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「炎の経営者」高杉 良

2012/02/13公開 更新
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炎の経営者 (文春文庫)

【私の評価】★★☆☆☆(67点)


■この本の「炎の経営者」とは、
 戦後、日本触媒化学工業(現・日本触媒)を創業した
 八谷 泰造(やたがい たいぞう)です。


 多くの会社が、アメリカの技術を輸入するなか、
 日本触媒は自社技術で工場を建設していきます。


 こういう人が、
 日本には出てくるのですね。


・おまえたちは、決して安易な途を歩いてはいけん
 安易な途を行こうとすれば、必ずこの償いは、
 あとでその何倍か自分でしなければならんからのう・・
 自分で自分の進むべき途を切り拓いて行かないけんのじゃ(p423)


■戦後は、とにかく資金がない。
 日本触媒は日本開発銀行から融資を
 受けています。


 資金さえ確保して、
 生産すれば売れる時代だったのでしょう。


 資金はあまるほどあるのに、
 儲かる仕事がない現代との差に
 驚きました。


・ええか。肩書きは相手が上でも、
 同じ人間なんじゃから、堂々と胸を張っていけ。
 カネを借りるんじゃのうて、カネを借りてやるという
 気持ちで会うんじゃ。ひるんだらいけん。
 卑屈になるくらいなら行かんほうがええでのう(p135)


時代により求められる経営者の能力は
 違う
んだろうな、と感じました。


 カネも技術もない時代。
 カネも技術もある時代。
 それぞれ求められるものが違うのです。


 高杉さん、
 よい本をありがとうございました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・食うや食わずの時代だから、
 生きるためにヤミをやるのは仕方がないが、
 儲けるためにヤミをやることは良心が
 ゆるさなかった
のである(p40)


・見合い結婚は理にかなっとるように思うがのう。
 初めに愛情ありきでなければ気がすすまんというのも
 理想論としてわからんではないが、見合いから始まって
 だんだん愛情をはぐくんでいくのも悪うないと思うが・・・
 (p150)


炎の経営者 (文春文庫)
高杉 良
文藝春秋
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【私の評価】★★☆☆☆(67点)


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