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「ずるい成功術 10人の「勝ち組」に学ぶラテラルシンキング」木村 尚義

2019/09/26公開 更新
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ずるい成功術 10人の「勝ち組」に学ぶラテラルシンキング~


【私の評価】★★★★☆(83点)


要約と感想レビュー

成功している人というのは、挑戦する勇気を持っている人ですが、それだけでは成功できません。新しいことに挑戦すると、必ず困難に出会うのです。そうしたときに、それを乗り越える知恵を出せるのか、どうかで未来が決まるのです。この本ではスティーブジョブズ、豊臣秀吉、宮崎駿、本田宗一郎など10人がどのようにして困難を乗り越えたのかクイズ形式で考えていきます。そういう意味では、ずるい成功術というのは誤解を招くタイトルなのでしょう。


例えば、本田宗一郎とともにホンダを創業した藤澤武夫は、ホンダのオートバイを売るために代理店を増やそうと考えました。ところが、全国のオートバイ店は300軒ほどですが、ホンダのオートバイを扱う代理店は20軒ほどしかなかったのです。藤澤武夫がどうしたかといえば、自転車の販売店にホンダのカブを売ってもらうようダイレクトメールを送って1万以上の店舗でカブを扱ってもらうことに成功するのです。


・ホンダに合流すると資金作りを約束した藤澤でしたが、町工場に銀行は融資してくれません。しかし、藤澤は約束通り資金を調達します。どうやって資金を調達したのでしょうか?
答え→自分の木材店を売って資金を作った(p196)


印象的だったのは、高品質のアニメを制作してきたスタジオジブリ創業の理由でしょう。それまでのアニメ制作の現場では、原画を一枚仕上げると○○円という出来高制の契約が一般的だったのです。これは手を抜けば手を抜くほど素早く仕上げられるので報酬は高くなるのですが、良い作品を作りたい宮崎駿と鈴木敏夫は、原画にじっくり取り組めるように社員として正規雇用して給料制にしたのです。それが、1985年に設立されたアニメ制作スタジオ、スタジオジブリなのです。


また、ドラッグストア「マツモトキヨシ」では、金がなく商品を揃えられなくて、さらに、店舗の二階に客がまったく来なかったのです。二階に客を誘導するにはどうするか、店に入りやすくするにはどうするか、在庫を切らせないためにどうするか、知恵をめぐらしたのです。金がないなら知恵を出すということで「マツモトキヨシ」では、客が興味を持つ化粧品を階段に陳列することで2階に人を誘導することに成功します。困難がマツモトキヨシを、日本のドラッグストアにしたと言えるのでしょう。


・ドラッグストア「マツモトキヨシ」・・・来店したお客様を二階まで誘導するにはどうしたら良いでしょうか?
 答え→階段に沿ってぎっしりと化粧品を陳列した(p46)


人に学ぶという意味で、こうした本は大好きです。どうしようもないと諦めてしまいそうな困難の中に、道はあるのだと思いました。そして困難が人を成長させるのです。やれば、できる!木村さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・必要な部品がない・・。あなただったらどうしますか?(高校生のスティーブ)ジョブズの答えは、「メーカーのトップに直接電話をする」(p12)


・「スター・ウォーズ」・・ルーカスは監督報酬などよりも、マーチャンダイジングの権利のほか、BGMのサウンドトラック版の権利獲得を優先させました・・・映画館で販売する関連商品が大きな売上げを記録したことはありません・・なぜ、映画よりも周辺の権利にこだわったのか?それはルーカスがディズニーストアと同じような、スター・ウォーズストアを作りたかったからでした(p71)


・宮崎駿に学ぶ・・「ナウシカ」は、当初雑誌「アニメージュ」に漫画として連載されました・・・宮崎はそんな雑誌はすぐにつぶれますと極めて非協力的に接し・・連載を渋る宮崎でしたが・・連載の決め手になったある出来事とはいったいなんでしょう?
 答え→アニメの仕事がしばらくなかったから(p124)


ずるい成功術 ~10人の「勝ち組」に学ぶラテラルシンキング~
木村 尚義
廣済堂出版
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【私の評価】★★★★☆(83点)


目次

01 スティーブ・ジョブズに学ぶ「交渉術」
02 松本清に学ぶ「発想術」
03 ジョージ・ルーカスに学ぶ「子ども思考術」
04 豊臣秀吉に学ぶ「人たらし術」
05 ドラえもんに学ぶ「コンサル術」
06 宮崎駿に学ぶ「創造術」
07 レイ・クロックに学ぶ「儲ける術」
08 清少納言に学ぶ「尽くす術」
09 ナポレオンに学ぶ「超出世術」
10 本田宗一郎に学ぶ「慕われ術」



著者経歴

 木村尚義(きむら なおよし)・・・株式会社創客営業研究所代表取締役。六本木ライブラリー個人事業研究会会長。1962年生まれ。大学卒業後、ソフトウェア開発会社を経てOA機器販売会社に入社。秋田にあった不採算店舗の再建を任され、パソコンに詳しい常連客に接客を手伝ってもらうという、逆転の発想を駆使して売上を5倍に改善する。その後、IT教育会社に転職、研修講師としてのスキルを磨く。自身が30年以上研究している、既成概念にとらわれずにアイデアを発想する思考法を企業に提供し、日本を元気にしたいという思いから、2008年に株式会社創客営業研究所を設立。コンサルタントとして、中小企業が大手企業に勝つためのさまざまなアイデアを提案し、好評を得ている。また、銀行、商社、通信会社、保険会社、自治体などに「発想法セミナー」を提供している。訪問した企業は2014年4月までに1000社以上、受講者数は3万人を超える。


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