「ローマから日本が見える」塩野 七生
2010/08/22公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(79点)
要約と感想レビュー
■一千年以上のローマの歴史から、
国家盛衰の法則を考える一冊です。
国家は外部環境から滅びることもありますが、
内部から滅びることが多いということが
印象的でした。
国家は危機で滅ぶのではなく、
自らの思考や人材不足で
自ら滅びるのです。
・人材はいつの世にもいるし、どの組織にもいるのです。ただ、衰退期に入ると、その人材を活用するメカニズムが狂ってくるのです(p341)
■本書のほとんどはローマの歴史の流れを、
外部環境と政治体制との関係で解説していく
ものになっています。
日本との比較は難しいのでしょうが、
「改革には力が必要」といった
一般的な法則は見えてきます。
塩野さんの結論としては、
結局は人材が出るか、出ないかであり、
その人材の評価は、結果がすべてである
というもののように感じました。
「結果さえよければ、手段はつねに正当化される」
塩野さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・「拒否権」こそ、権力の中の権力である (p104)
・ローマでは法律が時代に合わなくなったりしたとき、前からあった法律の条文を改正するのではなく、新しい法律を定めることで対応するという方法が採られていました。(p330)
・改革によって既得権益が失われることに心を奪われている人たちに、改革の意義を説いたところで理解されないのも当然だと思わねばならない・・・したがって改革をやろうとすれば、結局は力で突破するしかないということになる。(p346)
▼引用は下記の書籍からです。
【私の評価】★★★☆☆(79点)
著者経歴
塩野 七生(しおの ななみ)・・・1937年7月、東京生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。1968年から執筆活動を開始。1970年、『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』で毎日出版文化賞を受賞。この年よりイタリアに在住。1981年、『海の都の物語』でサントリー学芸賞。1982年、菊池寛賞。1988年、『わが友マキアヴェッリ』で女流文学賞。1999年、司馬遼太郎賞。2002年にはイタリア政府より国家功労勲章を授与される。2007年、文化功労者に。『ローマ人の物語』は2006年に全15巻が完結
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