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「環境問題はなぜウソがまかり通るのか3」武田 邦彦

2014/02/24公開 更新
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環境問題はなぜウソがまかり通るのか3 (Yosensha Paperbacks)


【私の評価】★★★★☆(83点)


要約と感想レビュー

 エコ、低炭素・・・であれば、何でも無条件に素晴らしいといった風潮が日本にはあるようです。そうした状況に、武田先生から疑問が投げかけられます。本当にエコなのか?本当に二酸化炭素が地球を温暖化しているのか?仮に、二酸化炭素により地球が温暖化しているとして、その対策は意味があるのか?ということです。


 こうした武田先生の素朴な疑問は、実は真相を突いているように感じます。そもそも日本は世界一の省エネ国家なのです。石油やLNGを最も効果的に使っている国が、なんで環境問題で非難されなければならないのか、温暖化ガス排出量制限を受け容れなくてはならないのか、理解できないということです。


・日本人が石油を節約することは、現実的には不可能な話である。なぜなら人間は、「自分の持っていないものを節約することはできない」からだ(p101)


 特に地球温暖化については、日本は環境省まで作って、二酸化炭素排出量を減らそうと頑張っていますが、本当に二酸化炭素が地球温暖化の原因なのか、武田先生は疑問を投げかけます。


 そもそも、現在は氷河時代にあり、その中で12万年ごとに現れる暖かい期間(間氷期)にあることを忘れてはいけません。つまり万年単位で見れば、いずれ、氷河期の通常の姿に戻り、気温が6℃くらい下がってしまう怖れがあるのです。


 さらに近代で言えば西暦1000年頃の中世温暖期には1℃ほど気温が高く、西暦1600年の小氷期には1℃ほど気温が低かったのです。二酸化炭素の排出がなくとも、気温が変化してきたのが地球の歴史なのですから、今の温暖化が本当に二酸化炭素濃度の上昇が原因なのかどうか確証はないのです。


・現在は、第2氷河時代という時代区分に含まれている・・・1万年前の縄文時代は暖かく、現在よりも2℃ほど気温が高い・・西暦200年ごろから西暦800年ごろにかけて、気温はとても寒冷になっている・・1600年ごろに気温が下がっているのは「小氷期」と言われている(p50)


 この本を読んで、テレビや新聞の言っていることを鵜呑みにできないと感じました。特に環境問題については、自分で本質を調べ、考える必要があると感じました。現在は、原子力を含めてエネルギー問題にも関係することですので、自分なりの考えを持ちたいものです。武田さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・日本では、NHKを筆頭に「100年間で地球の温度は6.4℃上昇する」という報道がいまも続いている。これは、IPCC第4次報告書の6つの予測シナリオのうち、もっとも気温幅の上端である「6℃の気温上昇」を誇張しているにすぎない(p21)


・アラスカの氷河が後退する様子・・・1780年から1849年にかけても氷河が後退している・・・1780年から1900年ごろにかけては、いま騒がれているような「二酸化炭素排出型の社会」ではなかったはずだ(p53)


ペットボトルの分別回収には1キログラムあたり400円のお金がかかっている。当然この400円も市民の税金からまかなわれる。こうして回収されたペットボトルを自治体は中国で50円で売った。そのときにある自治体が「収益になる」と表現した(p175)


・家電リサイクル・・施行前まで使わなくなった家電製品を1台あたり500円の税金で処理していたが・・・リサイクル料金は3,000円から4,000円程度取られる・・・半分はリサイクルせずに中古品として売られている・・これを大規模な詐欺と呼ばずとして何と呼ぼう(p180)


・ノルウェイは鯨類博物館の展示で「私たちは鯨をとって食べます」という姿勢を明らかにしている・・・日本は・・「捕鯨」に「調査」を冠して「調査捕鯨」と言っている・・欧米では日本は調査と偽った鯨の密漁をしていると見なされている(p136)


▼引用は下記の書籍からです。
環境問題はなぜウソがまかり通るのか3 (Yosensha Paperbacks)
武田 邦彦
洋泉社
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【私の評価】★★★★☆(83点)



目次

第1章 地球温暖化が怪しい根拠はこれだけある   
第2章 矛盾だらけの循環型社会をいつまで取りつくろうのか
第3章 ウソがまかり通る本質とは何か 


著者経歴

 武田 邦彦(たけだ くにひこ)・・・1943年生まれ。名古屋大学大学院教授を経て、中央大学総合工学研究所教授。内閣府原子力安全委員会専門委員。文部科学省科学技術審議会委員。


地球温暖化関係書籍

「「脱炭素」は嘘だらけ」杉山 大志
「異常気象の正体」ジョン・D.・コックス
「地球温暖化「CO2犯人説」は世紀の大ウソ」
「「地球温暖化」の不都合な真実」マーク・モラノ
「地球温暖化への挑戦」薬師院 仁志
「「地球温暖化」狂騒曲 社会を壊す空騒ぎ」渡辺 正
「地球はもう温暖化していない: 科学と政治の大転換へ」深井 有
「環境問題の嘘 令和版」池田 清彦
「排出権商人」黒木 亮
「環境問題はなぜウソがまかり通るのか3」武田 邦彦
「地球温暖化説はSF小説だった その驚くべき実態」広瀬隆
「CO2温暖化論は数学的誤りか」木本 協司
「チェンジング・ブルー気候変動の謎に迫る」大河内直彦


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