「テレビの裏側がとにかく分かる「メディアリテラシー」の教科書」長谷川 豊

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テレビの裏側がとにかく分かる「メディアリテラシー」の教科書

【私の評価】★★★★★(90点)


■フジテレビから「横領」で処分され、
 処分に納得できないことから退職した
 フリーアナウンサー長谷川さんの告白です。


 長谷川さんは、
 『発掘!あるある大辞典』で
 演技で嘘のナレーションをやらされた。


 姉歯建築士の耐震偽装事件では、
 「偽造したが強度は十分ある」
 という発言をスルーし、すぐに地震で
 倒れるかのうような報道をした。
 東日本大震災で一棟も倒れなかったことも、
 妻が自殺したことも報道しない。


 新型インフルエンザの毒性がないことを
 知っていたが、あえてそれは伏せて
 報道して、日本では大騒ぎになった。


 衝撃でした。


・新型インフルエンザについて正確に調べたところ、
 その毒性は「強くない」=「弱い」ってことが分かった・・
 視聴率、取れんがな!・・
 ディレクターと相談した結果、その発表はもみ消した・・
 と、言う訳で、そのまま放送した。
 煽るだけ煽った。その結果・・
 大騒動に発展した。2009年6月のことだ。
 日本中のドラッグストアからはマスクが消え、
 薬局の前には長蛇の列(p82)


■しかし、そうした衝撃を受けた人は
 甘ちゃんだとバッサリ切り捨てます。


 テレビマンは視聴者を楽しませるために
 真剣に命をかけて「やらせ」を企画し、
 煽り、捏造しているんだよ。


 そんなことも知らないで
 マスコミを批判しているの?
 甘ちゃんだね。


 それがテレビ業界の人の
 本音なのでしょう。


・メディアは公正な報道だけをしているのか?
 もしあなたがそう考えていたのならば、
 あなたの価値観は相当に甘ちゃんだと
 言わざるを得ない(p50)


■これだけぶっちゃけていると
 逆に面白いと思いました。


 フジテレビから「横領」で処分され、
 退職したということを割り引いても
 参考となる一冊でした。


 長谷川さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・「株式会社」である民放局という組織は、
 そもそも、「株主のために存在」し、
 その民放局に対して「お金」を払って
 くれている「客」とは「スポンサー」(p25)


・『公正・公平』の定義なんてない・・
 その定義がなされていないのに、
 そんな放送、出来る訳がないのだ(p28)


・『発掘!あるある大辞典』・・
 やらせ騒動は所詮、「氷山の一角」だ。
 何故かと言うと・・・
 僕が入社して、最初にやらされた
 「やらせ」こそがその
 『発掘!あるある大辞典』だからだ(p54)


・当時の情報番組と報道番組のデスクたちは
 「徹底的に叩け!」と指示を出す・・・
 当時のスタッフからは
 「絶対に姉歯を送検まで追い込め!」
 と号令を出している人間までいた(p67)


・東日本大震災・・当時、震度5か6でパターンと
 倒れると報道された姉歯一級建築士が設計した
 マンションは果たしてどうなっているのか!?
 答えは・・ビクともしていなかった(p71)


・姉歯氏の最愛の妻は精神的な辛さから逃れるために
 2006年3月28日、自殺する。
 マンションから飛び降り自殺をしたのだ・・
 自殺した妻だが、この妻もブランドを買いあさり、
 高級フランス料理店でグルメ三昧したとか、
 ホストクラブ遊びをしたという話も全く
 事実ではなかったことが後々分かっている・・
 しかし、そんなことは報道されることはない。
 だって・・そんな話、面白くないし。
 テレビの信用、失うしぃ~(p75)


・ちなみに、姉歯氏の一件には裏に大物の
 政治家がいた、そいう噂話もあった。
 ま、所詮噂程度の話だが、その大物政治家が
 「すべてを姉歯のせいにして話を収めようとした」
 という噂話があることだけは記述しておきたい(p75)


・インタビューという行為に関しては、
 「話を聞く」ことと、「テレビ的に
 必要なコメントを引っ張り出す」ことの
 2種類の行為があるが、嫌らしい話を言うと、
 大半は、テレビでは後者の方が圧倒的に
 よく使われていると言っても過言ではない・・
 原稿に沿った話を聞き出す必要がある(p132)


・『あいのり』はそもそも「恋愛観察バラエティー」、
 あくまで「バラエティー」だ。・・
 当然、スタッフさんの中には、
 出演者とエッチしているのもいたし、
 出演者たちは・・2周間に一度、日本に戻って・・
 彼女や彼氏と遊んでいる人も多数いた(p142)


・視聴者の皆様に楽しんでもらいたい
 そのために、自分の寿命を縮めながら毎日働いている・・
 確かに、テレビは話を捏造し、
 インタビューも偏った内容に作り替えたりする・・
 批判は当然。それだけの利権を抱えているので、
 批判してもいいと思う。
 でも、こう言った裏側を知らずに、
 ただ批判するのは間違っている
 と思うのが僕の意見だ(p147)


・民法は金儲けの株式会社・・・
 バラエティ番組は全て「やらせ」である・・・
 報道番組は皆さんが思っている以上に、
 現場の人間は真剣に作っているし、
 真剣にニュースを伝えようとはしている。
 しかし、そこには当然視聴率というものが
 存在するために、やおら煽っている内容や
 根拠となる数字やデータの希薄なものは
 基本的にただの「煽りだ」と思っていて
 問題ない。そもそも、ニュースだって、
 間にCMが入っている以上、
 視聴率を稼ぐためにやっているのだ(p191)


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■目次

序章 僕がこの本を書いたわけ
第1章 視聴者は客じゃない
第2章 メディアリテラシーって何?
第3章 僕のしたやらせ報道
第4章 繰り返された悲劇―『ほこ×たて』騒動
第5章 「やらせ」なんてものはなくなりはしない―テレビ番組の作られ方
第6章 日本の常識なんて世界では全く通用しない
第7章 テレビとの向き合い方
終章 リテラシーの力が世界を変える



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