「日本人の9割が思い違いをしている問題にあえて白黒つけてみた」武田 邦彦
2014/04/16公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(75点)
要約と感想レビュー
ぶっちゃけトークの武田 邦彦さんの一冊です。極論が多いのですが、大切な論点に注目させる手法とすれば許せてしまう。
「アメリカには「固有の領土」などない。」などと言われると一瞬、ビクっとしてしまいます。確かに歴史を遡れば、固有の領土などありえないのです。
・アメリカには「固有の領土」などない。それはアメリカばかりでは無く、ロシアもウラス山脈より東はすべて黄色人種の国で、それを力で強奪したに過ぎない。中国も、満州、内モンゴル、新疆ウイグル、チベットは全部、支那(本来の中国)ではない。(p22)
石油は枯渇しない・・戦争は負けた方がいい・・自然エネルギーは自然に優しくない・・・と続きますが、私が注目したのは、「財政赤字は犯罪だ」という点。
確かに、日本で許されているのは建設国債だけ。赤字国債は許されていないのです。1965年に赤字国債が発行され、毎年度財政法の特例法が国会で議決されています。現状を少しづつ変更していく手法をサラミスライスと表現しますが、国債もサラミスライスで増えていったのです。
・もともと財政を収入の分だけしか使えないのだから、政府が赤字を出すというのは「犯罪」だ。(p48)
話のネタには面白いと思いました。物事を一歩勉強してみるきっかけになると思います。武田さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・「尖閣諸島は日本固有の領土だから、日米安保条約で日本を守ってくれ」と頼んだが、とんでもないことだ・・・日本が尖閣諸島を領有した年(1985年)より、3年後に領有したハワイを手放さなければならないからだ(p23)
・ひと口に「国」と言うけれど、日本のように2000年も同じ所に同じ民族が同じトップ(天皇)をいただいて「○○国」と名乗っているところなど世界にない(p15)
・戦いに敗れた日本とドイツが繁栄し、戦いに勝ったイギリスやソ連が衰退したのはなぜだろうか?・・・古い社会、古い人間が社会に残っていること(p40)
・「政府の勧めに従って」、貯金をした。その合計はすでに1000兆円に及ぶ。一方、政府は「国民からお金を巻き上げて、関係先に配り、そこに天下りする」という作戦(p58)
・当時の年金課長は次のように言っている。「どうせ年金で集めたお金は無くなる。その時には『年金が払えないから社会保障費を増やすために増税する』と言えばよい」(p61)
・自然エネルギーは自然に優しくない・・・エジプトのナイル川上流のアスワンダム、アスワンハイダムのために、あの広大で6000年の歴史を持つナイル河畔は海の塩によってすっかり荒れてしまった(p159)
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【私の評価】★★★☆☆(75点)
目次
第1章 国際社会に白黒つけてみた
第2章 日本経済に白黒つけてみた
第3章 健康問題に白黒つけてみた
第4章 人間社会に白黒つけてみた
第5章 男女問題に白黒つけてみた
第6章 環境問題に白黒つけてみた
著者経歴
武田 邦彦(たけだ くにひこ)・・・1943年生まれ。名古屋大学大学院教授を経て、中央大学総合工学研究所教授。内閣府原子力安全委員会専門委員。文部科学省科学技術審議会委員。
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