■仕事で産業廃棄物の処理について勉強するために
産廃関係の本を8冊ほど購入。
今日届いた5冊を一気に読んでみましたが、
この本が一番でした。
表面的な事務や法律を解説した本とは全く異なり、
産廃業界におけるそれぞれの業者のポジション、
儲けるコツ、不正をしてしまう理由まで
裏の裏まで教えてくれるのです。
■著者によると、2002年の時点で、
最終処分された5000万トンと同じくらいの
4000万トンが不法処分されたと推定されるそうです。
もし、不法処分がなくなれば、
最終処分場はとうの昔に満杯になって
しまっているはず、というのです。
では、どうして不法処分が行われるのか。
・マニュフェストなしの産廃もマニュフェストありの
産廃と混合され、マニュフェストありの
産廃として保積(積替保管場)を出ていく。(p88)
■それは最終処分場が少ないという
物理的な理由と、
不法処分することにより簡単に儲かるという
金銭的な理由があるようです。
産廃を目一杯受け入れて、
結局オーバーフローしてしまい、
仕方がなく不法投棄をすると、
簡単に儲かってしまう。
これでは、不法投棄はなくならないでしょう。
・中間処理施設は、取引先にマニュフェストを回付するため、
最終処分場との契約がどうしても必要だ。
オーバーフローした産廃を不法投棄現場に流出させているからこそ、
辻褄を合わせるため、一定量の産廃は
正規の最終処分場に処分しておかなければならない(p162)
■産廃Gメン(公務員)がここまで書けるとは
驚きました。
具体的なマニュアルとしては、
「不法投棄はこうしてなくす」石渡 正佳
が具体的でわかりやすいものとなっています。
仕事で使う方は、セットで購入するべきです。
ちょっと古い本ですので、
今の状況が反映されていない可能性を割り引いても、
★5つとしました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・産廃の処理を委託するとき、収運は収運業者に、処理は処理業者に、
それぞれ個別に契約を締結し、処理費も個別に支払うのが
原則とされている。しかし、実態は大いに異なっており、
収運業者が処理まで一括して受託することが通例となっている・・・
安い処分先を探せば、処理費のピンハネが可能になる。(p91)
・中間処理施設は、産廃の減量化やリサイクルを担う
産廃処理の主役で、そこが不法投棄の主犯だといったら、
産廃処理システム自体を否定することになってしまう。
表向き、中間処理業者が主犯だとは言えない事情がある(p106)
・産廃を燃やして灰にすると、重量は10分の1以下になるが、
燃やさなければできなかった有害物質が発生してしまう。
効率的な最終処分のための減量化は、産廃を無害化するどころか、
有害化してしまうのだ(p180)
・我が国の行政のずるい点は、システムを作るときには、
学者を集めて一生懸命にあれこれと議論するが、
一度システムができてしまうと、問題が生じても
システムそれ自体の欠陥は決して認めようとせず、
業界に責任転嫁し、自ら責任を取らないという体質にある(p213)
▼引用は、この本からです。
WAVE出版
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強い意志と逃げを打たない仕事
廃棄物担当者は一見の価値
不法投棄削減の切り札はリサイクルだ
目をそむけてはいけない現実
産廃に関心のある人は読まれるといいですよ【私の評価】★★★★★(92点)
■著者紹介・・・石渡 正佳(いしわた まさよし)
1958年生まれ。
1981年千葉県入庁。
1996年から千葉県環境部産業廃棄物課で、
産廃行政を担当。
2001年から監視班のリーダーとして
短期間に不法投棄ゼロを達成。
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■関連書評■
a. 「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」武田 邦彦
【私の評価】★★★★☆
b. 「ごみを燃やす社会」山本節子
【私の評価】★☆☆☆☆
c. 「「法令遵守」が日本を滅ぼす」郷原 伸郎
【私の評価】★★☆☆☆
d. 「正義で地球は救えない」池田 清彦
【私の評価】★★★★☆
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