「ウォルト・ディズニー 創造と冒険の生涯 完全復刻版」ボブ・トマス
2021/08/21公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(73点)
要約と感想レビュー
アニメ会社を乗っ取られる
ウォルト・ディズニーの生涯は、絵を描きたい、マンガを書きたい、アニメにしたい、音声を付けたい、カラーにしたい、という自分のやりたいことを追求した人生のように見えました。
もちろん途中でお金がなくなり、最初に設立したアニメ会社を清算したり、配給会社から安く買い叩かれたり、アニメ会社を乗っ取られたりしています。こうした痛い目に会ったからこそ、ディズニーは作品の著作権に非常に厳しい方針を持っているのです。なお著作権についは、チャップリンからの助言もあったようです。
チャップリンはウォルトを励まして、「君はもっと伸びる。君の分野を完全に征服する時がかならず来る・・・だけど、君が自立を守っていくには・・・自分の作品の著作権は他人の手に渡しちゃだめだ」(p134)
アニメ制作はリスクの高い事業
アニメ制作は非常にリスクの高い事業でした。ヒットすれば儲かりますが、当たらなければ破産しかねないのです。金の心配をするあまり、ウォルトは怒りっぽくなり、急に泣き出したり、ときにぼーっとしたり精神症になってしまいました。
それでもウォルトは長編アニメ「白雪姫と七人のこびと」「バンビ」を成功させ、スタジオをどんどん大きくしていきました。ところが第二次世界大戦で経営が急速に悪化しました。そこで、はじめてウォルトは一般向けの株式発行を行い、さらに制作費のコスト削減により乗り切るのです。
僕は、ただの金儲けをするなんて退屈な話だと、ずっと思ってきた。僕は常に何かをしていたい。何かを作っていたい。そして、どんどん先に進みたいんだ(p290)
アニメの収入で遊園地を作る
戦後1950年代に入ってスタジオの経営が安定してくると、ウォルトは遊園地を作るというアイデアを実行しはじめます。ディズニーランドは子どもだけを相手に作るのではなく、親が子ども連れで来られるところ、大人どうしで来て楽しめるところを目指したのです。
「ディズニーランド」の建設です。資金調達で銀行とやりあい、資金が不足すればテレビ局から番組制作と引き換えに金を引き出したのです。これは仕事ではなく、最高の娯楽を作ろうとする道楽でしょう。ウォルト・ディズニーのやりたいことを実現化させようという意思の力に驚きました。
トマスさん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・彼はいつも最高のものを期待したし、それを手に入れるまでは情け容赦しなかった。彼の鋭い想像力が仕事仲間をむりやり目標に駆りたてたと言っていいだろう(p44)
・ウォルトはマーク・トウェインを片っぱしから読んだ・・・立志伝や・・冒険シリーズに夢をふくらませ、スティーブンソン、スコット、ディケンズなども夢中で読みふけった(p62)
・このパークは、僕にとってとても重要な意味をもっている。これは永遠に完成することのないもの、常に発展させ、プラス・アルファを加えつづけていけるもの、つまり生き物なんだ(p259)
【私の評価】★★★☆☆(73点)
目次
プロローグ
第一部 中西部時代(1901─1923年)
第二部 漫画づくり(1923─1934年)
第三部 アニメーションの新世界(1934─1945年)
第四部 広がる地平(1945─1961年)
第五部 そして、夢─(1961─1966年)
あとがき
著者経歴
ボブ・トマス(Bob Thomas)・・・1922年カリフォルニア州サンディエゴ生まれ。UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)に学ぶ(1939~1943年)。AP通信社のハリウッド・コラムニスト、『Action』誌の編集長をへて、ハリウッド映画界についてラジオ・テレビ解説にも出演。フル・ネームはロバート・ジョーゼフ・トマス。ロサンゼルス在住
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