「歴史が遺してくれた日本人の誇り」谷沢 永一

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歴史が遺してくれた 日本人の誇り (青春新書インテリジェンス)

【私の評価】★★★★★(93点)


■歴史は教科書を読んでいても分からない。
 歴史の本質は、もっと別のところにある、
 という谷沢さんの一冊です。


 歴史を知るためには、
 伝記、歴史小説が参考になるという。


 学術書や教科書を読んで
 歴史で起こったことを
 頭に入れるだけでは
 本質は見えてこないのです。


 歴史の登場人物の人間性や
 時代の雰囲気を知り、
 なぜそうした判断になったのかという
 本質を知る必要があります。


・伊藤(博文)の妻である梅子は、下関の芸者である・・
 伊藤が出張に出掛けたら、出張先ではかならず
 芸者を二人用意しておかなければ
 ならなかったという(p55)


■歴史を知るということは、
 日本人を知るということ。


 嫉妬深い日本人は、権威と権力を
 分けるという知恵を持っていました。


 その一方で、
 官僚が、権威と権力を持っている。
 政治家は外国から金をもらっている。


 歴史から見れば、
 政治と官僚制度には、
 まだ改善すべき点があるのでしょう。


・文部科学省は・・権威と権力を持っていて、
 ちょっとでも反抗する者が出てくると、
 それに嫌がらせをする。いかに文部科学省、
 昔の文部省の大学に対する嫌がらせが
 こってりとしたものか、
 私も十分に身に覚えがある(p194)


■マスコミは報道機関ではなく
 商売である。


 仏教は戒名と墓地を創造し、
 お金を集める仕組みを作ったなど
 目からウロコの一冊でした。


 もっと本質を学ぶために
 読んでいきたいものですね。、


 谷沢さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・『古事記』の序には和銅5年(712年)正月28日を
 完成の日としているが、それ以降、『古事記』の
 写本ばかりはまったく行われていなかったらしい。
 というのは、『古事記』の現存する最古の写本は
 真福寺本であって、この本はなんと中世応安元年
 (1368~1375)の書写である(p7)


・ナポレオンを生んだとされるフランス革命の
 評価となると、無茶苦茶に揺れている。
 市民革命の始まりという見方もあれば、
 テロリズムの原点という考え方もある(p25)


・日本人は、権力そのものが一カ所に集まることを嫌がる・・
 そうした権力構造を日本史の中につくっていったのは、
 日本人の嫉妬深さである・・財閥というと、
 海外では「偉い」ともてはやされるが、
 日本では悪いことにある(p65)


・後鳥羽上皇が起こした承久の乱では、
 負けた後鳥羽上皇側についた武士もけっこういた。
 その連中は土地のかなりの部分を失うことになり、
 不満がたまった。その不平分子によって、
 鎌倉幕府の滅亡後、南北朝の対立が生まれたのである。
 南北朝の対立というと、天皇同士の争いに
 思われがちだが、そうではなく、
 土地を巡る武士の相続争いなのだ(p69)


・いかに日本の仏教が無茶苦茶になっているかは、
 司馬遼太郎も言っている・・・
 なぜ戒名というものをつくったかといえば、
 お金をとるためである・・・
 昔の日本にはお墓というものはなかった・・・
 坊さんが並んでお経を唱えれば、
 それだけでお金がもらえるようになっている。
 加えて浄土真宗では、西本願寺と東本願寺が
 200年間も大喧嘩している・・・
 位の取り合いの権力闘争まで行っている。
 そんなものは、宗教でも何でもない(p121)


・『西国立志編』を読んで、志を起こしたわけではない。
 すでに志はあったのだ。志があったから、
 『西国烈士編』を読んでよくその意味を
 理解できたのである(p85)


・なぜ二・二六事件が起きたかというと、
 あまり新聞は書いていないが、
 五・一五事件の判決が被告である青年将校たちに
 とってやさしいものだったからだ・・
 これで青年将校たちは甘く見た。
 五・一五事件でこの程度の軽い処罰なら
 もっといけると踏んで、二・二六事件を
 引き起こしたのである(p169)


・日本の政治家の多くが外国政府からお金を
 もらっていて、代議士の中で、その三分の二は
 北京からお金をもらっているという話もある。
 代議士をやっている人物に聞いたところ、
 代議士となると、どこからお金をもらおうと
 平気になってしまう(p175)


・戦争を口実にして、特殊法人がつくられ、
 これが戦後、丸々生き残った。
 官僚にすれば特殊法人は天下りにも使える。
 増やさねば損だから、つぎつぎと
 つくっていったのである(p188)


・新聞というのは昔から偏向していて、
 それはいまもつづいている。
 新聞というのは、正しいことを
 そのとおり書くといった使命をもつ
 公の事業ではない。
 一つの商売なのである。商売なのだから、
 新聞社とすれば読者を面白がせれば、
 それでいい。
 そのことを知っておきたい(p228)


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■目次

第1章 いま、歴史とどう向き合えばいいのか―「歴史通」のすすめ
第2章 歴史の本質をとらえ直す―日本人がたどってきた足跡
第3章 受け継がれてきた日本人の誇り―歴史が遺してくれたもの
第4章 失われた歴史を取り戻す―いま求められる真の気概とは
第5章 「歴史通」から「人生通」へ―古典の叡智で自分を磨く



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