【書評】「日本一稼ぐ弁護士の仕事術」福永活也
2025/05/08公開 更新

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【私の評価】★★★★★(91点)
要約と感想レビュー
毎月の業務時間は常時300時間
著者は大学卒業後、24歳までフリーターとしてぶらぶらしていました。そんなとき、行政書士をテーマにしたテレビドラマ「カバチタレ!」を見て、法律に興味を持ち、行政書士試験を受けたという。その時、法律の勉強が凄く楽しかったのです。著者は生まれて初めて勉強が楽しいと感じ、司法試験に挑戦し、27歳で司法試験に合格。弁護士として働き始めたのです。
入所した弁護士事務所では、作成した書類をチェックした上司から「話にならないけど、おまえの評価は元からそんなもんだ」などと、酷評されることもありました。著者は、「これがプロの世界だ」と思って「逆にワクワクするな」と思い込むようにして、耐えていたという。
当時の毎月の業務時間は常時300時間を超え、弁護士2年目頃には、同期の弁護士の2倍の仕事をこなしていたという。著者は「仕事の対価は経験」と考えれば、毎日沢山の経験を得ることができ、なんてお得な環境なのだと思うようにしていたというのです。この弁護士事務所からは、5年で独立することになります。
私は自分なりに楽しいと思えることを探し、その対象が見つかると、とことん一生懸命に、かつ楽しみながら取り組むことが得意なのだと気が付きました(p8)
24時間1時間以内に返信する
著者は独立1年目、2年目と弁護士業のみで年収5億円を突破しています。著者が意識したのは、スピードです。スピードであれば、他の経験豊かな弁護士に勝つことができるかもしれないと、24時間全てのメールに1時間以内に返信することにしていたという。資料作成でも締切直前に作業をはじめるのではなく、依頼されたらすぐに取り掛かり、締切よりもはるか前に提出することを意識していたという。
また、報告は金曜の朝までにすることを習慣化していました。仮に、金曜日の夕方に報告すると、読んでもらえるのが翌週となり、3日分も遅くなる可能性があるからです。そのため、木曜の夜には予定を入れず、徹夜で作業ができるようにしていたという徹底ぶりです。
その結果、独立してからは寝ている時間以外はひたすら仕事をし続け、ピークの月収は2億円を超えたのです。
毎日、もうこれ以上は頭が働かないと思う瞬間がやってきますが、私はそこからさらに30分だけ働くようにしていました(p131)
中古アパート一棟買い投資
現在は、弁護士業以外に、不動産業、レストラン経営、人狼ゲーム店舗経営、モデル事務所、ファッション事業、タレント活動、執筆活動などをしているという。注目すべきは不動産業でしょう。全国に30棟以上の中古アパートの一棟買いをしているという。弁護士業で稼いだ資金を、賃貸収入に変換しているわけです。
その一方で、エベレストを含む世界七大陸最高峰の登頂を果たしています。また、2カ月間、寿司職人の専門学校に通うと宣言していることなど、気になったらやってみようという著者の思想を実行していることがわかります。
そもそも著者が独立した理由は、本当に自分がやりたいことに熱中すること。自分の望むライフスタイルを実現させたかったことというのですから、やりたいことをやっているわけです。
どんなことでも経験してみないと好きか嫌いか、好きになりそうか嫌いになりそうか、判断できるはずがありません(p22)
ゆっくり1つよりスピーディに3つ試す
著者のモットーは、ゆっくり考えて1つを試すより、スピーディに3つ試すこと。他人ができることは自分もできる、挑戦前の不安は、挑戦後に具体的な課題になるということです。こうした新しい挑戦は、自分を輝かせてくれるのだという。そうすると、良い友達や良いチャンスに恵まれ、世界が広がっていくという連鎖が起きるというのです。
逆に著者が強調するのは、失敗や不安により動けないリスクです。なぜ人が不安になるかといえば、失敗によって傷つきたくないという心理によるものです。さらによくない結果は、リスクを避けてやらないできた結果、歳を取ってしまい、挑戦できない状況になってしまうことなのです。
お金はクーポン券で、何かに引き換えて初めて意味があるという著者の考え方に賛同します。福永さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・「成功する秘訣は何ですか?」・・私は、今日から3年間、一度も「忙しい」と言わずに生活してみてください、と答えています(p26)
・何かをやり始めて5年10年という期間、熱中して取り組めるのであれば、十分、高い到達点に届くぐらいにその分野で成功することはできるはずです(p80)
・私は人から何か誘われた時は、内容を一切聞かずにOKするようにしています・・・誘ってくれた人と時間を共有できるからこそ参加したいと思っているからです(p184)
・一流に触れてみる・・月に一度、1万円のランチを食べに行く(p205)
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福永活也(著)、クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
【私の評価】★★★★★(91点)
目次
1 日本一稼ぐ弁護士の「仕事」の考え方
2 日本一稼ぐ弁護士の「仕事」のやり方
3 日本一稼ぐ弁護士の「人生」の考え方・楽しみ方
著者経歴
福永活也(ふくなが かつや)・・・弁護士・実業家・冒険家。名古屋工業大学を卒業後、24歳までフリーターとして過ごす。その後、関西大学法科大学院を経て、27歳の時に司法試験に合格。弁護士として働き始め、5年目にして独立。独立1年目から2年連続して弁護士業のみで年収5億円を突破。その後、不動産投資、レストラン・モデル事務所・人狼ゲーム店舗の経営等、幅広く活動。プライベートではエベレスト登頂を果たし、冒険家グランドスラム(世界七大陸最高峰の登頂及び北極点と南極点到達)に挑戦。現在、エベレストを含め、七大陸最高峰と南極点を制覇している。
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