「竹之内の失敗―挫折・絶望・逆境を乗り越える、「ユダヤファミリーの教え」」竹之内教博
2024/10/15公開 更新本のソムリエ [PR]
Tweet
【私の評価】★★★★★(97点)
要約と感想レビュー
師匠との出会い
お金と数字を追いかけて、ロジックで成果を出してきた竹之内さんは、「りらくる」を創業して270億円の現金を作り、YouTubeチャンネル登録者数30万人を達成しました。竹之内さんが美容師として出世したり、「りらくる」創業者として成功した背景には、実は師匠の助言があったというのです。
竹之内さんは美容師学校に講演でやってきた美容院チェーン社長に、「どうやったらお金持ちになれるのですか」と講演会の後に質問しました。美容院社長はそれには答えず、「自分の誕生日パーティの企画」を竹之内さんに宿題として出したのです。そこから、竹之内さんと師匠の関係がはじまるのです。
積極的な人はすべてを手に入れ、消極的な人には何も残らない(p22)
店長のつもりで行動する
師匠は竹之内さんが悩んでいると、「頑張っているね、素晴らしいね」「いいことを教えてあげよう」と常にアドバイスをくれたという。例えば、新人として美容院で働きはじめると、師匠は「明日から常に店長らしい行動」をしてみるようにアドバイスをします。竹之内さんが店長のつもりで、店をきれいにし、改善を提案していると1年半で店長になったのです。
また、独立を考えているとき、師匠は、「信用のある人はお金を持っているようなものだ」と説明し、相手の予想を超える成果を出せば、大きな信用を得ることができるとアドバイスをくれたのです。竹之内さんは美容院の経営者の息子の教育係となったり、業績の悪くなった支店を立て直したりしました。すると、美容院の経営者は竹之内さんの独立の資金をすべて出してくれたというのです。
人がお金を払う三原則・・相手がほしいものを提供する・・相手ができないことを提供する・・面倒でやりたくないことを提供する(p51)
最初に肯定すること
竹之内さんの弱点は、人の気持ちがわからないことでした。例えば、部下への指導では部下のダメな部分を指摘し、あるべき姿を示し、改善を求めました。竹之内さんは一生懸命指導しているつもりのに、部下から面と向かって「だから竹之内さん、嫌われるんですよ」と言われたことがあったという。
師匠は、人は正しいことを言われても、最初に否定されると聞く耳を持ってくれないんだと教えてくれました。同じように会議もトップダウンで、部下にやることを指示する場所ではないと師匠は教えてくれました。つまり、会議とは参加者全員で意見を出し合って、納得し、やる気を出すためのものだというのです。
竹之内さんはどうしても、お金や数字を追いかけて、人の心に寄り添う傾向が小さかったのです。
「スタッフにダメ出しするときは、まずほめてから」とい会話のコツは、僕も結構忘れてしまいがちです(p47)
怒りは相手ではなく自分を倒す
竹之内さんの最大の失敗は、YouTubeチャンネル登録者数を増やそうと、ガーシー前参議院議員にドッキリを仕掛けたことでしょう。逆にガーシー議員に脅されて、「違法賭博をやっている」「反社会的勢力から金を借りている」など嘘の罪を認めてしまったのです。事実ではなかったのですが、それ以降、金融機関との取引ができなくなり、既存の取引が停止され、損害賠償を請求されてしまったのです。
竹之内さんはガーシー議員を恨み、どうやって復讐しようか日々考えていたという。そこで師匠が見せてくれた動画には、「恨みや怒りは相手はなく、自分を倒してしまう」とインドの行者が語っていたのです。師匠は、成功するために必要なのは数字でもなく怒りでもなく、愛と感謝であることを教えてくれたのです。
恨みや怒りによって相手を倒そうとすれば、結局のところ自分を倒してしまうのだ(p173)
本当に必要なのは愛だった
竹之内さんは「お金」が欲しいと思っていたのですが、本当に必要なのは「愛」だったとわかったのです。師匠も竹之内さんに足りないのは「愛」であることを、知っていたのですが、それに気づくタイミングまで師匠は「頑張っているね」と見守ってくれていたのです。周りの人への愛と、感謝の気持ちを持っている人が、ビジネスでも人生でも成功するというわけです。
実は師匠は、ユダヤの教育を受けてきた人なのだという。著者は、このユダヤの教えを実践する2泊3日の合宿を沖縄で開催しているのです。
リアルで「ユダヤ人大富豪の教え」と「7つの習慣」をなぞるような内容でした。強いインパクトを与えてくれる一冊だと思います。竹之内さん、良い本をありがとうございました。
無料メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」(独自配信) 3万人が読んでいる定番書評メルマガ(独自配信)です。「空メール購読」ボタンから空メールを送信してください。「空メール」がうまくいかない人は、「こちら」から登録してください。 |
この本で私が共感した名言
・機能を説明するんじゃなくて、その商品を使ったときに得られる「感情」を説明しなくちゃいけない(p39)
・人間の「幸せ」は外部からの刺激によって生まれるものではないんだ(p103)
・愛の反対は無関心・・目立たない人にスポットを当てること(p126)
【私の評価】★★★★★(97点)
目次
第1章 仕事とは、お金とは、何か
第2章 組織とは、数字とは、何か
第3章 成功とは、幸せとは、何か
第4章 名声とは、嘘とは、何か
第5章 本当の幸せとは、何か
著者経歴
竹之内教博(たけのうち ゆきひろ)・・・1977年生まれ、大阪府出身。りらくる創業者、株式会社T'sインベストメント会長、「ユダヤファミリーの教え」講師。高校卒業後、大学を4ヶ月で中退し、大阪堺市の美容室で勤務後、31歳の時に『りらく(現りらくる)』をオープン。わずか7年で全国直営600店舗規模にまで拡大し、約270億円で売却。現在もオーナー・経営者として20以上のビジネスを展開しつつ、起業家の支援も行っている。YouTuberとしての活動をきっかけに大炎上し、一度は表舞台から追放されかけたが、「ユダヤファミリーの教え」をきっかけに教育業に目覚め、現在は講師活動を精力的に行っている。2023年、隠し続けてきたハゲをYouTubeで公開し、自己開示が話題を呼んでいる
この記事が参考になったと思った方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓
この記事が気に入ったらいいね!
コメントする