「ロジカルティーチング ガツガツしていない若手社員を伸ばす技術」阿部 淳一郎
2022/01/25公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(88点)
要約と感想レビュー
昭和の「見て覚えろ」「とりあえずやってみろ」「返事はハイかYES」「飲み会で人間関係構築」は、時代に合わないと断言する一冊です。平成の人は成功体験を持っていないし、尊敬できる先生もいないし、褒められたこともなく、仕事よりプライベートが大切で、月1冊も本を読まないのです。
では、どうやって自律的な人を育てるのでしょうか。それは成功体験を積み上げること、良いところを指摘してあげることです。叱って育てるのではなく、認めて褒めて育てるということでしょう。
・自己効力感・・「自分の能力に対する自信」・・成功体験・・周囲にいる人たちから吸収・・(p23)
新人への教え方としては、まず信頼関係を作るところから入ります。信頼関係を作るには、飲み会をすれば良いわけではなく、できるだけ接触を増やすことを意識します。どう話すかではなく、何回話すかが大切ということです。
そして教える時には、相手がどこまで知っているのか確認します。何も知らないのであれば、やってみせ、やり方・コツを教えて、やらせてみるのです。教えるにしても、誰でも同じ判断ができるように具体的かつ定量的に教えてあげるのです。丁寧な教え方と言えるのでしょう。
・アウト・イン・アウトの法則・・・1・・相手の現状を確認・・2相手の現状に合わせた情報を提供する・・3最後にやらせる(p139 )
やってみせ、教えて、やらせてみる。「背景」と「全体像」を説明する。後行程から経験を積ませるなど、丁寧でレベルの高い教え方だと思いました。また、教え方だけを見れば、トヨタの仕事の教え方にかなり近い印象です。
はやり今の時代は、根性よりも具体的で客観的に見て、誰でも理解できる教え方が必要なのでしょう。阿倍さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・コミュニケーションの8割以上をポジティブな内容にすると信頼関係はつくられやすく、それ以下になると、つくられにくくなる(p105)
・ひとりで抱え込まず・・・チームで育てる(p38)
・「はじめてのこと」を任せるときには、「なぜそれをする必要があるのか」が分かる「背景」と「全体像」の説明が必要です(p124)
・バックワード・チェイニング・・・後行程から前工程へ・・経験を積ませる手法・・『自分の仕事の最終イメージ』を持てる(p126)
・「ここまで大丈夫か?質問はないか?」を途中途中で、相手に確認(p154)
・「他人の尊厳を認め礼儀正しい接し方をする上司」は・・・リーダーとしてふさわしいを評価される・・2倍(p173)
【私の評価】★★★★☆(88点)
目次
第1章 若者を育てることになったらはじめに認識しておきたい基本スタンス
第2章 「イマドキの若者」の仕事観を知る
第3章 育成に役立つヒトの心理メカニズム
第4章 ジェネレーションギャップを超えて信頼関係をつくるには?
第5章 自分のさじ加減に頼らない相手の能力に合わせた業務の任せ方
第6章 「イマイチ伝わらない」から脱却する教え方・褒め方
第7章 振り返りを意味のある時間にするための手法
第8章 「感情的なシコリを残すだけ」にならない意味のある叱り方
著者経歴
阿部 淳一郎(あべ じゅんいちろう)・・・若手の採用・育成・定着に強い人材開発コンサルタント。株式会社ラーニングエンタテイメント代表取締役/保健学修士。大手社会人教育企業などに勤務後、2004年起業。以後、一貫して採用・育成・定着・就職支援等に携わる。東洋学園大学兼任講師( キャリア形成論担当)。早稲田大学教育学部卒。筑波大学大学院(行動科学/ ストレスマネジメント領域) 修了。
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