「ローマ人の物語 (5) ― ハンニバル戦記(下)」塩野 七生
2005/11/20公開 更新本のソムリエ [PR]
Tweet
【私の評価】★★★☆☆(72点)
要約と感想レビュー
■一時はハンニバルに負けそうになるローマ。
しかし、体制を立て直し、最後には、
「ザマ」でハンニバルを打ち破り、
地中海を自分のものとします。
負けたカルダゴは、破壊され、奴隷にされ、
歴史から姿を消しました。
あの地中海を支配したカルダゴは現在、
何も存在しないのです。
現在のカルダゴの遺跡は、
ローマ人がつくったものであり、
破壊された遺跡の後には
塩がまかれ、農作物か育たないように
されたという。
■日本という国家は、原子爆弾を落とされ、
アメリカに敗北しましたが、塩をまかれる
こともなく、破壊されることなく復活
することができました。
これは歴史上ラッキーなことだと
感じます。
良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・年齢が、頑固にするのではない。成功が、頑固にする。・・・ゆえに抜本的な改革は、優れた才能を持ちながらも、過去の成功には加担しなかった者によってしか成されない(p22)
・少数を除けば自らは軍役に就く習慣をもたないカルダゴ人・・・カルダゴ人を、危機に直面しても実情がつかめず、ために打開の策を見るケルことが不得手な国民にしていた(p33)
・マケドニアの重装歩兵(ファランクス)は、正面からの敵に対してその威力を発揮できるようになっている。彼らが一団になると、その長い槍を立てるので、まるで巨大なハリネズミになる。・・・しかし、オリエント最強といわれた彼らも、側面や背後からの攻撃には弱かった(p131)
新潮社
売り上げランキング: 135,877
【私の評価】★★★☆☆(72点)
ローマ人の物語シリーズ
「ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) 」
「ローマ人の物語 (2) ― ローマは一日にして成らず(下) 」
「ローマ人の物語 (3) ハンニバル戦記(上) (4) ハンニバル戦記(中)」
「ローマ人の物語 (5) ― ハンニバル戦記(下)」
「ローマ人の物語 (6) ― 勝者の混迷(上) 」
「ローマ人の物語 (7) ― 勝者の混迷(下)」
ローマ人の物語・ユリウス・カエサル ルビコン以前
ローマ人の物語・ユリウス・カエサル ルビコン以後
ローマ人の物語・パクス・ロマーナ
ローマ人の物語・悪名高き皇帝たち
「ローマ人の物語〈21〉危機と克服〈上〉」
「ローマ人の物語〈22〉危機と克服〈中〉」
「ローマ人の物語〈23〉危機と克服〈下〉」
ローマ人の物語・賢帝の時代
ローマ人の物語 (27) すべての道はローマに通ず(上)
「ローマ人の物語 (28) すべての道はローマに通ず(下)」
ローマ人の物語・終わりの始まり
ローマ人の物語・迷走する帝国
「ローマ人の物語・最後の努力」
ローマ人の物語・キリストの勝利
ローマ人の物語・ローマ世界の終焉
著者経歴
塩野 七生(しおの ななみ)・・・1937年7月、東京生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。1968年から執筆活動を開始。1970年、『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』で毎日出版文化賞を受賞。この年よりイタリアに在住。1981年、『海の都の物語』でサントリー学芸賞。1982年、菊池寛賞。1988年、『わが友マキアヴェッリ』で女流文学賞。1999年、司馬遼太郎賞。2002年にはイタリア政府より国家功労勲章を授与される。2007年、文化功労者に。『ローマ人の物語』は2006年に全15巻が完結
読んでいただきありがとうございました!
メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」 36,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。 >>バックナンバー |
配信には『まぐまぐ』を使用しております。 |
コメントする