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「「地球温暖化」の不都合な真実」マーク・モラノ

2019/09/25公開 更新
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「地球温暖化」の不都合な真実


【私の評価】★★★★☆(83点)


要約と感想レビュー

氷河は昔から減少していた

国連気候行動サミットが盛り上がっているので手にした一冊と言いたいところですが、実は偶然サミット前に手にした一冊です。この本では、地球は温暖化していない、氷河は昔から減少してきただけ、海水面も昔から安定して上昇してきたという科学者の証言を引用して、地球は温暖化していないと主張しています。


多くの科学者がデータから見て、地球は温暖化していないし、そもそもCO2と地球温暖化の相関があるとは言えないと証言しているのです。アメリカでは、トランプ大統領だけでなく地球温暖化を信じていない人が多いらしいのです。


ドイツの気象物理学者のクラウス=エッカート・プルスは「10年前は私もIPCC説の宣伝カーだった。だが事実とデータを調べるにつれ、IPCCとメディアが広めるのは事実もデータも無視したヨタ話だとわかって、事実を調べもせずヨタ話を垂れ流した自分を恥じるばかりだ」と言っているのです。


気象学者トム・ワイスミューラーも、「過去1000年近く、気温とCO2濃度に相関はなかった」と断じ、こう書いている・・・過去一万年を見ても、CO2と気温に関係は認められない。CO2が気候を変えると言う人たちは、空想世界で数字いじりをしているだけ」(p63)

海面は数千年上昇してきた

海面上昇についても、CO2増加による温暖化によって上昇しているのではなく、数千年にわたって上昇してきました。氷河がなくなったのもCO2増加による温暖化によって減少したのではなく、前から氷河は減少傾向にあった。つまり、地球温暖化を主張している人たちは、CO2の削減を主張しますが、CO2の排出が増える前から海面上昇も、氷河の減少も起きていたのです。


同じように「グリーンランドの氷河は過去100年間ずっと縮小中だから、人為的CO2とは関係ない」とデンマーク・オルフス大学の研究者による2006年の論文も結論を出しているのです。地球温暖化を主張する人の根拠は、だいたいこの手のものが多いのです。このように、地球温暖化を主張する人たちは、意図的に理由を探し出してキャンペーンをしているとも言えるのでしょう。


海面上昇のペースは過去100年以上ほぼ一定で、CO2排出が増えてから加速した気配はない。実のところ地球の海水面は、8000年前から現在まで、ほぼ同じペースで上がってきた(p80)

地球温暖化を仕事にしている役所や団体

つまり、「地球温暖化」とは、一部の気候学者が政治家を取り込み、国連の権威を利用して行っているキャンペーンであるということです。そしてその活動により利益を得る団体、組織、国家が、地球温暖化に乗っかっているわけです。IPCC報告書の責任執筆者リチャード・トールはIPCCが特定集団に乗っ取られ、懐疑派の研究者は「脅しや恐喝」を受け、「議長も作業部会長三名も辞任せよ」と言っています。


また、英国サウサンプトン大学のジョン・ブリグネル名誉教授も「IPCCの設立は科学組織を装う政治団体にすぎないのだが、国連の権力を盾に信者をたちまち増やし、『第三者の査読』は本来の意味を失い、気心の合う煽動集団ができ、彼らは総力をあげ、異論を吐く人物や敵対者を排除してきた」と言っています。


もうここまで組織化され、巨額の予算が組まれ、地球温暖化を仕事にしている役所や団体が「地球は温暖化していません」などとは言えないのでしょう。最近、地球温暖化のペースが下がっていることに、危機感を持っている人も多いのではないでしょうか。


IPCC報告書を査読したジョン・マクリーンも・・「実のところIPCCは、人為的CO2温暖化説を広めるために国連が作ったロビー集団だといえる」(p44)

地球温暖化を仕事にしている役所や団体

すでに温暖化防止のためにバイオマス燃料を使ったり、不安定な再生可能エネルギーを導入することで、何兆円もの国富がCO2を削減することに使われています。嘘も百回言えば真実になるという法則がありますが、地球温暖化もその事例の一つとして歴史に記録を残すのでしょうか。


ただ、最近「地球温暖化」ではなく、「気候変動」という言葉を使う気候学者が増えてきたことを指摘し、今後気温が上がろうが下がろうがどうとでも説明できるように準備しているのではないかと警鐘を鳴らしています。モラノさん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・ロンドン大学の名誉教授フィリップ・ストットも気候変動のCO2主因説を退け、2008年にこう書いた。「気候変動の要因つまり変数は数百もある。政治的に選んだ一個(CO2)に固執する『対策』など、検討ちがいもはなはだしい」(p59)


・NASA大気部門のジョン・S・テオン博士が、2009年に書いている。「気候が変動しているかどうかも、人間活動が気候にどれほど影響するかも未知数・・・というのがNASAの公式見解(p36)


・ニューヨーク・タイムズ紙・・脅威派とメディアは、2005年や2010年、2015年の「記録的な高温」も叫びたてた。だが少し調べてみると、年ごとの気温差は0.01℃代(ぜいでい0.1℃)しかない・・要するに過去20年ほど、気温はあまり変わっていない(p103)


・2012年のニューヨークタイムズ紙によると、環境活動団体シエラクラブは、天然ガス業界から『26億円の寄付』をこっそり受け取っていた・・寄付の一部をシエラクラブは「石炭火力発電の新設阻止と古い施設の解体」キャンペーンに使った(p234)


▼引用は下記の書籍からです。
「地球温暖化」の不都合な真実
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マーク・モラノ
日本評論社
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【私の評価】★★★★☆(83点)


目次

1章 嫌われ者の身上書
2章 いつか来た道
3章 虚構の「合意」
4章 尾が犬を振る?
5章 脳内の危機
6章 折れたスティック
7章 長い足踏み
8章 気候予測と事実の大差
9章 消えゆく「合意」
10章 腐敗の証明:クライメートゲート事件
11章 温暖化? 気候変動?
12章 ご心配なく
13章 延期作戦
14章 黒い謀略 
15章 乗り遅れるな! 
16章 偽善者ばかり 
17章 子どもをダシに 
18章 無駄の押しつけ 
19章 緑の蛮行 
20章 救いの光 



著者経歴

マーク・モラノ(Marc Morano)・・・1968年、米国ワシントンDC生まれ。1991年にジョージ・メイソン大学政治学科卒業後、ラジオ・テレビ・ウェブ界のジャーナリストとして活躍。2006~09年、連邦議会上院の環境・公共事業委員会で広報部長。2009年よりブログClimate Depotを運営し、各国の科学者等と協働で温暖化関連情報を発信。2016年に映画『クライメート・ハッスル(温暖化詐欺)』を制作・公開。


地球温暖化関係書籍

「「脱炭素」は嘘だらけ」杉山 大志
「地球温暖化「CO2犯人説」は世紀の大ウソ」
「「地球温暖化」の不都合な真実」マーク・モラノ
「地球温暖化への挑戦」薬師院 仁志
「「地球温暖化」狂騒曲 社会を壊す空騒ぎ」渡辺 正
「環境問題の嘘 令和版」池田 清彦
「CO2温暖化論は数学的誤りか」木本 協司


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