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「大放言」百田 尚樹

2017/08/30公開 更新
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大放言 (新潮新書)


【私の評価】★★★★★(91点)


要約と感想レビュー

 放送作家から大作家となった百田 尚樹さんの一冊です。失言で攻撃されることが多い百田さんですが、失言をやめるつもりはないようです。


 なぜなら、失言の多くは、たとえ話の一部を引用して曲解して批判しているから。具体的な捏造や歪曲の事例が提示されていて、新聞社を含めたマスコミのいい加減さ、悪質さにびっくりします。百田さんに言わせれば、それは前後の文章の流れを無視した「発言狩り」と言えるものなのです。


・朝日新聞をはじめとする左翼系ジャーナリストたちはそうした論理を無視し、「軍隊創設の道筋をつくらねばならない」という一文だけを切り取り、「百田尚樹は軍国主義者で戦争をやりたがっている狂人」というイメージを作り上げようとしている(p216)


 これだけ百田さんが攻撃されるのは、本質を言ってしまっているからなのでしょう。一般国民に知られてはいけないこと、メディア関係者、日本人のタブーを話しているのです。


 原爆慰霊碑の碑文はあれでいいのか?「人間のクズ」発言の真実は?「南京大虐殺はなかった」発言の主旨は?先日の「24時間テレビ」でさえ、テレビ局は、CM収入をすべて寄附したほうが良いのではないかと問題提起しています。これでは敵をつくるのが当たり前ですが、あえて言っているところが百田らしいところです。


・今や国民的番組となった感のある某チャリティ番組・・24時間放送しているので、この日一日だけでテレビ局には多額のスポンサー料が入る・・番組総製作費が4億2000万円に対し、CM収入が22億2750万円であった・・慈善を訴えるなら、まず自らがそれを行ってほしい(p141)


 プロパガンダを行っている組織ほど、言論の自由を主張しながら、敵の発言を攻撃する構造がわかりました。相手がそういう作戦なら、俺も負けないぞ!という百田さんの気持ちが伝わってきました。


 大事なことは後半に書いてありますので、この本を買って読んでみてください。百田さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・最も腹が立ったのは、毎日新聞社がアメリカ大使館に「日本の百田尚樹という作家が、東京大空襲を大虐殺だと言っています」とわざわざ告げ口にいったことだ・・それを知った朝日新聞は、今度は本国の国務省まで確認を求め、同じ回答をもらうと、これまた嬉々として報道した(p178)


・日教組は日本のガンである・・なぜ、日教組はこういう教育を長い間行ってきたのでしょうか。私は、その謎は長年にわたって日教組のドンと呼ばれた槙枝元文委員長にあると見ています。彼は、人権などまったくない北朝鮮の礼賛者で、当時は政治家さえも簡単には行けなかった北朝鮮に何度も招かれ、金日成主席から勲章まで貰っています(p191)


・『竜馬がゆく』の中の「ちょうりんぼう」という言葉が差別語であるとして、司馬氏は部落解放センターに呼び出されて糾弾された(p11)


・大越キャスターの言った「在日韓国・朝鮮人一世は強制連行で日本に連れてこられた」というのは、まったく事実に反する言葉である。これは戦後、在日韓国人・朝鮮人が盛んに流したデマである。・・ただ、昭和19年9月から7ヵ月間だけ、「戦時徴用」というのはあった。しかしこれは強制連行ではない。その証拠に戦時徴用は多数の日本人にも行われていた(p204)


・言葉の自由を失った国はやがて滅びる。皆が一斉に同じことを言い、一斉に誰かを攻撃する時代も同様だ(p19)


・ここで読者に問いたい。「戦争は絶対にしない。たとえ攻められても抵抗はしない。だから軍隊も持たない」という国と、「侵略戦争は絶対にしない。しかしもし侵略されたら、徹底的に抵抗する。そのために軍隊を持つ」という国さて、どちらの国が侵略されにくいかというリアリティの問題である(p217)


・図書館は新刊本を入れるな・・・現在の図書館は、はっきり言って「公共の無料貸本屋」になっている。とくにひどいのは、前述のようにベストセラーを大量に貸し出すことだ(p102)


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【私の評価】★★★★★(91点)



目次

第1章 現代の若きバカものたちへ
第2章 暴言の中にも真実あり
第3章 これはいったい何だ?
第4章 我が炎上史


著者経歴

 百田 尚樹(ひゃくた なおき)・・・1956年大阪市生まれ。同志社大学中退。放送作家として「探偵!ナイトスクープ」等の番組構成を手掛ける。2006年『永遠の0』で作家デビュー。他の著書に『海賊とよばれた男』(第十回本屋大賞受賞)等多数。


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