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「「復活」の超発想」糸川英夫

2021/03/14公開 更新
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「「復活」の超発想」糸川英夫


【私の評価】★★★☆☆(72点)


要約と感想レビュー

 本書は1992年というバブル景気が下降し、日本の失われた30年がはじまった頃の一冊です。糸川さんの面白いところはタイトル通り発想があちこちに飛んで、違う視点を教えてくれるところです。


 コンドラチェフの景気の循環を説明したかと思えば、なぜ、なぜと本質を考えることが大切という話になり、「遊び」の役割も大事だよねと話が飛ぶのです。


 科学者だけあって「どうしてこうなのだろう?」という疑問から本質に迫り、本質がわかれば進む未知がわかるという発想になっています。


 例えば、戦闘機の設計をするときには、戦闘機とは何のためにあるのか、どうあるべきか、2年間も考え続けたのだという。その結論は、戦闘に勝つことももちろんだけれども、パイロットを守るものであるという機能があるとわかったという。


 戦時中には特攻隊には反対し、無人機や誘導ミサイルの開発を主張したのもなぜ特攻隊が必要なのか、考え抜いたたからなのでしょう。特攻隊の目的が、確実に命中させることであるならば、人が操縦しなくても機械が操縦できるならそれで良い、というわけです。


 商品弾性率という経済の話から、ミトコンドリアや大腸菌という生物学の世界まで話が飛ぶのが天才らしくて面白いのです。


 糸川さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・昭和18年(1943年)。日本が、いわゆる太平洋戦争に突入して二年目ごろのこと、特攻隊をつくろうという話が持ち上がった。私はその案に反対し"ミサイル"をつくることを主張した・・・つまり誘導弾や無人機である(p26)


・アラブ語とヘブライ語だけは、モーゼの時代から右はじまりの左向き・・・記録に残す必要があるので、石に刻むからだ・・・右手にハンマーを持てばしぜんに右から左へ打ち込むようになる(p49)


・石に刻む文化と紙に記す文化・・・コンピュータのメモリなど使っている民族の記録は、ぜいぜいもっと50年・・・どこかでメモリーを拾っても、その使い方がわからなければ言語化できないから、民族の記録は消えていく(p50)


・戦闘機の設計に携わった・・・なぜ戦闘機をつくろうとしているのかが問題・・・戦闘機は、なぜ存在するのか?たしかに闘うためではあるけれども、なによりまず、戦闘機を操縦するパイロットの命を守るものでなければならないのではないか?(p36)


・敗戦直前まで、もっとも戦争に協力し戦争を熱心に鼓吹(こすい)していた人々が、日本が負けたとわかった瞬間から、こういい始めた。「俺は、ほんとうは最初から戦争に反対だったんだ。ところが、おまえたちが『やれ、やれ!』っていうから、仕方がなくやっただけさ・・・(p87)


・商品弾性率・・・商品には、所得がちょっと増えればすぐに買うものと、大幅に増えてもあまり買わないものがある。所得が三倍になったからといって、炊飯器や鍋や皿などをただちに三倍も買ったりはしない(p155)


・世界的な所得の平準化・・・クラブで50万円とか70万円とかを払うお金が日本人にあるならば、そうした過剰な所得を"資金"として、まだ生活必需品さえままならずに生きている世界の多くの地域、人々に回せないか(p176)


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▼引用は、この本からです
「「復活」の超発想」糸川英夫


【私の評価】★★★☆☆(72点)



目次

第1章 「特異点」が世界を駆けめぐる
第2章 大量消費型社会を去る日
第3章 新しい商品系の論理を探る
第4章 「T・A(トランス・エージェント)社会」への扉を開く
エピローグ 地球問題へ―本格科学の立ち上がり


著者紹介

 糸川 英夫(いとかわ ひでお)・・・・日本の工学者。(1912年7月20日生まれ、1999年2月21日没)専門は航空工学、宇宙工学。ペンシルロケットに始まるロケット開発で「ロケット開発の父」と呼ばれる。1967年、東大を退官し組織工学研究所を設立。


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