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「人間通と世間通―"古典の英知"は今も輝く」谷沢永一

2004/09/23公開 更新
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人間通と世間通―

【私の評価】★★★☆☆(79点)


●金(ゴールド)は地面の中にありますが、
 私は金を探して地面を掘っている人を
 見たことがありません。


 これは、金の鉱脈を掘らなければ、
 非常に効率が悪いことを誰でも知っているからです。


●同じように、よい本がどこにあるか分らなければ、
 本を読む気にはならないのも当然でしょう。
 四、五年前までの私もそうでした。


 この本は、多くの古典を紹介して、
 この本からはこういう智恵(ゴールド)を
 得ることができるね、
 と教えてくれる親切な本です。


 ・結局、問題は、人間の勉強という永遠のテーマであるが、
  それはギリシャ、ローマの時代から言われているおうに、
  「汝自身を知れ」ということにすぎない。(p41)


●あまりに人間社会の本質をズバッと切ってしまうので、
 怖くなるところもありますが、
 読書の指針なると思います。


・人を説得するには、
 論理的に整然としていなければ
 いけないのはもちろんのことだが、
 それをいかに人の情感に訴える描写力で
 つなぐかが根本になる。(p103)


●最後に、長く書くと何を言われるか分りませんので、
 これくらいにして、
 まずは効率的に読書をしていきたいものですね。


・この世には、とんでもなく分厚い本や長い論文、
 長い小説を書く人がいる。・・・
 われわれ多忙な現代人にとって、
 これはまことに迷惑至極で、
 そういう延々と長いものを書く作家は、
 極端に言えば"人類の敵"だと言ってよい(p194)


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・人間関係を円滑にとりはこぶためには、
 あれこれとしちめんどうくさい考えを
 めぐらす必要はない。・・・
 人に心やさしく接すればよい。(p51)


・「体面などは馬鹿馬鹿しいものです。
  人は自分の幸福を考えるべきです。」
 「この世の果て」モーム


人間通と世間通―
谷沢 永一
文藝春秋 (2000/04)
売り上げランキング: 89,104
おすすめ度の平均: 5
5 珠玉の古典への水先案内本

【私の評価】★★★☆☆(79点)


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