【私の評価】★★★★★(93点)
■環境省が所管する京都議定書とリサイクルの
欺瞞について切り込んだ一冊です。
私は、
排出権に関わったことがありますので、
京都議定書批准という歴史的判断ミスは
しっかり記録に残すべきと考えています。
しかし、
なぜかこのテーマの本は
少ないのです。
・日本は、たとえばホンダの車を買えばこのくらい減る、
松下電器の製品を買えばこのくらい二酸化炭素排出量が
減るという交渉をすべきだったのだ(p89)
■京都議定書については、
延長されないことで軌道修正がなされましたが、
リサイクルについてはあまり変化がありません。
武田さんの主張は、
リサイクルする価値のあるものだけ
リサイクルしてはどうか、というものです。
ペットボトルや再生紙は
再生にエネルギーを使うので、
燃やしてしまう、
という選択肢もあるはずなのです。
・ペットボトルを一度使う時に消費する石油(換算量)は
次のようになる。
1)1回使って焼却する場合・・・96.0グラム
2)リサイクルする場合・・・・238.0グラム
・・・(p158)
■なんでもかんでもリサイクルしようとする
役人には経済性の視点が欠落しており、
天下りの視点しかないのかもしれません。
これからはリサイクル見直しが
なされるとうれしいですね。
武田さん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・何でもかんでも本格的にリサイクルを始めようとすれば、
手間がかかり、資源を余計に使い、管理もしなければ
ならない。そこに膨大な税金を注ぎ込むことができ、
天下りの際の特殊法人や団体をつくることもできる(p173)
・プラスチックを燃やしてもダイオキシンは危険なほどには
発生しない・・・ダイオキシンの毒性はこれまで過剰に
報道されてきた。実際には毒性は弱い・・・焼却炉で
プラスチックを燃やしても炉は傷まない・・・(p164)
・目の前に畑がある。そこに石油1カロリーを使って
作物を育て、作物を1カロリー得るとする。
そしてできた作物に0.5カロリーの石油を使い、
バイオエタノールに変える。・・・
一方原油に0.5カロリーの石油を使ってガソリン
1カロリー分をつくる。どちらが効率的だろうか。(p129)
・京都議定書・・・
温暖化防止の役に立たず、
日本だけが圧倒的に不利な条約(p25)
・1 1980年から地球の温暖化は進んでいる。
2 その前の30年間、地球は寒冷化していた。
3 その時も二酸化炭素は増加していた。
・・・
7 地球温暖化がもたらす未来予測はいくら議論しても
決着しない。現代の科学でわからないことを
言っているからだ。
8 わからないものはわからない。(p147)
洋泉社
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【私の評価】★★★★★(93点)
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