%強(p260)


大衝突―巨大国家群・対決の行方
池上 彰
集英社
売り上げランキング: 66556
おすすめ度の平均: 4.0
4 わかり易いです
2 分かりやすく平易だが、結論提示が無い事が残念
5 ロシアとの対決の帰結はいかに?
4 スラスラ読めます。
5 「21世紀の覇権国」を考える上での好著

【私の評価】★★★☆☆(71点)


■著者紹介・・・池上 彰(いけがみ あきら)

 1950年生まれ。
 NHKで報道記者、その後キャスターを務める。
 2005年NHK退社。フリージャーナリスト。
 著書多数。


━━━━━━━━━━━


■関連書評■

a. 「隷属国家 日本の岐路」北野 幸伯
【私の評価】★★★★★

b. 「中国の「核」が世界を制す」伊藤 貫
【私の評価】★★★★★


c. 「地球を斬る」佐藤 優
【私の評価】★★★★☆


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たそがれゆく日米同盟―ニッポンFSXを撃て (新潮文庫)
手嶋 龍一
新潮社
売り上げランキング: 197826
【私の評価】★★★☆☆(71点)


■F2支援戦闘機といえば、
 名古屋空港で配線ミスで墜落したのが記憶にありますが、
 世界で始めて、炭素繊維強化複合材や
 フェーズドアレイレーダーを使用するなど
 意欲的な戦闘機です。

 このF2支援戦闘機開発について
 日米交渉が行われたのは、
 ちょうど日米貿易摩擦が問題となっていた頃です。


・アメリカ製戦闘機の直接購入を求めるアメリカと
 日の丸戦闘機の自主開発にこだわり続ける日本・・・
 「FSXの日米共同開発案は、ちょうど世故に長けた老人政治家が、
 足して二で割ったような妥協策として考え出したもの(p363)


■本書では、いかにしてFSXの日米交渉が
 進んで行ったのか。

 アメリカのFSX賛成派と
 反対派の戦い。

 こうした流れを見て行くことで、
 こうやって国際交渉が進んでいくんだ、
 と教えられる一冊です。

 これらはテレビを見ていても
 分からないことでしょう。


・もし日本が、独自に研究、実験、開発をおし進めていけば、
 十年後には、日本の航空機産業は、われわれの想像を超える水準に
 達する危険がある。だた、共同開発という路線を選択すれば、
 日本の飛躍を牽制することができるはずだ」ブラッドレー(p302)


■私が感じたのは、日本に技術供与し日米関係を強化
 しようとするグループと、日本はアメリカの仮想的であり、
 技術供与する必要はないとするグループの
 勢力争いがあるということです。

 これらのどちらの勢力が力を持つかで、
 二国間の関係は決まってしまうと思うと、
 それはあまりに微妙で、それこそ
 ちょっとしたことで変わっていくもののように
 感じられ、ゾッとしました。


■この本を読めば、日米交渉をテレビで見ても、
 この裏ではこんなことが行われているはず、
 と子供に言って聞かせられると思います。

 まず、ワシントンに駐在になったら、
 犬を飼いましょう。

 手嶋さん、よい本をありがとうございます。
 本の評価は、★3つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・ヘンリー・スタックポール司令官は「在日アメリカ軍は、
 日本の軍事大国化を抑えつける『ビンのふた』だ」という
 驚くべき本音を披歴していた(p352)


・「大統領との距離がすべてを決める」
 とういアメリカ政治の鉄則(p176)


・「ワシントンで独自の人脈を築きたければ、まず犬を飼えばいい」
 ・・・下院議員トーマス・ダウニーの夫人クリスが、
 この街に移り住む友人に贈る助言である。(p26)


・「政治は血を流さない戦争であり、
 戦争は血を流す政治である」という
 毛沢東の持久戦の思想(p17)


▼引用は、この本からです。

たそがれゆく日米同盟―ニッポンFSXを撃て (新潮文庫)
手嶋 龍一
新潮社
売り上げランキング: 197826
おすすめ度の平均: 4.5
4 日米同盟の危機
5 取材者が陥る罠に落ちなかったノンフィクション作品の金字塔

【私の評価】★★★☆☆(71点)


■著者紹介・・・手嶋 龍一(てじま りゅういち)

 1949年生まれ。
 NHK政治部記者として外交・安全保障を担当。
 ワシントン特派員。ハーヴァード大学国際問題研究所フェロー。
 ボン支局長、ワシントン支局長を歴任。
 2005年独立して外交ジャーナリスト。


─────────────────

■関連書評■

a. 「インテリジェンス武器なき戦争」手嶋 龍一、佐藤 優
【私の評価】★★★★☆


b. 「葡萄酒か、さもなくば銃弾を」手嶋 龍一
【私の評価】★★★☆☆


c. 「外交敗戦」手嶋 龍一
【私の評価】★★★☆☆


d. 「ウルトラ・ダラー」手嶋 龍一
【私の評価】★★★☆☆


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【私の評価】★★★☆☆(79点)


■ローマ時代というものは、
 非常に発達した時代であったようです。

 上水道があった。水が流しっぱなしであった。
 下水道もあったのです。

 さらに浴場もあり、そこで
 マッサージを受けることができたそうです。


・共同水槽・・・動物の頭を模した彫刻の口から四六時中水が
 流れ出ている、というつくりが多かった。ここから水を汲んで
 きて使うかぎりは、いくら汲んでもタダであったのだ(p74)


■今の日本と変わらないじゃないか・・・。

 しかし、こうした帝国も活力が失われれば、
 衰退していくものなのです。

 文明とはいかにおこり、
 そしていかに衰退するのか。
 塩野さんはローマの歴史から
 そこを探求しているような気がします。

 ローマのインフラの遺跡の写真を
 興味深く見せていただきました。
 ありがとうございました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・カルダゴの都市に給水していたローマ時代の
 高架水道の遺跡を見たときは、感心するよりも呆れてしまった。
 呆れ果てて眺めている私のそばを、
 水の入った瓶を積み上げたろばの引く荷車が通り過ぎた。(p28)


・ローマ時代にはどの町にもあったこの種の公衆浴場は、
 長く混浴であったのが、ハドリアヌス帝の時代から
 男女別浴に変えられる。(p90)


▼引用は、この本からです。

ローマ人の物語〈28〉すべての道はローマに通ず〈下〉 (新潮文庫)
塩野 七生
新潮社
売り上げランキング: 8719
おすすめ度の平均: 5.0
5 2千年前とは思えないローマのインフラ整備
5 古代ローマに学ぶパブリックの精神性
5 インフラの話だけでここまで読めるとは・・・
5 社会のインフラ

【私の評価】★★★☆☆(79点)


─────────────────

■関連書評■

a.「ローマは一日にして成らず[下]」塩野 七生
【私の評価】★★★★☆


b.「ハンニバル戦記[中]4」塩野 七生
【私の評価】★★★☆☆


c. 「勝者の混迷[下]7」塩野 七生
【私の評価】★★★☆☆


d. 「危機と克服〈上〉」塩野 七生
【私の評価】★★☆☆☆


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ラティーノ・ラティーノ!―南米取材放浪記 (幻冬舎文庫)
【私の評価】★★★☆☆(74点)


■気鋭の小説家による南米放浪記です。
 ブラジルとコロンビアを回っています。

 日本と正反対の地にある
 ブラジル・コロンビアは、
 日本人とまったくちがう人たちが住んでいるようです。

 明るく、人なつっこく、そして、いいかげん。
 これをラテン気質と言うのでしょうか。


■わたしの友人にもブラジル留学した人がいますが、
 ブラジルから離れられなくなる日本人留学生が、
 多いそうです。

 開けっぴろげで、スタイルが良いこの国の女性に
 引っかかってしまう人が多いのです。


  ・現地の日系人に言わせると、このカリという街は、
   よほど厳しく自分を律しない限り、金を持つ者にとっては、
   とめどもなく堕ちてゆける場所なのだという
   売春宿、カジノ、宝くじ、ディスコティカ・・・(p32)


■わたしも、死ぬ前には一度
 南米を見てきたい、
 日本と全くちがう文化を持った国々を
 歩いてみたい、そう思わせてくれる一冊でした。

 本の評価としては、★3つとします。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・このコロンビアという国は、社会法規の上に成り立った
   システムで動いているのではなく、しょせんは個人の
   ネットワークのつながりで動いている国なのだという(p53)


  ・だいたい日本人は、あまりにも気安く現地人に
   カネやモノを与えすぎだ。そうすることにより、
   その場限りのトラブルを避けようとする
   さもしい魂胆が見え見えなのだ。(p96)


▼引用は、この本からです。 

ラティーノ・ラティーノ!―南米取材放浪記 (幻冬舎文庫)
垣根 涼介
幻冬舎
売り上げランキング: 7776
おすすめ度の平均: 4.0
2 南米をぶらつく
5 「ワイルドソウル」の取材・放浪記
4 取材の成果は作者の行動力の賜物
5 まさに命がけ
5 ただの紀行エッセイではない

【私の評価】★★★☆☆(74点)


■著者紹介・・・垣根 涼介(かきね りょうすけ)

 1966年生まれ。
 2000年「午前三時のルースター」でサントリーミステリー大賞。
 04年「ワイルド・ソウル」で大藪春彦賞など受賞。
 05年「君たちに明日はない」で山本周五郎賞受賞。


─────────────────

■関連書評■

a. 「上海のMBAで出会った中国の若きエリートたちの素顔」岡本 聡子
【私の評価】★★★☆☆

b. 「万国「家計簿」博覧会」根岸 康雄
【私の評価】★★★★☆

c. 「国家の品格」藤原 正彦
【私の評価】★★★★★

d. 「台湾人と日本精神」蔡 焜燦
【私の評価】★★★★★


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スモール イズ ビューティフル―人間中心の経済学 (講談社学術文庫)

【私の評価】★★★☆☆(76点)


■1970年代にエネルギー危機を指摘した
 イギリス経済学者の一冊です。

 あまりに今を適切に予測しており、
 こういうものを学問というのだな、と
 納得しました。


■シューマッハが指摘するのは、
 石炭、石油、ウランはいずれ枯渇するという
 当たり前の事実です。

 枯渇すればエネルギーの価格が上昇し、
 そのエネルギーを買えるのは
 お金を持った国、または軍事力を持った国
 ということになります。


  ・富んだ国が経済成長を続けるから燃料への需要は厖大にふくらみ、
   その結果、貧しい国が冨と教育と工業技術と資本蓄積の力を手に
   入れて、化石燃料に代わる燃料を大規模に使えるようになるより
   はるか以前に、世界の安く使いやすい燃料は高価で稀少なものに
   なってしまうだろう(p36)


■この本では、木材や水力といった
 再生可能エネルギーを推奨するとともに、
 大量生産大量消費から節約と節制の社会を
 提唱しています。

 昨今のバイオマスを中心とした再生可能エネルギーの
 開発の動き、省エネルギーの推進などを見ると、
 やっとこの本が予測した時代が近づいてきたのでしょう。


  ・石炭、石油のような再生不能の燃料と、薪や水力のような
   再生可能な燃料との間には、本質的な違いがあるのであって、
   この違いはけっして無視できない。再生不能財は、やむを
   えない場合に限って使うべきもので、その場合でも、それを
   保全するために最善の注意と細心の配慮を払わなければならない。(p78)


■再度、じっくり読みたくなる一冊でした。

 古い本ですので、今の状況とシューマッハの予測とを
 比較しながら読むとおもしろいと思います。
 本の評価としては、★3つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・近い将来深刻なエネルギー不足が
   起こりうることを指摘した人たちの議論は、
   反論されるのではなく、嘲笑されるか無視された(p164)


  ・過去と現在の経験は例外なく、
   基本的な資源を供給するのは自然ではなく人間であること、
   経済開発の決定要素は人間の精神であるということを教えている(p100)


  ・貧乏人や不満分子には、性急に金持ちに戦いを挑んだりすると、
   将来自分たちにも金の卵を産んでくれるはずのガチョウを、
   かえって殺すことになる、と教えればよい。一方、金持ちには、
   利口になってときどき貧乏人を助けること、
   そうすればますます金持ちになる、と教えればよい。(p31)


▼引用は、この本からです。

スモール イズ ビューティフル―人間中心の経済学 (講談社学術文庫)
E.F. シューマッハー
講談社
売り上げランキング: 27318
おすすめ度の平均: 5.0
5 そろそろ原点回帰の時がきた。
5 倫理の無い発展なんて・・・
5 『ドイツ的質実』
5 経済活動のバイブルとして
5 これを読まずに"エコ"は語れない!!

【私の評価】★★★☆☆(76点)


■著者紹介・・・E.F.シューマッハ

 1911年ドイツ生まれの経済学者。
 戦後、英国に帰化。英国石炭公社顧問として
 早くから石油危機を予言。
 1977年没。


─────────────────

■関連書評■

a. 「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」武田 邦彦
【私の評価】★★★★☆

b. 「正義で地球は救えない」池田 清彦
【私の評価】★★★★☆

c. 「グリーン革命(上)」トーマス・フリードマン
【私の評価】★★☆☆☆


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生かされて。

【私の評価】★★★☆☆(71点)


■最近、アフリカでは、スーダンで虐殺が発生し、
 中国の関与を批判するニュースをよく耳にしましたが、
 1994年にもルワンダで虐殺が発生しています。

 その虐殺の中で生き残った著者の体験の記録が
 この本です。


■この本でわかるのは、虐殺の原因が、
 ルワンダ人にもあるのでしょうが、それよりも
 外からの影響が大きいということです。

 特に、アフリカを植民地として侵略した
 ヨーロッパ諸国の影響が大きいということです。


  ・ツチの王が統治していたルワンダは、何世紀ものあいだ
   平和に仲良く暮らしていたのです・・・ベルギーは、
   少数派のツチの貴族たちを重用し、支配階級にした・・・
   ベルギー人たちが人種証明カードを取り入れたために、二つの
   部族を差別するのがより簡単になり、フツとツチのあいだの溝は
   いっそう深くなっていきました(p42)


■民族の対立が、虐殺にまで発展するという事実は
 非常に怖いものがありました。

 隣国には反日教育を推進している国があるのですから、
 自らの国は自らが守らなくてはならないのでしょう。


  ・ツチのやつらは、いつも自分たちの方が優れていると
   思っているんだ。いつだってフツを見下している。
   もし今でも権力を握っていたら、彼らはすぐにでも僕たちを
   殺すとは思いませんか?
   だから、彼らを殺すのは、自己防衛なんですよ(p160)


■虐殺はどこでも起る可能性がある。 

 今は日本は安全のように思えますが、
 この安全を今後も私たちは守っていかなくてはならない
 のだと思いました。

 本の評価としては、★3つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・私たちは、政府の大臣が、国立ラジオ局で話しているのを聞きました。
   「・・・ツチの蛇どもは我々を殺そうとたくらんでいる。
   最初に我々が彼らを殺すのだ。見つけ次第殺せ。・・・」(p166)


  ・国連は、虐殺が始まってすぐに平和部隊を引き上げることにしました。
   ・・・私たちの前の宗主国だったベルギーは、
   一番最初に兵士を引き上げたのでした。(p190)


  ・お前が自分の子どもを持ったら、イマキュレー、
   一瞬一瞬を心から楽しむことを忘れてはいけないよ。
   彼らは、あっというまにいなくなってしまうのだから(p74)


▼引用は、この本からです。

生かされて。
生かされて。
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イマキュレー・イリバギザ スティーヴ・アーウィン
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おすすめ度の平均: 5.0
5 生かされて
4 人間の精神面の弱さを
5 生かされて
5 衝撃的に美しい魂
5 崇高な精神

【私の評価】★★★☆☆(71点)


■著者紹介・・・イマキュレー・イリバギザ

 1994年のルワンダ大虐殺で両親と兄弟を失う。
 1998年アメリカに移住し、国連で働き始める。
 ニューヨーク在住。


─────────────────

■関連書評■

a. 「インテリジェンス武器なき戦争」手嶋 龍一、佐藤 優
【私の評価】★★★★☆

b. 「エコノミック・ヒットマン」ジョン・パーキンス
【私の評価】★★★★★

c. 「ボロボロになった覇権国家」北野 幸伯
【私の評価】★★★★★

d. 「国家情報戦略」佐藤 優、コウ・ヨンチョル
【私の評価】★★★☆☆


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