「世界標準の戦争と平和-初心者のための国際安全保障入門」烏賀陽 弘道

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【私の評価】★★★☆☆(78点)


■著者は朝日新聞入社、アエラ記者となり
 国際政治を学ぶために自費で
 アメリカ留学したという変わり種です。


 この本はアメリカで学んだ地政学、
 国際政治について解説する一冊と
 なっています。


 アメリカで学んだことは
 国際政治は力と力のぶつかり合い。
 軍事力、核兵器の有無が大きな
 影響力を持ってる。


 北朝鮮が核兵器にこだわるのも
 合理的と言えるのでしょう。


・1992年から94年、私が・・コロンビア大学国際公共政策大学院の2年間の修士過程で学んだ時・・ラギー学長が講義・・・国と国との政治とは、究極的には力と力のぶつかり合いである・・二極構造が崩れた世界は多極化して制御が効かなくなり、混迷を深めるだろう。そんな話でした(p41)


■国と国の間には法律がありません。
 国際法というものがありますが、
 これを守らなくても罰則はないのです。


 アメリカはハワイを併合した。
 中国はチベットを併合した。
 ロシアはクリミア半島を併合した。
 弱い国に平和は保証されないのです。


 そうした中で非武装中立で
 平和が保たれると考えるのは、
 現実を理解していないという
 ことなのでしょう。


・「核兵器なき国には血なまぐさい虐殺がある。一方、核兵器のある国には平和と繁栄がある」今人類が手にしているのは、そんなアイロニーと矛盾に満ちた、ねじれた現実なのです(p38)


■日本人はとても優秀な民族だと
 思いますが、上に行くほど
 無能だという。


 これは無能というよりも
 現実に即した方針・政策を示す人が
 上に行けない、
 現実に合わない人が出世してしまう
 文化にあるのかもしれません。


 もう少しそうしたところを
 調べてみたいと思います。


 烏賀陽(うがや)さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・ラギー学長は、国際紛争の予防や解決に・・国際機関に委ねる「インスティテューショナリスト」(国際機関主義者)の論客でした。そんな人でも・・「国際政治の現実の基盤には軍事があり、核兵器がある」と説いたのです(p43)


・私はよく「平時の軍事力は、家の戸締まりのようなもの」と例え話で説明します・・・カギをかけなてくも何ら問題が起きたことがないという平和な地域を私は知っています・・日本が今置かれている国際環境は、どの程度安全なのか(p159)


・ジョン・ラギー学長に最初の授業で教わったもう1つの教訓に「国際関係論での情報分析では、現実と希望・願望を混同してはならない」があります(p271)


・海の食料やエネルギーの輸送路(シーレーン)のセキュリティが破れると、食料の62%とエネルギーの92%を失います(p146)


・(ポリシーペーパー。政策提案書)・・「取りうる政策オプション」をすべて提示すること・・そして、それぞれのオプションを実行した時に予想される"Benefit(得るもの)""Loss(失うもの)"を併記しなくてはなりません(p291)


・尖閣諸島は沖縄~台湾~中国本土を結ぶ三角形のど真ん中です・・北京政府にすれば「目を離した隙に、滑走路や港湾をつくって尖閣諸島を軍事基地化してもらては困る」と考えるでしょう・・・「取られるより先に取ってしまおう」というオプションも当然考えます(p245)


・ロシアは・・「米軍が展開しないと保証を取らない限り、ロシアは北方領土を返還しない」・・中国もそのうちロシアにならって「尖閣諸島で米軍が展開しないという確約をしろ」と言い出すかもしれません(p287)


・ロシアほど外洋に出る船のルートが他国にブロックされている国は珍しい・・ここ(クリミア半島)にあるロシア郡の拠点のある都市がセバストポリ。ロシアの黒海艦隊の基地です(p89)


・ロシアが外洋への出口を求めようとすると、クリミア半島~黒海~ボスポラス海峡・ダーダネルス海峡というトルコの領土をくぐり抜けねばならない(p89)


烏賀陽 弘道(うがや・ひろみち)、扶桑社
【私の評価】★★★☆☆(78点)

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■目次

第一章 海と核兵器
第二章 シーパワーとランドパワー
第三章 「安全保障イコール軍事」という誤解
第四章 ケーススタディ尖閣諸島
第五章 普遍的な見方


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