「創造の狂気 ウォルト・ディズニー」ニール・ガブラー
2012/02/14公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(77点)
要約と感想レビュー
ウォルト・ディズニーの人生を600ページに記録した一冊。伝記というよりも、経歴調査書といった趣きで、読み疲れました。
子どもの頃のウォルト・ディズニーの様子からアニメビジネスの戦いまでが記録されており、ウォルトは学生時代は、勉強せずに夢見る子供でした。見方を変えれば妄想狂、ビックマウスでしょうか。
・ウォルトにとって学校は二の次であり、熱心な生徒とはいえなかった・・・自分で自分を「夢見る人」と呼んでいた。(p29)
この本から、ウォルト・ディズニーは、アニメーターであったことがわかります。日本でいえば宮崎駿のようなものです。自分でアニメを書いて、吹き替えもする。
人間性としては、ウォルトはスティーブ・ジョブズ、宮崎駿に共通するところがあると思いました。それは、完璧を求める過剰なまでの執着心があることです。目的のためには、鬼と言われようが、嫌われようが、破産しようが関係ないのです。結果して、素晴らしい作品が完成するのです。
・「ディズニーが成功したのは、彼が金に執着しなかったからだ」とアニメーターのウォード・キンボールは強調する。「ひたすら彼は、楽しめるもの、誇れるものを創ろうとしてきた」(p177)
ウォルト/ディズニーの最初の会社は、破産しています。再建後も、ビジネスが大きくなってくると、取引先の裏切り、資金難、従業員との確執等で、ウォルト・ディズニーもイライラし、人を罵倒し、うつ病になることもありました。
それでも、次々と作品を作り出してきた中で、今日のウォルト・ディズニーがあるのです。こうした決して諦めないキチガイがいないと、素晴らしいものは創られないのかもしれませんね。
ガブラーさん、よい本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・失業中のウォルトのところに国勢調査員が訪ねてくると、彼は職業を「商業美術家」と答え、ついで将来の夢である「漫画家」と訂正した(p55)
・ラフォグラムの破産で逞(たくま)しくなり、決然とし、失敗に鍛えられたとも述懐している(p86)
・まだカンザスシティにいた頃、ウォルトは友人と一緒にアミューズメント・パークの電気公園を訪ねると、「いつかはこんな公園を造るんだ。絶対に実現するんだ!」と言ったという(p425)
・ウォルト・ディズニーは麦藁帽子にけばけばしいスポーツシャツを着て、工事現場を隅々まで歩きまわり、労働者を叱咤激励し、夢の実現を目指して細かく指示した・・・休憩所のテントの中で労働者と一緒にホットドックを食べた(p464)
・「わたしたちは仕事のために雇うのではない。ここは単なるパークではなく、いわばセットであり、チケット売り、乗り物の操縦士、ツアーガイドなどと、それぞれの舞台での役割に応じて訓練する・・」と、訓練係長のアースデール・フランスは言っていた。(p466)
・ウォルトは常に行動を必要とし、摩擦・軋轢さえも必要とした。「わたしはプロジェクトなしではいられない。なにか動いているものが必要なんだ」とウォルトはオリー・ジョンソンに語っている(p499)
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【私の評価】★★★☆☆(77点)
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自宅が浦安にあり、ウォルトのねずみの国の
目と鼻の先に住んでいます。
創造の狂気、確かに狂気だったのだと思います。
あれだけ人をひきるつけるようなものを作り上げる人は、
ちょっとすごい程度の人では絶対なし得ず、
かなりすごい人だといつも思っていました。
なので、狂気と称されることに、とても合点がいき、
ぜひ、気になる本として、チェックしておきたいと思いました。
いい本を紹介いだき、ありがとうございました。