「科学者が解く 「老人」のウソ」武田 邦彦

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科学者が解く 「老人」のウソ

【私の評価】★★★★☆(84点)


■テレビでおなじみの武田教授が、
 老後を考えた一冊です。


 普通の動物は、子孫を育てると
 死ぬようになっています。
 例えば、鮭は産卵後に死にます。


 では、なぜ人間は死なないのか。


 武田さんの見方は、人間は老後も
 何らかの役に立っているからと
 仮説を立てています。


 よって、子どもが独立した50歳からは、
 第2の人生として、人に貢献することで、
 楽しい人生を始めよう!と
 提案しています。


・仲間に貢献しないと、
 "死のスイッチ"が入る(p70)


■50歳までは子孫を残すために
 死を避けるように生きてきましたが、
 50歳からの第2の人生では、
 いつ死んでもかまいません。


 第2の人生は
 子孫のためではなく
 自分のための人生なのですから
 楽しいことをしていいのです。


 さらに、死を怖がって
 健康を考えてばかり生きるより、
 好き勝手に生きたほうが
 健康で長生きというフィンランドでの
 調査結果もあります。


 いわゆる健康な生活というものや、
 健康診断というものが
 本当に健康にとって良いものなのか
 統計的にはバラツキの範囲の中の
 微妙なものなのかもしれません。


・医師をしている・・義兄が、
 「50歳になったら、健康診断を
 やめたほうがいい」と言いました・・
 フィンランドのヘルシンキで、
 1974年から15年かけて、約1200人の
 被験者を対象に健康追跡調査を行いました・・
 (健康診断をしていない)
 勝手気ままに生きる人たちのほうが、
 健康で長生きだったのです(p48)


■武田さんは、現代医療では科学的に
 合理性が証明されていないことが
 まかり通っていると指摘しています。


 血中コレステロール値は高めのほうが
 健康的なのに、油ものを控える。
 血圧が130mmHg以上だと、高血圧症の
 レッテルを貼って、薬を処方する。
 効果が証明されていない治療や健康診断や
 検診が行われてというのです。


 理科系の人らしく
 私に近い思考法だなと
 思いました。


 武田さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・現代は、変な社会です。
 ゴミがあふれていないのにリサイクルする。
 石油も枯渇していないのに節約する。
 地球は温暖化していないのに怯える・・
 私に言わせれば、滅茶苦茶です(p225)


・男性は、社会的なネットワークを
 持つ人たちに比べて、
 社会的に孤立している人たちの死亡率が
 2.3倍で、女性は、同じく2.8倍(p73)


・50歳以上になると、だいたい1日半から2日以上の
 間隔があかないようにして運動しないと、
 体が「骨はいらない」と思ってしまうようです・・
 「まだ骨は必要」と常に体に売り込み続ける
 しかありません(p86)


・少し血液の流れが悪くなったら、
 それによってガンや肺炎のリスクは増えるし、
 元気もなくなる。でも、できるだけ血管が
 破裂するようなことで死にたくないと考える・・
 そういう人は降圧剤を飲んで、安全に、
 でも疲れやすく、1日ボーっと生きつづけ、
 ガンなどでこの世を去る道を
 選択すればいいのです(p113)


・「儲かるから」という理由だと思いますが、
 「減塩食はヘルシー」と言ってどこも
 かしこも、いろいろな食品を売っていました・・ 
 誠実な人なら、「日本人の5人に1人が
 食塩と血圧に関係があるので、もし
 ご心配なら減塩食をお試しください」
 と言うにとどめるでしょう(p115)


・高血圧で死ぬというデータのトリック・・・
 「年齢が上がる→血圧が上がる」、
 「年齢が上がる→死亡率が上がる」という
 2つのことを組み合わせると、
 「血圧が上がる→死亡率が上がる」という
 グラフになります(p129)


・1997年に八尾市の住民約1万人(40~79歳)を
 11年間追跡した調査・・それによると、
 男性の死亡リスクはコレステロール値は
 「240~279」がもっとも少なく、
 それより高くても低くても死亡率は
 多くなっています。女性の死亡リスクは、
 少し範囲が広く「200~279」がもっとも
 少なくなっています。いずれも現在の規制値
 200をはるかに超えています(p140)


・日本動脈硬化学会の方はコレステロールは
 200以下が良いと言い、日本人ドック学会は
 250ぐらい(男性)までと言っています。
 この50の差はとても大きいのです(p137)


・日本高血圧学会は「人間は年も取らず、
 体も変化せず、男女の区別もなく、
 10歳から100歳まで全員の血圧は
 130以下でなければならない」という
 とんでもない基準を用いているので、
 本当に困ります(p138)


・ガンと一緒に人生を過ごすという
 選択肢もあります。ガンを敵視して
 撲滅しようとすると、もともと自分の
 体の一部のようなものですから、
 うまくいかないときもあります。
 「ガン治療で病院に行くほど寿命が
 短くなる」という統計を見たことも
 あります(p150)


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■目次

はじめに 「老後」なんてものはありません!
第1章 「老後」のウソ
第2章 「寿命」のウソ
第3章 「老化」のウソ
第4章 「病」のウソ
第5章 「定年」のウソ
第6章 第2の人生論



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