「君主論」~冷酷という悪評など意に介してはならない
2002/11/21公開 更新

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【私の評価】★★★★☆(85点)
君主たるものは,おのれの臣民の結束と忠誠心を保たせるためならば,冷酷という悪評など意に介してはならない。
君主とは、組織でいえばトップであり、リーダーです。そのリーダーは権力を持っているだけでは、組織をまとめることはできません。リーダーは権力を使って、信賞必罰することが大切です。褒めるべきを褒め、罰するべきを罰することで、部下はリーダーの望む行動を行うようになるのです。
褒めるとリーダーは部下から好かれます。罰するとリーダーは部下から恐れられます。この二つをバランスよく行うことで、組織の結束は硬いものとなるのでしょう。マキアベリは、どちらかを優先するかといえば、罰することが重要であり、罰することで雰囲気が悪くなることを過剰に意識しないように注意しているのです。
地位があがればあがるほど、部下の反発が予想されることであっても、会社のため、社会のためになることであれば、強く命令し、従わなければ罰するべきなのです。もちろんその判断が間違っていたとしても、現場が動くことで間違っていたことがすぐにわっかれば、それを修正すればよいのです。一番悪いのは、命令しても現場が動かないことなのです。
この本で私が共感した名言
・君主たる者は、したがって、戦争と軍制と軍事訓練のほかには何の目的も何の考えも抱いてはならない、また他のいかなることをも自分の業務としてはならない(p109)
・君主がみずからの地位を保持したければ、善からぬ者にもなり得るわざを身につけ、必要に応じてそれを使ったり使わなかったりすることだ(p116)
【私の評価】★★★★☆(85点)
著者経歴
二ッコロ・マキアヴェッリ(Niccolo Machiavelli)・・・(1469-1527)イタリア・ルネッサンス期のフィレンツェ共和国の政治思想家。少年時代より独学で古典教養を身につける。外交・内政・軍事の官僚政治家となりイタリアはもちろん、フランス、スイスなどで活躍、さまざまな君主と身近に接する機会を持つ。1512年、共和国がメディチ家に倒されると職を失う。メディチ家に提出すべく『君主論』を執筆、没後出版された。理想主義的な思想の強いルネサンス期に、政治を道徳や宗教から切り離した現実主義的な政治理論を創始した。
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