「脳科学が解き明かした 運のいい人がやっていること」毛内拡
2024/12/06公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(75点)
要約と感想レビュー
運がいい人の特徴
脳神経科学者が、運のいい人がやっていることを脳科学の視点から説明した一冊です。運のいい人とは、つまり成功した人ということでしょう。
まず、運のいい人は、失敗しても簡単には挫折しません。うまくいかないときでも、簡単に諦めず、何を変えるべきか粘り強く考え行動を続けます。逆に考えれば、うまくいかない人は簡単に諦め、何も変えず、深く考えず、行動もしない人なのでしょう。
著者はこの「自分の道は自分で切り開くという意志を持ち、粘り強く考え行動する」ことを「自己コントロール感」と呼んでいます。「自己コントロール感」を持っている人は、「自分ならできる」と自分自身に言い聞かせ、自分の脳を騙すことで、成功への道を切り開いているということなのです。
タレントの萩本欽一さんは、「ボクは「石の上にも三年」ではなく「石の上にも5年」と考えて耐えました。なぜって、我慢こそが「運」を呼び込むからです」と、我慢の重要性について語った(p19)
ワクワクが脳を刺激する
私が面白いと思ったのは、脳神経科学者である著者が、ワクワクやドキドキを推奨している点です。新しい体験は脳に刺激を与え、その記憶は生涯の財産になるからです。だから、著者は「迷ったら新しい方を選べ」と読者を鼓舞しているのです。
反対にどうでもいいことは、どんどん忘れようと言っています。つまり、過去のネガティブな経験や失敗は忘れることで、私たちは前向きな気持ちで次の一日を迎えることができるのです。
ストレス解消・・・私が特におすすめするのは「夢を語ること」です・・ワクワクする感じ(p194)
著者のモットーと哲学
興味深かったのは、著者のモットーは「気負わず、気張らず、気楽に」であり、座右の銘は「知人者智、自知者明」ということです。「知人者智、自知者明」とは「他人のことを知っている者は確かに賢いが、最も聡明なる人は、自分自身を知っている者だ」という意味です。
著者は脳神経科学者として脳の特性を研究していますが、実は自分自身のことを研究したいと考えているわけです。自分自身を知ることが、一番難しいことなのでしょう。毛内さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・犬にしつけをする際は、何か悪いことをしたら即座に怒って見せたり、何か良いことをしたら即座に褒めてあげたりする・・自分がした行動の効果をフィードバックする(p64)
・研究によるとマルチタスクによって一度失われた集中力を取り戻すためには、平均23分もの時間が必要だとされています・・スマートフォンの通知をオフ(p136)
・1日6時間以下の睡眠を2週間続けると、2日徹夜した場合と同じレベルの認知機能障害が生じると言われています(p153)
【私の評価】★★★☆☆(75点)
目次
序章 運のいい人は何をしているのか?
第1章【行動習慣】自分の脳のクセを知ろう
第2章【行動習慣】豊かな?知恵ブクロ"を蓄えよう
第3章【行動習慣】迷ったら新しい方を選べ
第4章【行動習慣】省エネモードを超えろ
第5章【行動習慣】「超・集中」を手に入れる
第6章【回復習慣】睡眠ーー脳のデフラグ&アップデート
第7章【回復習慣】ストレスと付き合う
第8章【回復習慣】脳にとっての「おいしいもの」
第9章【回復習慣】脳の疲れを取ろう
著者紹介
毛内拡(もうない ひろむ)・・・脳神経科学者、お茶の水女子大学基幹研究院自然科学系助教。1984年、北海道函館市生まれ。2008年、東京薬科大学生命科学部卒業、2013年、東京工業大学大学院総合理工学研究科博士課程修了。博士(理学)。日本学術振興会特別研究員、理化学研究所脳科学総合研究センター研究員などを経て2018年より現職。同大にて生体組織機能学研究室を主宰。専門は、神経生理学、生物物理学。「脳が生きているとはどういうことか」をスローガンに、基礎研究と医学研究の橋渡しを担う研究を行っている。
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