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「社長、採用と即戦力の育成はこうしなさい!」小山昇

2021/03/15公開 更新
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社長、採用と即戦力の育成はこうしなさい!


【私の評価】★★★★★(92点)


要約と感想レビュー

 ダスキンのフランチャイジーとして事業を行っている「武蔵野」の小山社長が教える採用のコツです。小山社長は中小企業は新卒採用をしないと生き残れないと断言します。なぜかといえば、新卒は素直で価値観を短期間に合わせやすく先輩社員に刺激を与えてくれる。新卒採用こそが人材育成のキーポイントだというのです。


 しかし中小企業で新卒採用しようとすれば良い人は来ないし、途中で辞めてしまうというのが現実でしょう。小山社長が言うのは、優秀な人ではなく気があう人を採用して、教育で価値観やスキルを育てていくのが正しいという。


・新卒社員の在籍率が向上した要因は、「優秀かどうかではなく、気が合うか、合わないかで採用する」「価値観を揃えるための社員教育を徹底する」「お酒を楽しんで飲む」という方針を明確に打ち出したことです(p6)


 面白いのは、社員の定着率を上げるための工夫が山盛りになっていることです。試行錯誤の結果だと思いますが、どんだけ~と笑うくらい多様なのです。まず、採用担当社は学生と近い入社3,4年目の社員とする。会社説明会で平均年収、残業時間、雨漏りしそうな社屋、元暴走族の幹部、社内結婚や飲み会が多いなど偽りのない会社の現状を説明する。


 勉強会100回参加で旅行券5万円、自動車免許取得費用会社負担、引っ越し手当、住宅手当、通勤手当、入社・昇進時の親孝行手当、毎年連続5日間(幹部は9日間)の有給休暇取得など福利厚生を強化。毎月の面談のほかに上司との1対1の飲み会を設定したり、新卒者へのアンケート実施などフォローに余念がありません。


・内定者が「5人」を過ぎた時点から、「すでに内定が出ている5人との相性」を考えた採用に切り替えます・・・タイプが違いすぎると、内定者同士の和が乱れるからです(p112)


 汚い字の小山社長のサンクスレターを見て、この会社の楽し面白い雰囲気が伝わってきました。そして優秀な人を増やすより「価値観」を揃えることが重要という視点に共感しました。


 価値観教育に力を入れながら、仕事の管理は数字で厳密にやっている点、給与や人事評価がガラス張りでゲーム化されているのも面白い。この点はもう少し調査してみます。小山さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・採用予定人数の「250倍」のエントリー数が必要です・・・会社説明会に参加する人数はエントリー数の10%・・・会社説明会から一次選考にたどりつく人数は、20~30%(p85)


・就活生のトレンドの変化・・・ストレス耐性が低い・・・「ストレスに弱い人を採用して、少しずつストレス耐性を高めていく」のが正しいマネジメントです(p29)


・今の若手は「命令されること」にストレスを感じやすいため・・・「この件をあなたに任せたい。結果を出すためには、3つのやり方がある。あなたはどのやり方でやりたいですか?」と彼らに選択肢を預けることが大切です(p30)


・わが社が他の会社と異なるのは、「営業教育や技術教育といったスキル教育」だけでなく、「価値観教育」に力を入れていることです(p133)


・内定辞退者を防ぐ・・・内定者教育に力を入れています。内定者は「キックオフ研修」「環境週間整備研修」「社会人基礎力研修」「実行計画作成研修」「セールス研修」・・・など、さまざまな勉強会に参加します・・・平均して「月に5日以上」・・会社に来ることになります(p117)


・経営計画書を渡したところで、「誰も読まない」ことを私は知っているので(笑)、「武蔵野がどういう会社か」を知ってもらうためにも、書き写してもらいます(p120)


・福利厚生を充実させて・・・社内勉強会や社内イベントに参加すると、1回の参加につき、1個「ハンコ」がもらえます。そのはんこを100個ためると、「5万円分の旅行券」と交換できます(p129)


・コロナ禍の中で武蔵野のテレワークが機能したのは・・・200本以上ものデータポータルを作製し運用して、「サボらないように社員を管理した」からです(p62)


・中途社員の採用基準・・1高学歴で転職回数の多い人は採用しない・・・3 6カ月間は研修期間とし、成績がよい人を中心に社員に登用する(p76)


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▼引用は、この本からです
社長、採用と即戦力の育成はこうしなさい!
小山昇、プレジデント社


【私の評価】★★★★★(92点)


目次

序章 人材不足の時代の生き残り戦略を考えなさい
第1章 「採用に関する方針」を明確にしておく
第2章 「自社に合う社員」「辞めない社員」を見極め、採用する方法
第3章 採用した人を「成長」させる組織づくり
第4章 人が辞めない組織のつくり方
第5章 人にやさしい職場のつくり方



著者経歴

 小山 昇(こやま のぼる)・・・1948年山梨県生まれ。東京経済大学を卒業し、日本サービスマーチャンダイザー株式会社(現在の株式会社武蔵野)に入社。一時期、独立して株式会社ベリーを経営していたが、1987年に株式会社武蔵野に復帰。1989年より社長に就任して現在に至る。2001年から同社の経営の仕組みを紹介する「経営サポート事業」を展開。全国各地で年間240回の講演・セミナーを開催している。1999年度「電子メッセージング協議会会長賞」、2001年度「経済産業大臣賞」、2004年度、経済産業省が推進する「IT経営百選最優秀賞」を受賞。2000年、2010年には「日本経営品質賞」を受賞


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