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「日本国紀」百田 尚樹

本のソムリエ 2019/02/11メルマガ登録
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日本国紀


【私の評価】★★★★★(95点)


要約と感想レビュー

 日本の歴史を百田氏の視点から総括した一冊です。歴史とは人それぞれの解釈があり、歴史の流れを学ぶなかで日本という国をどう見るのか。これは人それぞれが考えるべきことでしょう。


 日本は島国であり、大陸とは待ったう違う歴史と文化を持った国家です。そうした中で、百田さんが自分の歴史観をこうした一冊の本にまとめられたのは羨ましい限りです。


・日本の歴史を見て驚くのは、ヨーロッパや中国では当たり前のように行われてきた民衆の大虐殺がまったくないということだ。これは非常に幸運であると同時に、誇るべき歴史であると思う(p64)


 一部のアジアの国は、日本の歴史認識を問題にしようとしています。これは連合国が確立した「日本はアジアを侵略した国家であるという」歴史認識を日本が修正しようとしているという点で日本を悪魔化する戦略です。その点を指摘して、連合国のアメリカと日本の関係を破壊しようしているのです。日本が右傾化している、軍国主義が復活しているという主張もそうした日米を引き離す戦略の中でプロパガンダされているのです。


 他国の歴史に口を挟むのは、内政緩衝でしょう。それでも敢えて日本を侵略国家として悪魔化する相手の戦略を無効化することに注力するのか、あえて日本の正しい歴史を主張していくのか、などの選択肢が見えてくるのでしょう。


・日本はアジアの人々と戦争はしていない。日本が戦った相手は、フィリピンを植民地にしていたアメリカであり、ベトナムとカンボジアとラオスを植民地としていたフランスであり、インドネシアを植民地としていたオランダであり、マレーシアとシンガポールとビルマを植民地としていたイギリスである。日本はこれらの植民地を支配していた四カ国と戦って、彼らを駆逐したのである(p392)


 また、長い歴史のなかで、日本も諸外国もあまり国民性の傾向が変わらないことに驚きます。


 日本は相変わらずお人良しで、自分の立ち位置に気づかず簡単に騙される。「言われるままに21カ条要求」「メリットないはずの韓国併合」「もったいない日英同盟破棄」などは、すべて国際政治感覚のなさを示しています。


 朝鮮も相変わらず事大主義で常に強い者に寄り添い、弱い者は切り捨てる。中国は嘘でも賄賂でも挑発でも何でも使ってプロパガンダし、相手を弱体化させるのがうまい。


 日本の傾向としては、挑発されると相手の思う通りに行動することが多いようですので気をつけたいものです。挑発されて韓国を併合する。挑発されて日中戦争をはじめてしまう、挑発されてハワイを爆撃してしまう。すべて相手の思うつぼなのです。


・韓国併合・・・併合反対の意見が多数を占めていた。これには「朝鮮人を日本人にするのは日本人の劣化につながる」という差別的な意識もあったが、一番の理由は「併合することによって必要になる莫大な費用が工面できない」・・・しかし明治42年(1909)、伊藤がハルビンで朝鮮人テロリストによって暗殺され・・・国内で併合論が高まると同時に、大韓帝国政府からも併合の提案がなされた(p326)



 戦後では、百田さんが言いたいことは、朝日新聞は歴史になったということでではないでしょうか。意図的にやったのかどうかはわかりませんが、朝日新聞は国際問題を作り上げる新聞として歴史に残す偉業を達成したのです。その偉業は日本人として褒められることではありませんが、褒める勢力もいるのでしょう。


 世論捜査としてのマスコミの役割も、時代とともにその勢力を変えていきます。平和とインターネットの時代に生まれてよかったと感じさせてくれる一冊でした。百田さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・「21カ条要求」・・・中華民国側から「要求という形にしてほしい。やむなく調印したという形にしたい」という申し出があったので、日本側は敢えて「要求」という形にした・・・密約として交わされた条約だったが、袁世凱はそれを破って公にし、国内外に向かって、日本の横暴さを訴えた・・・「21カ条要求」は日本の非道さの表れとする歴史教科書がある(p345)


・アメリカは日英同盟を破棄する代わりに、フランスとアメリカを交えた「四カ国条約」を結んではどうかとに日本に提案した。これは名目だけのもので実質的な同盟ではなかった。イギリスは同盟の破棄を望んでいなかったが、日本の全権大使、幣原喜重郎は「四カ国条約」を締結すれば国際平和につながるだろうと安易に考え、これを呑んで、日英同盟を破棄してしまった(p346)


・南京政府の人口調査によれば、占領される直前の南京市民は20万人である・・日本軍が占領した一ヵ月後に南京市民が25万人に増えている・・南京市民が増えたのは、町の治安が回復されたからに他ならない(p369)


・日本軍は沖縄を守るために、沖縄本島を中止とした南西諸島に18万人の兵士を配置した。陸軍と海軍合わせて約二千機の特攻機が出撃した・・・沖縄は不幸なことに地上戦となり、約9万4千人もの民間人が亡くなった。沖縄出身の兵士は2万8千人以上が亡くなっているが、沖縄以外の出身の兵士も約6万6千人が亡くなっている。決して沖縄を捨て石にはしていない(p401)


・占領中に、アメリカ兵に殺害された日本人は4千人近く、強姦された婦女子は記録されているだけでも2万人にのぼった・・しかし日本の警察は、アメリカ兵の犯罪を捜査することも検挙することもできなかった。また新聞も報道を禁じられていた(p433)


・戦前から日本にいた朝鮮人の一部が、日本人に対して、殺人、強盗、傷害、強姦、窃盗などを働いた。彼らはまた焼け跡の一等地を不法に占拠し、あるいは日本人の土地や家屋を奪った・・・昭和20年(1945)から22年(1947)にかけてだけでも、警察署や派出所が朝鮮人に襲撃されたり警察官が殺害されたりした事件が十件以上も起きている(p434)


・中国共産党が勢力拡大のために行ったことは、「一村一焼一殺、外加全没収」・・これは「一つの村で一人の地主を殺し、その家を焼き払って、彼の全財産を没収する」という意味だ。具体的には、地主を人民裁判で処刑し、全財産を没収した上で、彼の土地を村びとに分け与え、その代わりに村人から何人かの若者を中国共産党に兵隊として差し出させた(p448)


・日露講和会議・・・日本国民は、賠償金を取れない政府に対して怒りを爆発させた・・・当時の朝日新聞は9月1日、「大々屈辱」「講和憤慨」「日本政府自ら日本国民を侮辱するに当たる」などという激烈な記事を書いている・・民衆は暴徒と化し、内務大臣官邸や周辺の警察署、派出所を襲撃・・・「新聞社(メディア)が戦争を煽り、国民世論を誘導した」事件(p325)


・朝日新聞が生み出した国際問題・・・「南京大虐殺の嘘」「朝鮮人従軍慰安婦の嘘」「首相の靖國神社参拝への非難」・・これらはいずれも朝日新聞による報道がきっかけとなった(p466)


・「ベ平連」(正式名称・ベトナムに平和を!市民連合)・・彼らは「ベトナム戦争反対」のデモや運動だけでなく、平和運動と称して、企業を攻撃したり、成田空港建設反対などの闘争を繰り広げたりもした・・ソ連のKGB(ソ連国家保安委員会=ソ連の秘密諜報組織)からの資金提供があったことが判明する・・日本の反戦運動・反核運動・反アメリカ軍基地運動・平和運動などが、ソ連や共産主義国からの支援を受けてきたというケースは少なくない(p478)


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【私の評価】★★★★★(95点)



目次

第一章 古代~大和政権誕生
第二章 飛鳥時代~平城京
第三章 平安時代
第四章 鎌倉時代~応仁の乱
第五章 戦国時代
第六章 江戸時代
第七章 幕末~明治維新
第八章 明治の夜明け
第九章 世界に打って出る日本
第十章 大正から昭和へ
第十一章 大東亜戦争
第十二章 敗戦と占領
第十三章 日本の復興
終章 平成


著者紹介

 百田 尚樹(ひゃくた なおき)・・・1956年大阪市生まれ。同志社大学中退。放送作家として「探偵!ナイトスクープ」等の番組構成を手掛ける。2006年『永遠の0』で作家デビュー。他の著書に『海賊とよばれた男』(第十回本屋大賞受賞)等多数。



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