3一流の最近のブログ記事

悪党の金言 (集英社新書 475B)
足立 倫行
集英社
売り上げランキング: 191379

【私の評価】★★★☆☆(74点)


■世の中の一匹オオカミ。

 いろいろな本を出している
 個性的な8人をインタビューした一冊です。


■この中では、佐藤優さんと、溝口敦さんが
 他を引き離して、圧倒的な個性を
 出していました。


 特に佐藤優さんは知識だけでなく、
 物の見方が鋭いように感じます。

 スパイ大作戦ではありませんが、
 諜報の第一線で動いていた人ですから、
 肚の据わり方が違うのでしょうか。


・国連は、頼れません。The United Nationsはそもそも
 "連合国"と訳すべきで、日本は旧敵国です。
 国際社会の認識は100年やそこらで変わらない。(佐藤優)(p91)


■溝口敦さんについては、
 自分も刺され、編集者も怪我をし、
 息子も刺されているのに、
 今もヤクザものを書いているのは、
 すごいとしか言いようがありません。


■インタビューということで、
 相手のことをよく知っている人には、
 楽しめる本だと思います。

 逆にこの本をきっかけに、
 その人の本を読むとよいのでしょうか。

 足立さん、よい本をありがとうございました。


━━━━━━━━━━━

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・特に民放の番組は最悪です。テレビというメディア自体、
 物事を分析したり深く考えたりするのに適さないんじゃ
 ないかと思いますね。若い人がああしたバカ番組を毎日見る
 というのは、由々しき問題ですよ。(溝口敦)(p223)


・昭和天皇に関しては・・・いわゆる戦争責任の問題があります。
 ・・・「ない」という考え自体、昭和天皇に失礼だと思います。
 ・・・昭和天皇にとっては、「責任」という言葉は
 「文学上の綾」なんです。(保坂正康)(p25)


・「9条と自衛隊の矛盾に苦しむ」という
 不思議な病態を演ずることにより、日本は疾病利得として、
 世界史上例のない平和と繁栄を手に入れた。(内田樹)(p64)


悪党の金言 (集英社新書 475B)
足立 倫行
集英社
売り上げランキング: 191379
おすすめ度の平均: 5.0
5 足立さんだから出来たインタビュー
5 入党希望
5 本書は、世の大勢に流されず異議を申し立てる8人の個性派悪党たちへの実に面白いインタビュー集である
4 ハード・カバーではなく、新書版なので、お得感あり。
5 個性派揃いで面白い

【私の評価】★★★☆☆(74点)


■著者紹介・・・足立 倫行(あだち のりゆき)

 1948年生まれ。
 世界を放浪後、週刊誌記者などを経て、
 ノンフィクション作家となる。


■関連書評■

a. 「国家の罠」佐藤 優、新潮社
【私の評価】★★★★★


b. 「仕事師たちの平成裏起業」溝口 敦
【私の評価】★★★★☆


c. 「反転―闇社会の守護神と呼ばれて」田中 森一
【私の評価】★★★★★


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空気を読むな、本を読め。 小飼弾の頭が強くなる読書法 (East Press Business)
小飼 弾
イースト・プレス
売り上げランキング: 4009

【私の評価】★★★☆☆(72点)


■書評ブログで有名な小飼さんの
 一冊です。

 実は、小飼さんはエジソンのように
 親公認で中学校に行かず、自分で本を読んで
 勉強したそうです。

 一日50冊も読んでいるのですから、
 教科書を数ページ勉強する気には
 ならないのでしょう。


■テレビも新聞もいらない。
 本を読めばいい、
 それが小飼さんの考えです。

 私も同感ですね。


・テレビをダラダラ見続けてきたことで、
 どれだけの時間をドブに捨ててきたか。
 そちらのほうを悲しむべきです。(p24)


■これだけ読めば、食えないことは
 ないんだなと思いました。

 図書館の隣に住むしかありませんね。
 小飼さん、よい本をありがとうございました。


━━━━━━━━━━━

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・本が書かれた過去の時代のことを知らなければなりません。
 空気と言い換えてもよいかもしれません。
 空気は教室やオフィスではなく、本の行間で読みましょう。(p68)


・若いうちこそフィクションを読んでおく。
 当り外れがあってもたくさんの旅をしていれば、
 「こういう旅が自分の好みなのだ」「今回はこういう旅を
 してみよう」というのがだんだんつかめてきます(p92)


・必然性がないのに長尺化するというのは、読者をカモにしている
 だけです・・・英米の場合、出版社や編集者のほうから
 「もっと長くしろ」と作者にツッコミが入るそうです(p156)


空気を読むな、本を読め。 小飼弾の頭が強くなる読書法 (East Press Business)
小飼 弾
イースト・プレス
売り上げランキング: 4009
おすすめ度の平均: 3.5
3 情報系の人の読書法
5 具体的に行動することは素敵です。
4 本を読もう
3 「本を読め。」って主張する時代が、やってきた!
3 この新刊本が文庫本や新書になったときに購入をお勧めしたい

【私の評価】★★★☆☆(72点)


■著者紹介・・・小飼 弾(こがい だん)

 投資家、プログラマ、ブロガー、書評家。
 オン・ザ・エッジ(現ライブドア)の取締役だったことも。
 著書多数。


■関連書評■

a. 「「読書力」養成講座」小宮 一慶
【私の評価】★★★★☆

b. 「レバレッジ・リーディング」本田 直之
【私の評価】★★★☆☆


c. 「成功読書術」土井 英司
【私の評価】★★★★☆


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建築家 安藤忠雄
建築家 安藤忠雄
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安藤 忠雄
新潮社
売り上げランキング: 27192

【私の評価】★★★☆☆(77点)


■私は安藤忠雄という人を知りませんでしたが、
 一時流行ったコンクリート打ちっぱなしの
 家や建物が得意な人です。

 独学で建築家となり、インテリアから住宅、
 公共事業と範囲を広めていきました。


■事務所のスタイルは、
 スタッフ一人が一つの案件を担当し、
 それを安藤さんが指導していくという形です。

 非常に厳しく指導されているのが
 わかります。
 これを"しつけ"というのでしょうか。


・不注意なミスや、考え抜くという姿勢を放棄したような
 怠慢さが見受けられたり、現場との関係やクライアントとの
 関係づくりにずさんなところがあったりでもしたら、
 容赦なく怒鳴りつけてきた。(p15)


■その根本にあるのは、
 建物を設計することについての責任感です。

 ある程度自由に設計させてもらうけれども、
 それは自分の家であるくらいの思い入れをもって
 設計をするし、しなければならないということです。


・他人の資金で、その人にとって一生に一回きりかもしれない
 建物をつくるのだから、それなりの覚悟と責任が
 必要なのである。(p19)


■安藤さんは、苦難と失敗の連続であったと
 回想されています。

 それでも、それに立ち向かい、
 いくつかクリアしていくうちに
 業界の有名人となっていったのでしょう。

 安藤さんの生きざまに、
 この人は建物の設計が好きなんだなと
 感じました。

 安藤さん、よい本をありがとうございます。


━━━━━━━━━━━

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・つくった建物は自分のものだというくらいに思い入れが強かった分、
 つくった後のメンテナンスには責任を持った。
 休みの日などを使って、スタッフ全員を引き連れて一軒一軒見て回り、
 不具合を見つければ、すぐに対応を考える。(p238)


・学校教育には全く無頓着な祖母ではあったが、
 日常の、いわゆる"しつけ"については、極端に厳しかった。
 「約束を守れ、時間を守れ、うそをつくな、言い訳をするな」(p33)


・木工所の親方は「木にも性格があり、
 いい方向に伸ばしてやらなければならない」
 と言いながら、十年一日のごとく木を削っていた。(p35)


建築家 安藤忠雄
建築家 安藤忠雄
posted with amazlet at 10.02.19
安藤 忠雄
新潮社
売り上げランキング: 27192
おすすめ度の平均: 5.0
5 安藤さんのパワーに圧巻
5 職業人として、自分たちは社会に対して何が出来るのかを考えさせられる
4 すごい人はすごい、そう考えさせられる「建築家 安藤忠雄」
5 流石でございます。
5 強かなたくましさ

【私の評価】★★★☆☆(77点)


■著者紹介・・・安藤 忠雄(あんどう ただお)

 1941年生まれ。建築家。
 独学で建築を学び、1969年に建築研究所を設立。
 イェール大、コロンビア大、ハーバード大客員教授。
 1997年東京大学教授、2003年名誉教授。
 

■関連書評■

a. 「高学歴大工集団」秋元 久雄
【私の評価】★★★★☆

b. 「千年、働いてきました」野村 進
【私の評価】★★★★☆


c. 「プロは逆境でこそ笑う」西田 文郎、喜多川 泰 他
【私の評価】★★★★☆


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宿澤広朗 運を支配した男
加藤 仁
講談社
売り上げランキング: 864
【私の評価】★★★☆☆(72点)


■ラグビー日本一からラグビー日本代表監督、
 さらに銀行マンとしても住友銀行の
 トップになろうとした男がいました。

 宿澤 広朗です。


■常に一流の道を歩いてきた
 宿澤の人生は一見、運が良いように見えます。

 しかし、ラグビーのスクラムハーフのポジションでは
 すごい量のパスの練習を繰り返している。

 日本代表監督としては、相手の戦力・戦法を
 徹底的に収集・分析している。

 銀行マンとしては、
 負けない為替ディーリングのために
 社外からの情報収集に努力しているのです。


■私には、宿澤さんの考え方が
 一番心に残りました。

 単なる精神論でなく、
 具体的なプロフェッショナルとしての努力を求める姿勢。
 そして、それを自分だけでなく、
 周囲にも求める精神力です。


・本当に必要なことは"絶対に勝て"ということより
 "どうやって"勝つのかを考えて指導することであり、
 "がんばれ"というなら"どこでどのように"具体的に
 かつ理論的に"がんばるのか"指示することではないだろうか(p23)


■この本を読んでも『努力は運を支配する』と言った
 男の本質のすべてはわからないでしょう。

 しかし、『努力は運を支配する』を実行した
 男の存在は知ることはできました。

 本の評価としては、★3つとします。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・偉いひとの前では、言いきらなければならない。
 ああでもない、こうでもない、と自信なさそうに言うと、
 信頼されない。(p131)


・新聞の経済面にしても・・・そこにある市場情報の送り手は
 自分たちであり、記事は"過去"をなぞったにすぎない、と
 宿澤は同僚に語っていた(p153)


・組織の力を強化するには、個々の能力をより上手に活かすことです。
 そして、スペシャリストといえる人材のなかから
 リーダーを育てるというのが、
 私はもっとも正しい方法ではないかと考えています。(p196)


▼引用は、この本からです。

宿澤広朗 運を支配した男
加藤 仁
講談社
売り上げランキング: 864
おすすめ度の平均: 4.5
4 人間の幸不幸の量はみんな同じ??
5 スーパースター宿沢
4 宿澤広朗 運を支配した男
4 幸せだったのかなぁ
3 ラグビーの話を期待すると......

【私の評価】★★★☆☆(72点)


■著者紹介・・・加藤 仁(かとう ひとし)

 1947年生まれ。
 出版社勤務を経て、ノンフィクション作家。
 3000人以上の定年退職者を取材。
 著書多数。


─────────────────

■関連書評■

a. 「最強のコーチング」清宮 克幸
【私の評価】★★★★☆

b. 「村井勉の辞めるヤツは教育しない」村井 勉
【私の評価】★★★☆☆

c. 「元気と勇気が出る仕事術」樋口 廣太郎
【私の評価】★★★☆☆

d. 「史上最短で、東証二部に上場する方法。」野尻 佳孝
【私の評価】★★★☆☆


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自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝
【私の評価】★★★☆☆(74点)


■化学や物理の教科書には、
 体の骨格や方程式が羅列されていますが、
 これらはすべて、
 先人が苦労して発見してきたものです。

 この本では、そうした先人の
 命をかけた実験や研究を知ることができます。


■自らの体を実験台として睡眠ガスを吸ってみる。

 蚊が黄熱病を伝染させることを証明するために、
 黄熱病に感染した蚊に自分の血を吸わせる。

 すべて命懸けの実験です。


■フグにしろ、ホヤにしろ、
 最初にそれを食べた人がいたということ。

 この本で、そうした危険がいっぱいの未踏の地に足を踏み入れた
 先人の思いを感じることができれば、
 物理も化学も楽しくなってくるような気がしました。

 本の評価としては★3つとします。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・麻酔がなかった頃の人たちはどうやって抜歯の痛みに
   耐えていたのだろう。じつはほとんどの人が抜歯など
   しなかった。歯を抜く痛みより歯痛のほうがましなので、
   虫歯になろうと歯が折れようと、ひたすら我慢していたのである(p40)


▼引用は、この本からです。 

自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝
レスリー デンディ メル ボーリング C.B. モーダン
紀伊國屋書店
売り上げランキング: 29449
おすすめ度の平均: 4.5
4 自分を実験台にして、ちょっと真似できないことした人たちの話です
5 役に立つ人体実験
5 自分を実験台にする科学者の崇高さとは・・
4 すごい科学者がこんなにいるのだ
5 我が人生にエッセンスを

【私の評価】★★★☆☆(74点)


■著者紹介・・・レスリー・デンディ

 米国ニューメキシコ大学で生物学と化学を教えている。


■著者紹介・・・メル・ボーリング

 中学・高校の教師。


─────────────────

■関連書評■

a. 「天才エジソンの秘密」ヘンリー幸田
【私の評価】★★★★☆

b. 「アップルを創った怪物」スティーブ・ウォズニアック
【私の評価】★★★★☆

c. 「考える力やり抜く力私の方法」中村修二
【私の評価】★★★★★


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オシムが語る
【私の評価】★★★☆☆(73点)


■二人のオーストリア人ジャーナリストが
 元サッカー日本代表オシム監督の発言を紹介していく一冊です。


■オシム監督の第一印象は、
 非常に冷静、分析的であること。

 そして、仕事の上では
 プロフェッショナルであることを
 求めているということです。


  ・『何でも自分の頭で考えて決めろ』と
   子ども時代から言われていたからね。
   今は私が選手たちに、いつもそう言い聞かせているわけだが(p26)


■オシムの考えるプロとは、
 周囲の賞賛、批判に左右されず
 常に自分を向上させようとする人です。

 そこにプロとしての進歩が
 期待できるのでしょう。


  ・「負けた後の葬式みたいなムードだけは、まるで理解できない」
   とオシムは言う。「いつだって、なぜ負けたか、
   自分で理解することが大切なのに」(p177)


■オシム監督は分裂したユーゴスラビア出身のため
 半分は政治に関係するものでした。

 やはりオーストリア人ジャーナリストには、
 その点に興味があるのでしょうか。


  ・統一の当初、旧東ドイツの人々にはすべてが約束されていた
   はずなのに、今では彼らは、いわば二等国民にされてしまった。
   ・・・身に降りかかったのは失業というわけだ。(p209)


■等身大のオシム監督を表現しようと
 しているように感じました。

 欧米の人はこうした書き方をするのだ、と
 参考になる一冊です。
 本の評価としては★3つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・この頃は確かに情報が豊かになったが、
   その情報も操作されていることに気付いていない人が多いね。
   ・・・自分の頭で考えたことより、聞いたこと、
   読んだことのほうを信じているようだ。(p184)


  ・オシムは自分のオフィスというものを持ったことがない。
   職場はいつも芝の上と練習場とスタジアム。(p49)


  ・セレクションシステムは全国規模で展開すべきだ。・・・
   才能あるプレーヤーを発掘できるか否かを偶然任せに
   してはいけない(p223)


  ・ポジティブに考えるのは結構なことだ。だが、
   この世の中には、ポジティブに考えるチャンスさえない
   人がたくさんいる。病気、貧しさ、搾取、戦争のせいで・・・(p172)


▼引用は、この本からです。 

オシムが語る
オシムが語る
posted with amazlet at 09.07.09
シュテファン・シェンナッハ エルンスト・ドラクスル 小松 淳子 木村 元彦
集英社インターナショナル
売り上げランキング: 129192
おすすめ度の平均: 5.0
5 いよいよ、オシムのファンになってしまった
5 オシム監督の考え方が分かりました
4 オシム前史
5 "down-to-earth"なオシム氏の人生哲学が良く分かる

【私の評価】★★★☆☆(73点)


■著者紹介・・・シュテファン・シェンナッハ

 1965年オーストリア生まれ。
 ジャーナリスト。緑の党スポークスマン。
 オーストリア連邦議会議員。
 ウィーン在住。


■著者紹介・・・エルンスト・ドラクスル

 1961年オーストリア生まれ。
 フリージャーナリスト。
 97年から「トレッフプンクト・ケルンテン」誌の編集を担当。
 98年ワールドカップでは「スタンダード」誌W杯別冊を執筆。


─────────────────

■関連書評■

a. 「オシムの言葉」木村元彦
【私の評価】★★★★★

b. 「察知力」中村 俊輔
【私の評価】★★★★★

c. 「中田語録」中田 英寿
【私の評価】★★☆☆☆


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天馬の歌 松下幸之助 (新潮文庫)

【私の評価】★★★☆☆(78点)


■松下幸之助、幼少の頃から
 昭和36年に社長を引退し、会長に就任する頃までの
 お話です。

 火鉢屋、自転車屋、大阪電灯、そして独立と、
 エピソードとともに、松下幸之助の人生を
 味わうことができました。


  ・これからは電気の時代やて思います。電灯から電車、電信・・・
   電気代もドカンとさがって・・・僕、電気のこと何もわかりまへんけど、
   これからは電気の時代やと、思うとります(p113)


■松下幸之助はよく「運がいい」「私には私の道がある」
 などと言っていますが、
 この本を読んで、そう思わざるをえない人生であった
 のだと思いました。

 両親が他界し、七人いた兄弟姉妹も
 すべて病気で他界しているのです。

 そして、自分自身も病弱であり、
 いつ死んでもおかしくない状況だった。

 自分は生きている間に何ができるのだろうか、
 と考えていたと思うのです。


  ・「僕には強い運がついちゃある」幸之助は、そう信じ、
   それを言葉にして語った。(p120)


■ですから、「自分は生かされている」
 「自分の人生の使命はなんなのだろうか」
 と考えていたのではないでしょうか。

 そうした松下幸之助が経営者として、
 「生産活動による貧乏の撲滅」を使命として確信したとき
 そこに相手を失神させてしまうほどに叱る強さを
 持てた理由のような気がしました。


  ・人が叱っているとき、相手が腹の中で笑うような
   叱り方ではいけない。いっぺん叱ったら、
   いつまでも効くような叱り方でなければならない。(p303)


■たんたんと松下幸之助の人生を仮想体験し、
 エピソードを感じるには良い本だと思いました。

 本の評価としては、★3つとします。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・幸之助は、この店番の時間が愉しみであった。
   幸之助は、表戸を閉めるまでの二時間ちかく、冬なら火鉢にもたれて、
   すきな講談本を夢中になって読みふけった。(p93)


  ・われわれの事業経営もまた、
   人間としての生活に必要な物資を生産する、
   聖なる事業ではないやろか(p313)


  ・十年も十五年も電池づくりをしていた君が、
   なぜ電池の気持ちがわからんのや。モノというものは、
   目の前に置いてにらめっこしたり、撫でてやったりすると、
   そっと話しかけてくるものや。(p359)


▼引用は、この本からです。

天馬の歌 松下幸之助 (新潮文庫)
神坂 次郎
新潮社
売り上げランキング: 187382

【私の評価】★★★☆☆(78点)


■著者紹介・・・神坂 次郎(こうさか じろう)

 1927年生まれ。
 82年「黒潮の岸辺」で日本文芸大賞、
 87年「縛られた巨人-南方熊楠の生涯」で大衆文学研究賞。
 著書多数。


─────────────────

■関連書評■

a. 「そう考えると楽ですね-松下幸之助との日々」岩井 虔
【私の評価】★★★★☆

b. 「松下幸之助の実践心理術」赤塚行雄
【私の評価】★★★★★

c. 「「松下幸之助」運をひらく言葉」谷口全平
【私の評価】★★★★☆

d. 「松下幸之助とその社員は逆境をいかに乗り越えたか」唐津 一
【私の評価】★★★☆☆

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昭和のロケット屋さん―ロケットまつり@ロフトプラスワン (Talking Loftシリーズ)

【私の評価】★★★☆☆(79点)


■また北朝鮮がロケット発射の準備をしているようですが、
 この本では日本におけるロケット開発のウラ話を
 聞くことができます。

 ロケット開発は「軍事力」と密接に関係しており、
 防衛省との関係や、アメリカからの圧力など
 現場の人の話はやはり面白いですね。


■ロケットの歴史は、プロジェクト失敗の歴史でもあるわけで、
 この本でプロジェクト・マネジメントを
 学ぶことができます。

 まずは、各部門のコミュニケーションです。

 部門内だけでなく、部門外との
 情報交換のやり方を見るだけで、
 プロジェクトの成否がわかるといいます。


  ・あれを始めた時にですね、どこで誰がやっているのか、
   現場のみんなに知らされなかったんですね。・・・で、
   「そんなやり方してたら、ロケットはきっと失敗しますよ」
   って私が言った。(林)(p186)


■そして、次の技術の伝承です。

 やはりマニュアルやOJTで伝えていくことになるのですが、
 最も怖いのは、「慣れ」だというのです。

 「慣れ」とは「過信」なのかもしれませんが、
 そこから事故が起ってくるというのです。


  ・最初のうちは不慣れですから手順書に近い状態でやるわけです。
   ですから、これを見ながらやっているうちは大丈夫なんです。
   ・・・慣れてきてドライバーを事前に用意しなくなる。・・・
   そういうところが忘れられると、必ず事故を起こす。(p194)


■よくある「失敗学」の本よりも
 実のある一冊でした。

 プロジェクトマネジメント、失敗学に興味のある方には、
 最適の一冊だと思います。
 本の評価としては、★3つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・いいこと、悪いこと、みんな人間がやっているんですよ。
   ・・・ですから、どんな人間がやっているか、どんな人間関係の
   中で作っているかで、このロケットは成功するとか失敗するとかが
   なんとなくわかるんです。(林)(p206)


  ・失敗の原因を追究していけば、次にはちゃんとできるんですけどね。・・・
   日本はどうしてもそういう点がダメで「原因の追究」じゃなしに
   「責任を追及」をする人が多いもんですからね。(垣見)(p213)


▼引用は、この本からです。

昭和のロケット屋さん―ロケットまつり@ロフトプラスワン (Talking Loftシリーズ)
林 紀幸 垣見 恒男 松浦 晋也 笹本 祐一 あさり よしとお
エクスナレッジ
売り上げランキング: 191623
おすすめ度の平均: 5.0
5 宇宙研のロケットの舞台裏

【私の評価】★★★☆☆(79点)


■著者紹介・・・林 紀幸

 1940年生まれ。
 1958年に東京大学生産技術研究所の糸川研究室に就職。
 技官として「ロケット班長」などを務める。
 2000年退職。430機のロケットを打ち上げる。


■著者紹介・・・垣見 恒男

 1928年生まれ。
 陸軍士官学校に入校するも、終戦で退学。
 東京大学第一工学部へ進学。
 富士精密に入社し、ロケット開発に参加。
 以後、ロケット設計を行う。


─────────────────

■関連書評■

a. 「目標を突破する実践プロジェクトマネジメント」岸良 裕司
【私の評価】★★★★★

b. 「マネジメント改革の工程表」岸良 裕司
【私の評価】★★★★☆

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覚悟のすすめ (角川oneテーマ21 A 87)
【私の評価】★★★☆☆(79点)


■今シーズン、ホームランを量産している
 阪神タイガーズのアニキこと、金本選手の一冊です。


■41歳にしてホームランを量産している金本選手ですが、
 プロに入団当初は、非力で長打が打てず、
 プロを辞めようと思っていたそうです。

 自分の非力さを自覚した金本選手は、
 それを克服するためにウェートトレーニングを始めます。

 トレーニングの効果が出てきた3年目になって、やっと
 レギュラーの地位を確保することができたそうです。


  ・人から薦められたり、自分でいいと思ったりしたことは、
   素直に受け入れ、試してみる。・・・かつての日本の
   プロ野球界では筋力トレーニングはご法度とされていた。(p55)


■この本を読んで、金本選手の印象は、
 「素直」と「自立」です。

 力がなければ、トレーニングをする。
 「戦う」姿勢が見られなければ、叱る。
 精神力が必要であれば、護摩行をやってみる。

 また、星野監督時代、多くの選手が、星野監督が怖くて
 真面目にプレーしていた中で、
 金本選手は、真面目に全力でプレーすべきだから
 真面目にプレーしていたようです。


  ・腹が立つというより、がっかりした。・・・
   全力でプレーしていたのは、結局星野さんが怖かったから
   だったんだな・・・怒られるのが怖いからやるなんて、
   犬と変わらない。(p159)


■金本さんのファンには、
 買わずにいられない一冊でしょう。

 この本を読まずして、
 金本を語ることなかれ。

 本の評価としては、★3つとしました。
 (私はタイガースファンではないので・・・)


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・いつも数年先を見据え、より高い目標を掲げてきたから
   努力 - それを努力と呼ぶならの話だが - を継続する
   ことができたのだと思う(p59)


  ・私は、日頃の準備が非常に大切だと思っている。
   私のいう準備とは、「覚悟」といいかえてもいい。
   (p144)


▼引用は、この本からです。

覚悟のすすめ (角川oneテーマ21 A 87)
金本 知憲
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4 予言する。今シーズン金本は三冠王になる!!!
5 本書をくれた友人の気持ちが分かった
4 「鉄人」であり続ける為の精神論
3 ファン故に。
5 新世紀の鉄人

【私の評価】★★★☆☆(79点)


■著者紹介・・・金本 知憲(かねもと ともあき)

 1968年生まれ。広陵高等学校、東北福祉大学。
 91年ドラフト4位で広島東洋カープに入団。
 2000年史上7人目の3割30本30盗塁以上を達成。
 02年オフにFA宣言し、阪神タイガースに移籍。
 アニキ、鉄人という愛称でファン多数。


─────────────────

■関連書評■
a. 「イチロー思考」児玉光雄
【私の評価】★★★★★

b. 「敵は我に在り」野村 克也
【私の評価】★★★☆☆

c. 「不動心」松井 秀喜、新潮社
【私の評価】★★☆☆☆


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マリア・カラス・コンクール―スカラ座への道 (講談社文庫)

【私の評価】★★★☆☆(72点)


■イタリアにおけるオペラ最高峰のコンクール。
 20世紀最高のソプラノ歌手といわれるマリア・カラスの
 名を冠した「マリア・カラス・コンクール」が、
 3年間に一度、開催されています。

 1990年、その最終選考の会場に
 一人の日本人が立っていました。

 中丸 三千繪は、400人もの参加者の中から、
 予選を戦い、最終選考の12名に選ばれたのです。


■日本であれば美空ひばりコンクールのような
 イタリアの国民的なお祭りであり、
 イタリア人によるイタリア人のためのコンクールです。

 「マリア・カラス・コンクール」は過去に3回開催されましたが、
 1回目、2回目の優勝者はイタリア人、3回目は該当なしでした。

 中丸 三千繪は、優勝がいかに難しいのか、
 いかに不可能に近いことなのか十分理解していました。


  ・フィレンツェで生まれたオペラは、
   ローマへ伝わり、その後、十七世紀にヴェネツィアに伝わって、
   ここで民衆の楽しみとして開花しました。(p35)


■1987年、オペラを本格的に勉強するために
 イタリア・ミラノに単身で渡り、
 先生を訪ね、レッスンを受け続けました。

 毎日のレッスンで、背中は筋肉痛、
 横隔膜を激しく使うため、内臓が興奮して、
 冷たいものを食べないと眠れないほど。

 すべてを歌にささげるような、
 生活を送ってきたのです。


  ・往復五時間かけてモデナに行き、ポーラのレッスンを受け、
   ミラノにもどって晩にはシミオナートのレッスン、そして
   プールで泳ぎ、近くの公園をジョギングする・・・
   友人にも会わず、ひたすら音楽だけの生活です。・・・
   狂ったように練習に明け暮れました。(p146)


■「マリア・カラス・コンクール」の最終選考では、
 気持ちよく歌えた満足感と、優勝できるのだろうかという
 複雑な気持ちで発表を待ちました。

 その結果は・・・マリア・カラス賞(優勝)!!


■やはり才能も大切ですが、
 努力する才能も必要なのだなと
 感じさせてくれる一冊でした。

 本の評価としては、★3つとします。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・方法論として十個のタイプの表現方法が自分の中にあるとすると、
   その十個の表現をすべて完璧にできるように練習しておくのです。
   それというのは、本番で歌っている間に、突然、別の表現方法が
   浮かんできたりする(p47)


  ・先生はよくいわれたものです。
   「あなたはどんなものでも歌える。あなたは思いどおり歌えるのだから、
   そんなに心配しないで。できるのだから大丈夫・・・」
   私は先生の言葉を呪文のように復唱しました。(p54)


  ・ウィーン国立歌劇場で「椿姫」のリハーサルの最中に
   マリア・カラスがカラヤンに向かって、
   「だったら、『椿姫』はあなたがお歌いになれば」
   といってその場を立ち去り、二度と劇場にもどってこなかった(p244)


▼引用は、この本からです。

マリア・カラス・コンクール―スカラ座への道 (講談社文庫)
中丸 三千繪
講談社
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おすすめ度の平均: 4.5
4 世界の歌姫 その誕生秘話
5 世界の歌姫と呼ばれるまでの、中丸三千絵さんの半生から、夢を持つことの大切さ学びました!
5 歌に生きる

【私の評価】★★★☆☆(72点)


■著者紹介・・・中丸 三千繪(なかまる みちえ)

 1960年生まれ。
 桐朋学園大学声楽科へ進み、1985年同大学研究科修了。
 在学中、ジュリアード音楽院、ザルツブルク・モーツァルテウム音楽院に留学。
 1986年小澤征爾指揮/日本フィルでデビュー。
 1987年よりミラノ在住。
 1988年ルチアーノ・パヴァロッティ・コンクールで優勝。
 1989年フランチェスコ・パオロ・ネリア・コンクール優勝。
 1990年第四回マリア・カラス国際コンクール優勝。


─────────────────

■関連書評■
a. 「成道のアヴェ・マリア」川畠 正雄、講談社
【私の評価】★★★☆☆

b. 「地球大予測2オーケストラ指揮法」高木 善之
【私の評価】★★★★☆


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