「間抜けの構造」ビートたけし

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間抜けの構造 (新潮新書)

【私の評価】★★★★☆(81点)


■"間抜け"をテーマとして
 ビートたけしさんに
 インタビューした一冊です。


 "間抜け"といえば、
 単なるバカ。


 芸人がバカならネタになりますが
 政治家でも結構
 "間抜け"がいるから面白い。


 ビートたけしさんは、
 話のネタとして"間抜け"な話を
 集めていることがわかります。


・田中直紀元防衛大臣が・・
 参院予算委員会の最中に本会議場を抜け出して、
 議員食堂でコーヒーを飲んでいたというから、
 間抜けの極致(p15)


■そして、芸人にとって
 笑いを取れるかどうかは
 "間"しだい。


 二人でやる漫才は、
 二人の"間"ができるまで
 10年かかるという。


 芸人は口で稼いでいるので、
 何を言うのか、
 どう言うのか、
 どのタイミングで言うのか、
 常に考えていることがわかります。


・同じ相方とやってものになるまで
 十年は最低かかる・・・
 漫才の場合は、相手を変えてしまうと
 また一からやり直し。
 相方との"間"や呼吸が何より大事(p56)


■以外なところでは、新しい映画の
 制作を目指すビートたけしさんでも
 カメラさんや照明さんに協力して
 もらえないことがあったという。


 カメラさんや照明さんも
 それなりのベテランですから
 譲れないところがあったのでしょう。


 芸人ごときが映画監督として
 デビューするのですから
 抵抗勢力との主導権争いで
 苦労するのは当然なのです。


 たけしさん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・お笑い芸人というのは、出番のあるなし、
 オン・オフにかかわらず、常に「あいつは
 本当におもしろいやつなのか」という
 好奇な視線にさらされ、値踏みされる存在・・
 生き方そのものが問われるから、
 舞台以外の場所でどう振舞うか、
 というところで、きっちりと
 見られていると思った方がいい(p43)


・落語が上手いと言われている人ほど、
 この一連の動作の型が決まっているよね。
 お辞儀がきれいな人に
 落語が下手な人はいないと思う(p75)


・樹木希林さんなんて得意だよね。
 相手の芝居をつぶす演技をする。
 相手が熱演しているとするじゃない。
 それを樹木さんが「いや、まあだから・・」
 って受けて、相手の熱演をとめてしまう・・・
 「自分よりいい芝居したな」と思ったら、
 "間"を外す。相撲の立合いみたいだね(p137)


・あらゆる芸事というのは、
 客前でやらないと身につかない。
 三人の客でもいいから、
 その前でやるのとやらないのでは
 まるっきり違うから。つまり、
 実戦をやらないやつは一切ダメ(p84)


・ちょっと長めにしゃべりたいと思ったら、
 「私の言いたいことは二つあるんですよ」
 とやる・・その一つめは、すごく短くするの・・
 周りを油断させておいてから、「二つめ」に、
 自分が本当に言いたいことを長めに主張する(p92)


・自分の言いたいことを、
 相手に考える余裕を与えずに見せちゃうと、
 一方的な押しつけになる。
 でも、ある程度の"間"を与えれば、
 あるレベルの人は考えるから。
 それで「説明が少ない」とか言うバカは
 放っておけばいい(p139)


・上手な"間"でもって
 「・・これはうまいです」とだけ言えば、
 百人がうまいと思うのに、
 レポーターが説明すればするほど、
 客は離れていくものなんだ(p143)


・日本人というのは、それまでのルールを
 壊して新しいものを創ろうという意識が
 低いのかなと思うね。違うこと、
 新しいことをやってみようという気は
 あまりないんだ(p156)


・おいらはこう撮ってみたい」とかいろいろ言っても
 「それはあり得ない」「そんな撮り方は非常識だ」
 「それじゃ映画にならない」って結構抵抗があって、
 カメラマンも照明もなかなか言うことを
 聞いてくれなかった(p157)


・昔の銀座は、それなりに駆け引きも
 楽しめたんだけど、最近は・・・
 高級店と言われるところでも、
 客と寝るのが専門のやつがいて、
 そういう寝技専門部隊と高嶺の花が
 きれいに分かれちゃっている(p100)


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■目次

第1章 間抜けなやつら
第2章 "間"を制すもの、笑いを制す―漫才の"間"
第3章 お辞儀がきれいな人に落語の下手な人はいない―落語の"間"
第4章 司会者の"間"を盗め―テレビの"間"
第5章 いかに相手の"間"を外すか―スポーツ・芸術の"間"
第6章 映画は"間"の芸術である―映画の"間"
第7章 "間"の功罪―日本人の"間"
第8章 死んで永遠の"間"を生きる―人生の"間"



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