角川書店 (2004/03)
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日本社会に関する重要な問題提起
大東亜戦争に対する真の目線
組織の非合理性を理解し、あるべき姿を学べる本
●著者紹介・・・山本 七平
1921年生まれ。砲兵としてマニラで捕虜となる。戦後、山本書店を
設立し、ユダヤ系翻訳出版に携わる。「日本人とユダヤ人」が300万部
の大ベストセラーとなる。その他、名著多数。1991年逝去。
●著者は、太平洋戦争で日本が敗れた原因は、
日本人に固有の特性によるものであり、
その特性は、現在でも変わっていないとしています。
●たとえば、わが社には技術力がある!と社長が言っていたとしても、
その技術力とは、関係会社の現場の担当者が独力で仕事を覚えて、
職人として頑張っているだけだったりするわけです。
・「日本軍の強さ」なるものの謎は一体なんなのであろうか。
それは一言でいえば、中小企業・零細企業的な強みなのである。
(p179)
●上が無能でも、現場がなんとかこなしてしまうという状況では、
無能な人が出世できるのが日本なのかもしれません。
・軍人たるや、自らの専門である軍事知識さえまことにあやしげで、
アメリカ軍の装備や編成についてすら、何も知らなかったのが実情で
あった。そしてこの奇妙な現象は、常に日本に発生するのである。
(p54)
●また、こうした状況が原因なのかもしれませんが、
達成不可能な目標を掲げたりするのも日本人の特徴であり、
温室効果ガスの排出制限の目標設定など、その最たるものでしょう。
・「軍の計画はその意気を示すだけである」といった人が
あったが、歩いてみて、つくづくそう思わざるを得ない
事ばかりだ。(p293)
●さらに、合議制のため、ひとつの戦略を推し進めたり、
極端な方針転換ができないなど、外部から見るとまったく意図を持たずに
行動しているように見えるのでしょう。
・当時日本を指導していた軍部が、本当は何かを意図していたのか、
その意図は一体何だったのか、おそらくだれにもわかるまい。というのは、
日華事変の当初から、明確な意図などは、どこにも存在していなかった。
ただ常に、相手に触発されてヒステリカルに反応するという「出たとこ
勝負」をくりかえしているにすぎなかった。(p65)
●私も日本人であるかぎり、そうした傾向はあるはずです。
自戒するためにも繰り返し読みたい一冊として★4つとしました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・奇妙なことに、精兵主義があれば精兵がいることになってしまい、
強烈な表現の軍国主義があれば、強大な軍事力があることになって
しまう。これはまことに奇妙だが、形を変えれば現在も存在する
興味深い現象である。(p75)
・根本的には、日本の「タテ社会」に基因する、陸海に共通する
決定的な「タテ組織」にあったのであろう。これは単に陸海の
不協力だけではなく、陸軍内の空地・歩砲の協力すら行わせない
ほど徹底していた。(p176)
・日本人は命を粗末にする(小松真一)(p227)
「日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条」山本 七平、角川書店(2004/3)¥820
(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)87点
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