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「お金をかけずにお客様が戻ってくる繁盛店の作り方」下川部康雄

2024/02/23公開 更新
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「お金をかけずにお客様が戻ってくる繁盛店の作り方」下川部康雄


【私の評価】★★★★★(91点)


要約と感想レビュー

抱え込まずに人に相談すること

北海道札幌で飲食店オーナーとして、自転車操業状態からの家賃滞納、地震によるキャンセルで200万円の資金ショートの危機を乗り越えてきた著者が教える飲食店経営のコツです。著者の場合は、ピンチになったとき、「もうダメだ。廃業するしかない」と焦って何も考えられなくなってしまったという。飲食店オーナーは、自営業者の中で3番目に自殺の多い職業なのです。


どん底の中で著者は、モーニングセミナーの仲間から助けてもらい、300万円の出資金が集まり、取引のある酒屋さんや魚屋さんも支援してくれたので危機を脱出できたのです。1人で抱え込まずに人に相談することが大事であり、そうした時に支えてもらえるような人徳が必要なのだと感じました。


また、著者は墓参りを勧めています。著者は墓参りすることで、だめだったら店の経営をやめればいいと考えられるようになったという。墓参りで、祖先が命をつないできてくれたこと、自分が生かされていることに気づくというのです。


打つ手は無限・・周囲を見回してみよう・・いろんな角度から眺めてみよう・・人に相談してみよう・・必ずなんとかなる(p52)

日本一椎茸の焼き方にうるさい店

販促については、世の中でいわれていることをすべてやっているように感じました。イベントで集客する、オンラインショップで収益化する。フェイスブック、LINEで告知する。時々ダイレクトメールで告知する。トイレを20分かけて掃除する。


著者はお酒を単に飲む場所でなく、農家や猟師たちの思いを伝える場所と定義し、「日本一椎茸の焼き方にうるさい店」とPRしたら集客が2倍になったという。よい食材を使って、美味しい食事、美味しいお酒を提供するだけでは差別化は難しいのでしょう。集客のイベントやブランド化は当たり前で、その中から選んでもらう仕組みが必要なのです。


あなたのお店の強みは何ですか?・・「ここでしか食べられない看板メニュー」も強みの一つ(p26)

飲食店はその地域のインフラ

そもそも飲食店は仕入れが先、支払いが後という資金繰りがショートしやすい業態であると感じました。キャンセル料を明確化するか、料金を先払いしてもらうか、完全予約制にするか、キャンセルを見込んだ価格体系にするか、保存のきく食材だけにするなどのリスクヘッジが必要なのでしょう。


地域の飲食店はその地域の美味しいものを提供するインフラ基盤といえます。良いお店が永続できるよう、お店も私たち顧客も考えるべきことがあると感じました。著者の知恵を出し切った一冊ということで★5としました。下川部康雄さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・徹底的にパクる・・ちょっと変えてパクる・・思い切り変えてパクる(p147)


・スタッフ教育に一貫性はありますか?・・料理や接客のマニュアルがありますか?(p29)


・あえてはがきを送る・・普通の情報発信はSNSで行っていますが、・・DMが特に好評でした(p166)


・お金を貸してください・・貸すというかたちになると、そこで関係は終わりだね・・私募債の形にするなら出資はするよ(p192)


▼引用は、この本からです
「お金をかけずにお客様が戻ってくる繁盛店の作り方」下川部康雄
下川部康雄、ぱる出版


【私の評価】★★★★★(91点)


目次

第1章 なぜあなたの店は閑古鳥がないているのか?
第2章 「もうダメだ!」からの思考切り替え術
第3章 店が潰れそうと相談したら15人の協力者が現れた
第4章 産直農家交流会を開いたら超満員に
第5章 北海道の地震で270名キャンセルになった
第6章 1枚のはがきの情報発信が運命を変える
第7章 薄利多売は閉店・廃業への時限爆弾
第8章 世の中に幸せな飲食店経営者を増やしたい



著者経歴

下川部康雄(しもかわべ やすお)・・・1967年北海道札幌市出身。「合同会社夢のかけはし」代表および「活食・隠れ酒蔵かけはし」北二条店代表を兼任(月商800万円)。19歳の浪人中にアルバイトを始め、飲食業の道へ入る。27歳で共同出資の店舗を開店。経営悪化した社会保険料・消費税滞納付きの店舗を引き受ける。新店オープンさせるも自転車操業状態からの家賃滞納で退去させられる。38歳の時、どん底から15人の出資者を募り新店オープン、その後、不採算店の整理・資金の集中で再浮上する。新店オープン、フランチャイズ化、暖簾分け等が続き、2018年の北海道地震、2020年からのコロナ禍と危機が続くが、イベント主催や講演会登壇、生産者、飲食店共同の「産直海産物通販事業」を企画する。現在、実店舗×イベント×通販という3つのキャッシュポイントで、安定成長を続けている。


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