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「海の都の物語〈5〉ヴェネツィア共和国の一千年」塩野 七生

2010/06/02公開 更新
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海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 5 (新潮文庫)


【私の評価】★★★☆☆(78点)


要約と感想レビュー

 イタリア・ルネッサンス時代のヴェネツィアは、日本に似ていました。小さな都市国家でありながら、規律があり、富があり、力がありました。必要があれば戦いも避けません。


 ただヴェネツィアは、強国ではありませんでした。強国とは著者の定義によると、戦争も平和も、思いのままになる国家のことです。日本もヴェネツィア共和国もそこまで強くはなかったのです。


 数百年にわたるヴェネツィアの繁栄と、少数の人口で国際政治を乗り切ろうとする歴史を学ぶことは重要だと感じました。はたして日本の将来は、どうなるのでしょうか。


この本で私が共感した名言

・政治はある面では芸術と同じで、政治的能力とは、所詮、天性の素質によるしかないものである。だから、広い視野に立った政治家になりえない者には、せめてある分野でのスペシャリストになれる道を与えてやる必要がある(p158)


・『君主論』は、君主制を採る場合はどのうようにすれば良いかを、具体的に説いた書物であり、『政略論』のほうは反対に、共和制を採用した場合は、どのようなことを考えに入れて政治をすべきかを説いた書物である。


・ヴェネツィアは、また、外科医と床屋の区別を明確にした最初の国でもあった。当時の他国の実情は、外科医と床屋は兼業であり、内科医と区別されていただけなのである。(p155)


▼引用は、この本からです。


【私の評価】★★★☆☆(78点)


海の都の物語〈1〉ヴェネツィア共和国の一千年
海の都の物語〈2〉ヴェネツィア共和国の一千年
「海の都の物語〈3〉ヴェネツィア共和国の一千年」(未録)
海の都の物語〈4〉ヴェネツィア共和国の一千年
「海の都の物語〈5〉ヴェネツィア共和国の一千年」
海の都の物語〈6〉ヴェネツィア共和国の一千年


著者経歴

 塩野 七生(しおの ななみ)・・・1937年生まれ。大学卒業後、イタリア遊学。1968年に執筆を開始。1970年からイタリア在住。著書多数。


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