「小西美穂の七転び八起き デコボコ人生が教えてくれた笑って前を向く歩き方」
2022/01/20公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(74点)
要約と感想レビュー
小西美穂さんとは誰だろうと思ったら、日本テレビの「news every.」、「ズームイン!!サタデー」、BS日テレの「深層NEWS」などでキャスターをされていた方です。関西出身で読売テレビから系列の日本テレビに転職した変わり種です。
女子アナといえば華麗な仕事というイメージがありますが、実際は放送後の反省会でボロクソに叱られるようです。そのため著者は、病院に通ったり、話し方教室に通ったり、不満をノートに書き出すなどしてそうした心の落ち込みを克服しています。本書ではパワハラとは表現していませんが、アナウンサーの自殺が多いのはここに原因があるように感じました。
・収録語のスタッフ会議では、容赦ない注意や指摘が私に向けられます(p105)
女性の気持ちは推測するしかありませんが、著者の場合は「人から必要とされていること」が、とても重要でした。だから、報道番組のメインキャスターというレギュラー出演者から取材キャスターという閑職に置かれたときには、精神を病んでしまったのです。
取材キャスターも一つの仕事ではあるのですが、自分は今の職場で必要とされていないのではないか、という気持ちになってしまうのです。独身なので家にかえっても一人寂しいだけなので、銀座を意味もなくぶらぶらして時間を潰していたこともあるようです。
そうした著者の救いになったのは大学時代の後輩です。後輩に促されるままに著者は美容やファッションを見直し「自分磨き」でマイナス思考を抜け出すことができたのです。人は心が弱っていると、占い師のような人に洗脳されてしまうことがありますが、どうせ洗脳されるなら前向きで信頼できる人に相談してみるべきなのでしょう。
・行きづまった時は、グチを言い合う相手ではなくて、前向きな言葉をかけてくれる人に会いに行くこと(p155)
アナウンサーや女優のような華麗な職業でも、心の中は一般のサラリーマンのように自分の居場所を探し、評価に一喜一憂する普通の人間なのだと思いました。仕事が華麗で、有能であるがゆえに、人に頼ったり、グチを言うこともできず、苦しんでいる人が多いのかもしれません。
世の中を生きていくためには、どこかに自分の居場所が必要ですが、その居場所はそこだけではありません。そこがだめなら他にもあるさ、くらいの気軽な気持ちが持てれば、気休めくらいになるのではないでしょうか。
テレビ局の一面を見たような気がしましたが、もう少し調査してみたいと思います。小西さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・私はどんなに怒られても、「解決方法はきっと外で見つけられる」(p110)
・発散ノートに気持ちを書き出せば、それだけで負のスパイラルを断ち切って、驚くほど気持ちがスッキリするのです(p122)
・人のアドバイスに素直に耳を傾けて、なんでもやってみる(p99)
・私にとってのやりがいとや、「人から必要とされていること」(p92)
・動画の閲覧数が延びた時には、・・・彼女たちの仕事がどれだけ多くの人に届いていたかという「成果」を伝えるようにしています(p73)
・「学び続けなさい」という父の言葉がいつまでも耳に残っています(p190)
【私の評価】★★★☆☆(74点)
目次
第1章 キャリア論「自分にしかできない仕事」をつくる
第2章 チーム力 声をかけて、仲間の力を引き出す
第3章 突破力 長くて暗いトンネル、どう抜け出す?
第4章 ノート術 気持ちを吐き出して、前を向く習慣
第5章 婚活法 魅力豊かな女性に生まれ変わるには
第6章 友情論 時には距離と時間が女の友情を育む
第7章 家族力 いつか訪れる親の介護や看病、死別
著者経歴
小西美穂(こにし みほ) ・・・日本テレビ キャスター・解説委員。1969年生まれ。兵庫県出身。関西学院大学文学部卒。1992年読売テレビに入社。報道記者として阪神・淡路大震災などを取材。2001年から3年間、ロンドン特派員。米同時 多発テロ後の中東情勢をリポート。帰国後、政治部記者を経て、2006年日本テレビ入社。報道キャスターに。「NEWSリアルタイム」「ズームイン! !サタデー」などに出演。2013年から約3年半、BS日テレ「深層NEWS」メインキャスター。現在は夕方の報道番組「news every.」で、日々のニュースを解説。
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