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「教養としての茶道」竹田 理絵

2021/12/22公開 更新
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「教養としての茶道」竹田 理絵


【私の評価】★★★☆☆(71点)


要約と感想レビュー

 本のソムリエは海外事業にかかわっていたとき日本文化を学ばないとやばい!と思い、武家茶道をかじったことがあります。茶道とはまさにタイトルどおり日本人として知っておくべき教養でしょう。前半は茶道の歴史、千利休の教え、道具や掛け軸やお花、お香の知識の説明があり、最後にお茶会の作法の説明がされています。


 特に千利休の教え「利休七則」はお客様をもてなす心得として日本人の気配りに大きな影響を与えたように感じます。日本人は500年前から接客サービスを体系化していたのです。


・心身一如・・・身と心は1つであり、心が乱れた時は、身体を整えば、心も整うというものです(p84)


 興味深いのは、嗜好品であるはずのお茶を作法から道具、茶室、掛け軸まで体系化し、茶道としてパッケージ化した知恵です。パッケージ化したことで茶道を生徒に教え、その生徒に免状を与えることでお礼をいただく。さらに上達した生徒が先生となって生徒を集めて教えることで、フランチャイズビジネスのような仕組みとなっているのです。


 さらには道具についても、もともと安価でも千利休が「素晴らしい」と言えば、高価格で取引されることもあり、一種のブランドビジネスだったのでしょう。現在でも歴史的裏付けをもった茶器は高価格で取引されているのです。


・信長が集めた38店の大名物茶器は、本能寺の変の前日にお茶会を開いたため、残念ながらその多くが信長と共に焼失する結果となりました(p64)


 「松下政経塾」でも茶道が必修科目となっているように、茶道は日本文化として知っておくべきものだと思います。特に海外の人と接点を持っている人は茶道を学び、説明できるようにしたいもの。本書は入門編として気軽に手にできる本だと思いました。お客様をもてなすのであれば、教室に通う必要があると思いますが、その前のウォーミングアップにおすすめします。


 竹田さん、良い本をありがとうございました。



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この本で私が共感した名言

・降らずとも傘の用意・・・お客様に余計な心配をさせない(p146)


・懐石料理はお抹茶を楽しむ前に出される軽い食事・・・懐石ではご飯とお汁は最初に出てきますが、会席料理ではお酒を充分に楽しんだ最後に出てきます(p181)


・お茶室の多くが四畳半という大きさ・・・お客様と向き合うと、窮屈でもなく、丁度よい心地よさを感じる広さになっています(p185)


・お抹茶は新芽が伸びる茶摘みの2週間ほど前からは直射日光が当たらないように黒い覆いをかけます(p39)


・心が落ち着かずイライラしている時に点てたお抹茶は苦味が強く、とげがあるような味がします(p52)


・マインドフルネスとは、「今、この瞬間」に注意を向けた心の在り方・・・呼吸を整える(p160)


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▼引用は、この本からです
「教養としての茶道」竹田 理絵
竹田 理絵 、自由国民社


【私の評価】★★★☆☆(71点)


目次

第1章 外国人が知りたい日本の文化・世界が憧れる日本のおもてなし
第2章 なぜエリートは茶道の虜になるのか
第3章 これだけは知っておきたい日本の伝統文化「茶道」
第4章 ビジネスや日常に活かしたい千利休の七つの教え(利休七則)
第5章 知っていると一目置かれる、日本人としての品格
第6章 知っていると自信が持てるお茶会の作法―楽しむための知識



著者経歴

 竹田 理絵(たけだ りえ)・・・株式会社 茶禅 代表取締役。一般社団法人 国際伝統文化協会 理事長。日本伝統文化マナー講師 茶道裏千家教授。神楽坂生まれの3代目江戸っ子。青山大学文学部卒業後、日本IBMに入社。退社後、株式会社茶禅を創設。 銀座と浅草に敷居は低いが本格的な茶道を体験できる茶室を開設。茶道歴40年、講師歴25年。年間世界30カ国の方々に日本の伝統文化を伝え、延べ生徒数は30000人を超える。


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