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「橋下徹の研究」百田尚樹

2022/12/26公開 更新
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「橋下徹の研究」百田尚樹


【私の評価】★★★★★(90点)


要約と感想レビュー

 実は本のソムリエは、大阪府知事の頃の橋下徹氏が好きでした。ところがロシアのウクライナ侵攻への橋下徹氏の発言を聞いて、オヤ?と思ったのは、百田さんも同じだったようです。こうして一冊の本として研究してもらえるのは、ありがたいの一言です。橋下徹氏のウクライナへのスタンスは、以下の発言で明確です。祖国防衛という名のもとに戦って命を落とすことはおかしい、というものです。もし日本の北海道が、ウクライナのようにロシアに侵攻されたら多くの日本人が戦う選択をすると私は直感的に思いますが、橋下徹氏の考えは違うのです。


 ウクライナ人のグレンコ・アンドリー氏に対しても、橋下徹氏はテレビで次のような発言をしています。祖国防衛のために死ぬのは違う。国外に退避する自由を与えよう!とウクライナ人のアンドリー氏に面と向かって発言しています。橋下徹氏はツイッターでも、同じような発言を繰り返していることから橋下徹氏の持論なのでしょう。この本では「逃げる自由を与えろ!」とウクライナの出国禁止令について批判する橋下徹氏が、ロシアの出国禁止令には何も言及しないことについて、矛盾していると指摘しています。


・祖国防衛のために命を落とすことが一択になるということが、僕は違うと思うんですね・・・ロシアが瓦解するまで国外で退避したっていいじゃないですか。祖国防衛、そこで命を落とす、それしかないという状況にみんななってしまうと、国外退避することが恥ずかしいことだ、それやっちゃいけないことだ、売国奴だという批判を恐れてしまうような空気、僕はおかしいと思う(橋下)(p35)


 この本では橋下徹氏の印象操作とでも言えるようなテクニックが、紹介されています。例えば、高市早苗氏とのテレビ番組の中で橋下徹氏は「靖國問題ですが、・・・総理が靖國参拝するとなると、中国が貿易や商取引に対して・・・中小企業の利益が害されるというときに、あえて政治信条を貫いて行くのですか?」と質問しています。それに対し、高市氏は直接答えず信教の自由があること、アメリカもアーリントン墓地があることなどを指摘し、曖昧に間接的な表現で答えていました。


 その後、別の番組で橋下徹氏は、「高市さんは『中国との取引なんかなくなったって、いや靖國参拝行くのよ』というふうに言っていたので、そこは心配だったんですけどね」と、高市氏の発言を意訳したうえで中国とビジネス取引ができなくなっても靖国参拝するかのようなレッテルを貼っていたというのです。


 同じように櫻井よしこ氏とのやりとりでは、「櫻井さんはもう、もう芯からの中国嫌いですから・・・櫻井さんの考え方は、ウクライナをある意味犠牲にしながら全体の世界の秩序を守っていくことだと思うんです」などと、櫻井よしこ氏に中国嫌いのレッテルを貼り、櫻井さんがウクライナを支持することは、ウクライナ市民を犠牲にしているという印象を与えようとしているのです。


・橋下氏は「中国に強く言うことで支持を得る人たち(政治家たち)がいっぱいいる」と言っています・・・今の日本には、中国に毅然とした態度を貫き、強い物言いができる国会議員なんかほとんどいない(p66)


 この本では橋下徹氏はハニートラップに引っかかったのではないか、とやんわりとほのめかしています。これを証明することは、二重スパイでもいなければ、ほぼ不可能でしょう。私の仮説は、橋下徹氏は中国、ロシアから弁護士として仕事を受注したのではないか、というものです。そうでなければ自国防衛のために戦っているウクライナの人たちが自分で判断すべき事項に、「祖国防衛のために命を落とすことはおかしい」などと、あえて主張する意味を見出せないと思うのです。特に橋下徹氏は頭が良いので、意図を持って発言しているのは間違いないのでしょう。


 それとも、ロシアがウクライナに核兵器を使用して、ウクライナ人が数百万人も虐殺される可能性を考えて、ウクライナの人々に死んでほしくないという意図なのでしょうか。さらに、可能性の低い別の仮説を立てるとすれば、橋下徹氏は中国・ロシアの日本征服計画を知り、絶対に日本が負けて植民地となることを確信し、どうせ負けるなら国を捨てて第三国で楽しく暮らせばよいと考えているのでしょうか。


 私は橋下徹氏の歯に衣を着せないスタンスが好きで、橋下さんなら自らゼレンスキーやチャーチルのように日本国を守るために立ち上がってくれると期待していましたが、最近の橋下徹さんは何かがおかしいのは確かなようです。もう少し橋下徹氏を、観察していきたいと思います。百田さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・命よりも大切なものがある、命を懸けて戦わなければならないという世間の風潮に流されて死ぬことがあってはならない(橋下)(p84)


・歴代の大阪府知事で台湾訪問をしたのは僕が初めて。総領事の態度振る舞いを巡って中国総領事館と大ゲンカ・・・こりゃ国会議員は首相になったら靖國には行けないな、と感じたんです(橋下)(p182)


・咲洲の太陽光発電事業・・・入札決定から落札までの期間が異様に短い・・・不動産鑑定はわずか7日・・告知から入札締め切りまで、わずか18日間・・なぜか中国共産党がこのプロジェクトを表彰しています・・・「上海電力が合同会社に加わった」と届出たのは、(着工式の)4ヶ月後(p242)


▼引用は、この本からです
「橋下徹の研究」百田尚樹
百田尚樹、飛鳥新社


【私の評価】★★★★★(90点)


目次

1章 ロシアにはロシアの理がある
2章 「中国にお願いかお土産が先やろ」
3章 戦う一択ではダメだ!
4章 ナザレンコ・アンドリー氏への罵倒
5章 靖國神社に代わる追悼施設を作れ!
6章 "親中派"大物議員を高く評価
7章 沖縄と日本の分断を図る男?
8章 橋下市政と上海電力のステルス参入
9章 元教諭の証言
付録 ある女性の告白



著者紹介

 百田尚樹(ひゃくた なおき)・・・1956年、大阪生まれ。同志社大学中退。放送作家として人気番組「探偵!ナイトスクープ」など多数を構成。2006年、特攻隊の零戦乗りを描いた『永遠 の0(ゼロ)』で作家デビュー。高校ボクシングの世界を舞台にした青春小説『ボックス!』が、2010年、映画公開


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