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「解釈『空(くう)』の宇宙論―驚くべき重大発見 すべての謎を解く衝撃のカギ」糸川 英夫

2021/03/20公開 更新
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「解釈


【私の評価】★★☆☆☆(68点)


要約と感想レビュー

真空を光と電波がどうやって伝わっていくのか

1991年にロケット開発で有名な糸川先生が物質とは何なのか、真空、素粒子について考察した一冊です。1991年といえばスーパーカミオカンデの建設が始まった年であり、スーパーカミオカンデを使ってニュートリノの検出に成功した小柴先生がノーベル物理学賞を受賞しています。


実は私たちは現在も真空とは何なのか、真空を光と電波がどうやって伝わっていくのかはよくわかっていないということなのです。仏教で「色即是空」という考え方がありますが、「空」は真空で、実際はものがいっぱい詰まっている。「色」は物質ですが、これは自分が出た後の反物質と出会えばまた「空」に戻るのです。お釈迦さまは宇宙の真理として見抜いておられたともいえるのです。


・今日に至るまで、光と電波が真空の中をどうやって伝わっているのかは疑問です(p104)


真空では粒子と反粒子が生成・消滅

ホーキングの最新宇宙論を引用し、「真空とは短い時間内で、絶えず粒子とその反粒子が対になって生成・消滅を繰り返している」とし、
二個の物質が消えてなくなって光の波が真空の中から飛び出してくるのをイメージしているようです。mという質量のあった粒子と反粒子が消えて光になると、質量に光の速度cの二乗をかけたエネルギーが発生するはずであり、発生する光のエネルギーはプランクの定数hに、光の振動数ν(ニュー)をかけたものなのです。


ただし、測定できないものを私たちは認識できません。つまり神の領域は神にしかわからず人間は人間の領域で生きているのです。科学者としてはそうした世界の構造の未知の部分を知りたいという欲求が強くなるのはよくわかります。私たちが死ぬ前に、世界の構造が少しだけわかってくるはずです。期待しましょう。
 

糸川さん、 良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・我々は宇宙創成ビッグバン以来存在する"原始ニュートリノ"の海に浸っていることを知っている。しかし幽霊にふさわしく、我々に知覚されることもなく、未だに科学的に検知されることもない・・(p134)


・福井謙一先生は「フロンティア電子理論」というので、ノーベル化学賞を受賞されました・・・日本で新しい学説を取った人は、いつも日本人には認められないのです。「預言者郷土にいれられず」という大変悲しい言葉があります・・(p41)


・ロケットの研究をやったり、新しい仕事に手を出す度に、大変な大きな抵抗が日本社会にはありましたから、それを排除するために闘う中で、自分の近しい人に裏切られたときには、本当に死んでしまいたくなって、自殺を考えたこともありました(p79)


▼引用は、この本からです
「解釈


【私の評価】★★☆☆☆(68点)


目次

プロローグ 宇宙、まだ誰も明かさない秘密がこれだけある
1 ノーベル物理学賞湯川博士が私に示した宇宙解明への面白い手がかり
2 こんなに詳しくわかってしまう宇宙構造と量子力学
3 科学者である私がつきとめた一つの結論



著者経歴

糸川 英夫(いとかわ ひでお)・・・・日本の工学者。(1912年7月20日生まれ、1999年2月21日没)専門は航空工学、宇宙工学。ペンシルロケットに始まるロケット開発で「ロケット開発の父」と呼ばれる。1967年、東大を退官し組織工学研究所を設立。


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