「マンガでわかる 9割の人が気がつかない保険のヒミツ」保険ソクラテス編集部
2019/10/28公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(82点)
■「かんぽ生命」の不正販売のニュースを
聞いて手にした一冊です。
「かんぽ生命」は老人を中心に
不要な保険をかけさせたり、
乗り換えと説明しながら、
無保険期間をとって新規にしたり、
解約せず新旧二重に保険金を
徴収していたという。
ここまで悪質でないにしても
保険の営業マンの営業トークには
かなり怪しいものが多いのです。
この本では、保険販売における
悪質営業トークの例を示し、
どこが問題なのか解説してくれます。
・「今、健康なら大丈夫ですよ」などという不適切な誘導をする営業職員がいても、絶対に信じてはいけません。過去2年や5年前の健康状態を問われるのが通常(p28)
■お得ですよ、リスクに備えましょう、
もったいない、これも保障します、
などの言葉が出たら要注意です。
保険は可能性は低いものの
大きな出費のリスクを
小さい金額を支払うことで
保障しようというものです。
そもそも大きな出費の可能性が
あるのかどうか、その金額は
どの程度なのか知ったうえで
保険をかける必要があります。
例えば医療保険であれば、
高額医療費制度というものがあり、
給与が月50万円くらいの人なら
10万円弱に収まるのです。
・「女性は妊娠前に加入しておくのばベストですよ」・・確かに一理あります・・しかし、帝王切開はもちろん、異常分娩などの大半は健康保険が適用されます・・・高額医療費制度の対象でもあり、出産すれば「出産育児一時金」など公的制度も受けられるため、民間保険に頼るような「大きなリスク」か・・・慎重になったほうがいいかもしれません(p164)
■そもそも保険は、出費の額と確率から
保険料が計算されており、
どの会社と契約しても差はないものです。
差があるとすれば、その保険会社が
倒産しないで生き残る確率が
どの程度あるのかということです。
他の保険会社も「かんぽ生命」を
単純に笑えないように感じました。
保険ソクラテスさん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・「掛け捨てはもったいない」という営業トークが的外れ・・もともと保障だけを買うのですから、1円も返ってこなくて当たり前なのです(p21)
・外貨建て保険・・・レート次第で保険金の額は変動します・・金利が高いと言っても、運用に回される保険料は保障のための費用を取りのぞいた部分・・「かなり高い」とされる販売手数料も引かれるため、運用に回る部分はさらに減ります・・販売手数料については、見かねた金融庁が金額を開示するよう求めたくらい・・(p43)
・「所得控除があるから保険はお得ですよ!」・・節税といっても目を見張る程の額ではありませんし、結果、保険に入ることになったら出ていく出費の方が多くなります(p44)
・「銀行に預けておくなら貯蓄型の保険で運用した方がいいですよ」・・・保険は定期預金と違い、満期になるまでお金が拘束されるという特性があります・・預金は1000万円までなら元本とその利息が全額守られるのに対し、貯蓄型保険は負債状況に応じて保険金が減額される可能性があります(p49)
・セールストーク「お子様の医療費も意外と出費がかかるものです」・・・子供の医療費は各自治体が助成してくれる制度があるため、そんなに心配することはありません(p64)
・「日帰り入院から保障します!」・・・保険料が上乗せされているに過ぎません・・・保険金の請求には医師の診断書(入院証明書)が必要になる・・病院によっては5000円を超えることも。入院給付金日額を5000円に設定していた場合、給付金を請求することでマイナスになる(p123)
・「2人に1人が、がんになる」に金融庁がイエローカード・・2人に1人が、がんになるのは80歳以降・・30歳の男女が10年後にがんにかかる確率はわずか1%以下。50歳からでは6%(p138)
・「支払限度日数無制限」・・・入院が長引くと病院の儲けが少なくなるしくみがあることから、平均入院日数は・・・短縮化の傾向にあります(p145)
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【私の評価】★★★★☆(82点)
■目次
第1章 保険の仕組み
第2章 貯蓄性の保険
第3章 子供の保険
第4章 働き盛りの保険
第5章 医療保険
第6章 がん保険
第7章 女性保険
第8章 介護保険
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