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「地球温暖化への挑戦」薬師院 仁志

本のソムリエ 2019/12/14メルマガ登録
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【私の評価】★★★★☆(87点)


要約と感想レビュー

 昨日まで国連気候変動枠組条約締約国会議COP25が、スペイン・マドリードで開催されていたということで手にした一冊です。この本は2002年出版されていますので、京都議定書が1997年に合意され2008年からの削減期間を前にして批准に向けて作業が進んでいる時期です。


 この本では地球温暖化について科学的におかしい点があるのではないか、と問題提起する内容になっています。その視点は今でも有効なように私には思えます。


 まず、現在の地球温暖化論者が、地球が寒冷化していた1970年代には地球寒冷化論者であったということです。気温が上がっていればをそれに合わせてシミュレーションし、気温が下がっていればそれに合わせてシミュレーションしているだけなのです。そして1970年代の寒冷化については、無視されているのです。


・「近年の急激な温度上昇は人為的なものによっていることは動かしがたい」という理由で、1970年代の寒冷化説が実質的には葬り去られているのである。しかし、1970年代当時は、「いくつもの指標がしだいに寒くなっていることを物語っているという事実は打ち消し難い」という理由で、それ以前に提唱されていた人為的温暖化説が否定されるという次第である・・・たかだか10年や20年のスケールで地球規模の気候変動を論じるのは無茶であろう(p79)


 また、本当に二酸化炭素濃度上昇が、地球温暖化の主要因なのか科学的に証明されていないということも重要です。確かに地球の気温は上昇傾向にあるのかもしれません。一方で、CO2が上昇傾向にあったのにもかかわらず、1970年代は寒冷化傾向にあったのも事実なのです。


 地球の気温に影響するものとしては、太陽の活動、水蒸気量、火山活動、磁場・・いろいろな要因があります。そうした中で、地球温暖化の犯人として人為的な二酸化炭素排出だけを悪者とするのは、科学というよりは政治といえるのではないでしょうか。


・気候システムは「非常に多くの構成要素」から成っている。そして、太陽活動は、その重要な構成要素の一つなのである・・にもかかわらず、シュナイダー氏を始めとする多くの人為的地球温暖化論者たちは、温室効果ガスの排出ばかり問題にするのだ(p228)


 これ以外にも、化石燃料をあまり使っていない10世紀から13世紀に、なぜ地球は暖かかったのか。
 過去に二酸化炭素濃度が高い時期に温暖化していないのはなぜなのか。
 南極の氷床コアの分析では、気温上昇の後に二酸化炭素濃度が上昇しているのはなぜなのか。
 化石燃料を使っていた1960~70年代に寒冷化したのはなぜなのか。
 太陽の黒点(太陽の活動の指標)と地球の気温の相関の高さを無視するのはなぜなのか。


 こうした議論のあるのは事実です。地球温暖化についてもう少し調べてみたいと思います。薬師院さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感したところ

・今が特に暖かいというより、最近までが寒かったのだ・・・さらに、20世紀の昇温傾向が化石燃料の大量消費に由来するのであれば、「気温が上昇の傾向に転じたのは1910年前後」であるというのも、時期的に整合性に欠けるように思われる(p155)


・1960年代~70年代半ばあたりにかけて、北極圏の氷が、人々の生活を脅かすほど著しく増大した・・・なぜ、20世紀の後半にもなって極地の寒冷化が起こったのだろうか(p205)


・1976年、まだ地球温暖化論が主流になる以前・・気象学者の根本順吉氏は・・・現在の寒冷化の時代を小氷期と見れば・・大氷河期に向かって進んでいる。現在頻発している異常気象も、氷河期に向かいつつある地球の大きな気候変化の一つの重要なステップであることはほぼ間違いない(p61)


・工業活動によって大量に排出される煤煙中の粒子状物質がエーロゾルを生成することによって・・・二酸化炭素の温室効果を上回るほどの日傘効果(遮蔽効果)を発揮し、気温低下を招く・・この日傘(遮蔽)効果=寒冷化説の主導者であったのが、アメリカでは『地球温暖化の時代』の著者であるシュナイダー氏、日本では『温暖化する地球』の著者である田中正之氏なのである(p75)


・8世紀頃から気温は上昇期に入り、だいたい10世紀から13世紀頃まではかなり暖かい気候が続いたらしい・・・今では雪と氷の世界であるグリーンランドも、当時は文字どおり「緑の島」だったのである(p149)


・太陽黒点と北極寒気団の見事な一致(p224)


・実際には「大気中の温室効果ガスとしてもっとも重要なのは水蒸気」なのであって、温室効果による「温度上昇の80~90%は水蒸気によるもの」(p255)


・過去の現実の地球史を見れば、二酸化炭素の増加が必ずしも温暖化をもたらしていないことが 指摘されている・・・地球史の中で、二酸化炭素はいまとは比較にならないほど激しく変化してきた。にもかかわらず、地球の温度は生物が生存可能な範囲で維持され、地球上に生物が絶えることはなかった(p240)


・南極の氷床コアに捉えられた空気の分析によると・・氷期の始まりには、二酸化炭素濃度の変化より先に気温の変化が始まっている(p283)


▼引用は下記の書籍からです。

薬師院 仁志、八千代出版


【私の評価】★★★★☆(87点)



目次

第1章 コンピュータの中で生まれた危機
第2章 地球温暖化論の理論的問題点
第3章 社会問題としての地球温暖化問題


地球温暖化関係書籍

「「脱炭素」は嘘だらけ」杉山 大志
「異常気象の正体」ジョン・D.・コックス
「地球温暖化「CO2犯人説」は世紀の大ウソ」
「「地球温暖化」の不都合な真実」マーク・モラノ
「地球温暖化への挑戦」薬師院 仁志
「「地球温暖化」狂騒曲 社会を壊す空騒ぎ」渡辺 正
「環境問題の嘘 令和版」池田 清彦
「CO2温暖化論は数学的誤りか」木本 協司


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