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「ローマ人の物語〈23〉危機と克服〈下〉」塩野 七生

2006/01/07公開 更新
本のソムリエ
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ローマ人の物語〈23〉危機と克服〈下〉 (新潮文庫)


【私の評価】★★☆☆☆(69点)


要約と感想レビュー

●ヴェスヴィオ山の噴火によるポンペイの
 壊滅からはじまる時代です。


 いわゆるパスクロマーナが広がり、
 政治においても試行錯誤が行われています。


 どうしてローマはこれだけ
 長期にわたり繁栄したのか、
 非常に興味深いものです。


■私の仮説は、属州から優秀な人材を登用
 したということです。


 属州を支配し搾取するのではなく
 人材を利活用しているのです。


 属州を占領することで得た金よりも
 人材を得たことによる利益のほうが
 大きかったのではないかという仮説です。


この本で私が共感した名言

・「中央」の仕事は安全保障と税制とインフラストラクチャーの充実であり、「地方」は、これら以外の「地方」でやれる仕事はすべてまかされていた(p104)


・ローマ皇帝の二大責務は、安全と食の保証であった。そして「食」の保証とは、「安全」を保障できてはじめて成就可能な目標でもある(p126)


・ユリウス・カエサルは広く属州から人材を登用し、アウグストゥスは、騎士階級というローマ社会の第二階層を、帝国運営に活用したのである(p195)


ローマ人の物語〈23〉危機と克服〈下〉 (新潮文庫)
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塩野 七生
新潮社
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【私の評価】★★☆☆☆(69点)



ローマ人の物語シリーズ

ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上)
ローマ人の物語 (2) ― ローマは一日にして成らず(下)
ローマ人の物語 (3) ハンニバル戦記(上) (4) ハンニバル戦記(中)
ローマ人の物語 (5) ― ハンニバル戦記(下)
ローマ人の物語 (6) ― 勝者の混迷(上)
ローマ人の物語 (7) ― 勝者の混迷(下)
ローマ人の物語・ユリウス・カエサル ルビコン以前
ローマ人の物語・ユリウス・カエサル ルビコン以後
ローマ人の物語・パクス・ロマーナ
ローマ人の物語・悪名高き皇帝たち
ローマ人の物語〈21〉危機と克服〈上〉
ローマ人の物語〈22〉危機と克服〈中〉
ローマ人の物語〈23〉危機と克服〈下〉
ローマ人の物語・賢帝の時代
ローマ人の物語 (27) すべての道はローマに通ず(上)
ローマ人の物語 (28) すべての道はローマに通ず(下)
ローマ人の物語・終わりの始まり
ローマ人の物語・迷走する帝国
ローマ人の物語・最後の努力
ローマ人の物語・キリストの勝利
ローマ人の物語・ローマ世界の終焉


著者経歴

 塩野 七生(しおの ななみ)・・・1937年7月、東京生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。1968年から執筆活動を開始。1970年、『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』で毎日出版文化賞を受賞。この年よりイタリアに在住。1981年、『海の都の物語』でサントリー学芸賞。1982年、菊池寛賞。1988年、『わが友マキアヴェッリ』で女流文学賞。1999年、司馬遼太郎賞。2002年にはイタリア政府より国家功労勲章を授与される。2007年、文化功労者に。『ローマ人の物語』は2006年に全15巻が完結


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