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「心の通った会話がチームを強くする 心理的安全性を生み出す伝え方」小野 みか

2024/07/23公開 更新
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「心の通った会話がチームを強くする 心理的安全性を生み出す伝え方」小野 みか


【私の評価】★★★☆☆(79点)


要約と感想レビュー

心理的安全性を生み出す方法

「こいつ嫌な奴だな」と思ったとき、いじめてやろうと思う人もいれば、一言、言っておこうとする人もいれば、あえて何もいわず無視する人もいれば、何もいえない人もいるでしょう。特に職場や大人のコミュニティでは、周囲にどう思われるかを心配して、言いたいことが言えない人が多いのではないでしょうか。


この本では、自分の居場所がなかったり、人間関係が希薄で心のモヤモヤが晴れない人、心の安全性が持てない人へのアドバイス集となっています。著者が日本心理的安全教育機構の代表理事として講義している内容と思われます。


相手の反応を恐れるあまり、言いたいことが言えない・・なんていうこと、ほとんどの人が感じたことがあるのではないでしょうか(p14)

受け取る側のスキル

コミュニケーションにおいては、受け取る側のスキルと伝える側のスキルとが存在し、それぞれがよい関係を作るためにスキル向上に努めるべきです。


まず受け取る側のスキルとしては、「うわ、嫌だな」と思ったり、心がモヤモヤしたとき、それを否定するのではなく素直に感じ取ることが大事です。心がモヤモヤしていると理解できれば、対処の方法が見えてくるからです。悪いパターンは、心がモヤモヤしていることさえわからず、閉じこもり、動けなくなってしまうことでしょう。


著者のアドバイスは、嫌な気持ちを感じたら、それを否定せず、その気持ちを晴らすために何かをすることです。著者の場合は、お気に入りのカフェやスーパー銭湯に行くという。趣味の集まりなど、自分を認めてくれる自分の居場所を作っておくのも、心理的安全性を保つために効果的でしょう。


できれば、「こういう理由があってできません」などと表現できれば、さらに望ましいのでしょう。


心がモヤモヤしているとき、・・モヤモヤの理由がわかると、それに対して気持ちを晴らしていくために何をすればいいのかを考えることができます(p103)

伝える側のスキル

伝える側のスキルとしては、まず自分自身のご機嫌を取ることです。イライラしたときにも自分を大切にできる人が、ほかの人のことも大切にできるのです。著者も子育て中にイライラする時期があったようですが、イライラして部下や子どもに当たるのは最低のパターンなのです。


著者の提案は、自分の精神的なコンディションを調整できていることを前提に、コミュニティの中で、全員に適用されるルールを決めることです。人それぞれ考え方が違いますので、事前にルールを作っておくことで後からの混乱を予防できるのです。これは、キリスト教の結婚式で、「健やかなるときも病めるときも富める時も妻(夫)として愛し敬い慈しむことを誓いますか?」とルールを決めるのと同じなのです。


全員「正しさ」の定義が違います。ですから最初に「この場における正しさ」についてルールを作っておくことが第一です(p180)

対立する意見をすり合わせる

このようなルールを作っても、人それぞれが違うので、価値観がぶつかるのは当然であるとしています。みんな違うことを理解した上で、対立する意見をすり合わせすることができれば、そのコミュニティはうまくいくという。


また、感情をずっと出さずに我慢していると、身体によくないので、安心して感情を表現したり、「こういう理由があってできません」と表現できる環境が望ましいのでしょう。結論としては、ルールを決めつつ、人それぞれの特徴に合わせてストロークを打っていくことが大事だと思いました。


職場の人が、心のつながりを持ちつつ、伸び伸び仕事ができる環境を作りたいものです。小野さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・自分と本当に気が合う人たちは3%くらいしかいないこと、10人いればその中に一人いるかいないかということであって、何をやってもわかってくれない人というのは3割くらいいる(p162)


・人は違うものを見つけると攻撃したくなる習性があります。責めるというより、「裁く」「ジャッジする」という感覚・・正しいか正しくないかという議論(p151)


・成果をちゃんと評価してほしい・・Do型というタイプです・・存在するだけで十分認められるというのがBe型の承認です(p123)


▼引用は、この本からです
「心の通った会話がチームを強くする 心理的安全性を生み出す伝え方」小野 みか
小野 みか、ビジネス教育出版社


【私の評価】★★★☆☆(79点)


目次

第1章 心理的安全性とは?
第2章 相手に心理的安全性を持ってもらうためのポイント
第3章 心理的安全性を築くための実践 自分を整える編
第4章 心理的安全性を築くための実践 人とのコミュニケーション編
第5章 心理的安全性を築くための実践 チームビルディング編
第6章 毎日行きたくなる会社の場づくり 実例紹介インタビュー



著者経歴

小野みか(おの みか)・・・一般社団法人日本心理的安全教育機構代表理事。合同会社MYGIFT代表社員。1978年生まれ東京育ち。牧師である父親が運営するプロテスタント系教会で育つ。教会の結婚式で牧師と新郎新婦が行う「結婚教育」に豊かな人間関係の秘訣が全て詰まっていると気づき、教会の枠を超えて誰でも学びが受けられるように講演・研修活動を始める。全国35を超える地方自治体や、官公庁、上場企業の講師として全国を飛び回り活動している。登壇回数は600回超、動員実績は延べ30000人を超える。マリッジアドバイザリー教育、3万6千人を有する会員向け教育事業の企画プロデュース及び筆頭講師も務める。タカラトミー、出雲市などと共同で女性向け人生ゲーム「出雲縁結び人生ゲーム」を監修、女性が魅力溢れる人生の選択をゲームを通して体感できるようなイベントなども開催している


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