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「正義で地球は救えない」池田 清彦

(2009年1月14日)|

正義で地球は救えない

【私の評価】★★★★☆(83点)


■テレビや新聞ばかり見ていると、
 どうも納得できないことが数多くあります。


 京都議定書というけど、お金を払うのは日本だけ?
 大麻取締法違反というけど、本当に大麻は悪いの?
 リサイクルというけど、
 本当にリサイクルされているのか?


■この本では、主に
 「CO2排出量削減キャンペーン」と
 「自然の生態系保護」政策の矛盾点について、
 議論されています。


 私が興味を持ったのは、
 「CO2排出量削減キャンペーン」です。


■まず、大元、基本的なところですが、
 本当に「地球温暖化」しているのか?


 温暖化や海水面の上昇の原因は、
 温暖化ガスなのか?


 ということについては、
 実は、まだ研究者間で議論がある
 問題なのです。


  ・ほんとうにCO2の人為的排出によって地球は
   どんどん温暖化が進むのだろうか・・・
   「地球温暖化」論事態がウソであると言っている
   科学者は少なからずいる。(p20)


■では、どうして欧米各国がそのような
 あいまいな理論で「CO2排出量削減キャンペーン」を
 行っているのでしょうか?


 それは、需要が供給を上回る可能性のある地下資源を
 中国、インドなどの新興国に
 使わせたくないからです。


  ・欧・米が政治的に手を組んでまで大掛かりな
   地球温暖化キャンペーンを張ったわけです。・・・
   結局、西側諸国はそういう新興国に向かって
   「石油をあまり使うな」と言っている(p111)


■さらに、納得できないのは、
 最もGDPあたりのCO2排出量が少ない日本が、
 削減目標を達成できず、排出枠を買わなくてはならない
 状況になっているという事実です。


 もっとも成績のよい人が、
 自分で厳しい目標を作り、
 達成できないために他国に罰金として数兆円を払う。
 このようなことがあって良いのでしょうか。


  ・地球温暖化対策の推進に関する法律に基づいて
   環境庁(当時)が指定した
   「全国地球温暖化防止活動推進センター」・・・
   の代表は、京都議定書を締結した
   第二次橋本改造内閣の環境庁長官だった
   大木浩である。(p52)


■テレビは新聞では報道されない内容ですので、
 読む価値のある本だと思いました。


 この本がすべて正しいといことはないと思いますが、
 視野を広げるには良いのではないでしょうか。
 本の評価としては、★4つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・EUは、たとえば、省エネという面では
   大きく遅れていた旧東ドイツが
   西ドイツと統一後に急速に省エネルギー技術を
   進めることでCO2排出量を大幅に
   減少させることが可能・・・
   日本はEUに嵌められたのである。(p42)


  ・各国にとって、CO2をどうやって
   減らすかなどということよりも、
   この原油高に対応してどうエネルギー戦略を
   立てていくかとか、あるいは食料問題を
   どう解決するかといったことのほうが
   ずっと切実な危機に直面する大問題(p57)


  ・金沢のある小さな池で、ブラックバスがいると
   トンボの幼虫のヤゴをブラックバスが食うから
   トンボが絶滅するということを言い出した人間がいて、
   ブラックバスの徹底駆除を試みた。
   するとアメリカザリガニが増えて、
   トンボがいなくなってしまった。
   ヤゴがザリガニに食われてしまったのである。
   つまり、ブラックバスは実は
   アメリカザリガニを食っていたらしい(p96)


▼引用は、この本からです。

正義で地球は救えない
池田 清彦 養老 孟司
新潮社
売り上げランキング: 3051
おすすめ度の平均: 4.5
4 複眼的思考のトレーニング
4 わかりやすい!!
4 ぶったまげた極論もあるが良書
5 地球温暖化は「全部CO2排出のせい」だという確証はない
5 頭を柔らかくする本

【私の評価】★★★★☆(83点)



■著者紹介・・・池田 清彦(いけだ きよひこ)

 1947年生まれ。生物学者。
 早稲田大学国際教養学部教授。


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