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【書評】「ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人!」小名木 善行

2022/01/24公開 更新
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「ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人!」小名木 善行


【私の評価】★★★★★(92点)


要約と感想レビュー


日本の感動する歴史話

国史研究家の小名木善行さんの動画が面白い!ということで手にした一冊です。この本では日本の感動する話が20個集められています。


例えば、世界の小麦は「農林十号」という背の低い品種から派生したものであること。天皇という権力を持たない権威制度が千年以上続いて国家統一のシンボルとなっていること。普通の植民地は搾取されるが、日本に併合されたり、植民地だった国は現在繁栄していること。


日本国を軍国主義と批判する日本人も多いのですが、このように歴史を紐解いていけば、日本特有の良い面があるのも確かなのです。


何がすごかったかというと、天皇が政治権力を持たない権威として存在していたという点です(p61)

弥生時代の土器は質素でシンプル

目から鱗だったのが、日本の縄文、弥生時代の解釈です。普通の人の理解は、縄文時代は狩猟生活で、弥生時代は大陸から稲作が入ってきて、文化的な生活になったというイメージではないでしょうか。


著者は縄文時代に対人用の武器が出土していないこと、土器の装飾が華やかだった縄文時代から、弥生時代の土器は質素で装飾性がなくシンプルになったことに注目します。著者の理解は、縄文時代に大陸から対人用武器を持った外国人がやって世の中が混乱し、服装や土器が質素になってしまったというものです。


つまり、それまで平和で豊かな日本は外国人の流入によってシンプルな土器、シンプルな服装、武器を製造しなくてはならない時代となったという解釈です。古い時代のことですので、そうした推測もありえるように感じました。


日本の縄文時代の遺跡からはまったく出土していないもの・・・対人用の武器(p31)

正倉院には鍵がない

面白いと思ったのは、正倉院には鍵がなく、紙でできたお札だけで、千年も泥棒が入らなかったのです。


こうして説明してもらうと、歴史というのは面白いものだな、と感じました。もちろん歴史の専門家が考える歴史の理解というものがあるのはわかりますが、歴史とは自分なりに解釈することもできる範囲があるのです。


先人の努力を学びつつ、今の自分に何が残せるのか、考えてみるのも面白いと感じます。歴史の楽しさを教えてくれる一冊ということで★5としました。ねずさん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・垣ノ島B遺跡から出土した漆器・・・放射性炭素14を利用した年代測定を試みた結果、なんといまから九千年前の、世界最古の漆器であることがわかりました(p36)


・日本文化圏の拡大が、異なる次元の「征服」と同一視されてしまうように、民度の低い国や人たちには、善意が悪意と誤解され、正義が悪事と曲解されてしまうのです(p58)


・この国の人々は今までに発見されら国民の中で最高・・・ザビエルの見た日本は、まさに戦国まっただ中の時代だった(p126)


・当時の宣教師の仕事は、表向きはキリスト教の伝道ですが、本当の仕事は、将来その地を植民地とするために情報を収集することや、さまざまな懐柔工作です(p136)


・インパール戦記・・・民家を襲わなかったことを誇る記述を、誰一人として残しておられない・・・民家を襲わないなんて「あたりまえ」のことだったからです(p213)


▼引用は、この本からです
「ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人!」小名木 善行
小名木 善行 、彩雲出版


【私の評価】★★★★★(92点)


目次


序にかえて  勾玉のお話
1 旧石器時代 三万年前の磨製石器
2 縄文時代  漆と縄文文化
3 弥生時代  縄文人と渡来人の相克
4 古墳時代  日本語の「征服」の意味
5 飛鳥時代  天下の皇民
6 奈良時代  万葉の時代といまの日本の民度
7 平安時代  菅原道真公の決断
8 平安時代  安倍一族と源義家



著者経歴


小名木善行(おなぎ ぜんこう)・・「日本の心をつたえる会」代表。昭和31年1月16日生まれ、静岡県浜松市出身。国史研究家。平成12(2000)年に独立し、食品製造販売業を営むかたわら、インターネットで日本の良い話を中心に情報発信を開始したブログ「ねずさんのひとりごと」では、近時、月80~100万人の訪問を有している


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